日本金属学会

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2023年春期講演大会公募シンポジウムテーマ要旨

春期講演大会におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は、下記4テーマで実施することになりました。講演申込要領は前記のとおりです。多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします。

S1  ハイエントロピー合金の材料科学IX

Materials Science and Technology in High-Entropy Alloys IX

ハイエントロピー合金では、配置のエントロピーが固溶体相を安定化するとの考えを基に、不均一に歪んだ結晶格子に由来した高い変形強度、トラップ効果に由来した遅い原子拡散から生じる高いクリープ特性、多様な構成原子間の非線形相互作用に起因する物性発現に関するカクテル効果など、材料科学の基礎・応用の両面で興味深い現象が期待されている。現実に優れた高温強度、低温靭性、高耐摩耗性を示す一連の合金が見出されている。科研費・新学術領域研究も本年度で最終年度となり、様々な知見が蓄積されてきている。本シンポジウムでは、ハイエントロピー合金の基礎及び応用に関する実験・理論計算の研究に関する講演を広く募り、大学、企業、研究所の研究者の活発な議論の場を提供するとともに、これら研究者の有機的連携を促進しつつ、ハイエントロピー合金に関する科学的な疑問を解明すべく、第9回の公募シンポジウムを企画する。

テーマ責任者

(シンポジウムchair):
日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センター研究主幹 都留 智仁
E-mail:tsuru.tomohito@jaea.go.jp
シンポジウムco-chairs):九大 田中 將己 金沢大 下川 智嗣 東北大 井上 耕治

S2  金属表面の材料化学VI―めっき・耐食性・耐酸化性・触媒研究の新展開―

Materials Science in Surface Chemistry on Metal VI

第5分野で取り扱う金属表面と溶液や気体などとの化学反応は、異なる専門領域として深化してきているが、その本質には共通点も多いが、関連分野の研究者が議論する機会は余りなく、その様な場の提供が必要である。 本シンポジウムでは金属表面化学や、表面とバルク特性の関係について、主にめっき・触媒・耐食性・耐酸化性の分野から講演を募り、研究者間での意見・情報交換、討論を行うことで、関連分野の理解を進め、共同研究や新規研究テーマの創成等へと繋がるきっかけとする。

テーマ責任者

(シンポジウムchair): 北海道大学教授 林 重成
            E-mail:hayashi@eng.hokudai.ac.jp
(シンポジウムco-chairs):兵庫県立大 八重真治 阪大 土谷博昭 東北大 轟 直人

S3  材料機能特性のアーキテクチャー構築シンポジウムIV
-さまざまな拡散・輸送現象のアナロジー体系化による学理の再認識-

Architecture construction for functions and properties of materials IV —Reconsidering the principles for various diffusion processes and transport properties based on systematic classification by analogy—

材料機能特性のアーキテクチャー研究会が企画する公募シンポジウムの第IV弾である。結晶構造や格子欠陥から相界面を含む組織まで、マルチスケールにわたる材料の構造全体をアーキテクチャーとして捉えている。今回は、異なる材料や反応における「さまざまな拡散・輸送現象の類似と相違をアナロジーで体系化する」という切り口で、広範な専門分野に共通する基礎学理を再認識して理解を深める機会とする。構造用と機能性、金属とセラミックスなど材料の枠組みを超えた議論が期待される。多様な専門分野で研究される多彩な材料において、拡散・輸送現象はアーキテクチャーと密接に関連して律速過程や制御因子として重要な役割を果たす。例えば、組織形成の析出・相変態・粗大化、凝固界面における潜熱と溶質の散逸、精錬の酸化還元プロセスにおける物質移動、耐熱合金の転位・空孔・粒界による高温クリープ変形、導電性材料における電子・イオン・フォノンの輸送特性など、対象は多岐にわたる。

テーマ責任者

(シンポジウムchair):
東京工業大学物質理工学院材料系教授 木村好里
E-mail: kimura.y.ac@m.titech.ac.jp
(シンポジウムco-chairs):
足利大 小林重昭 東北大 関戸信彰 産総研 田中孝治 熊本大 連川貞弘 東工大 細田秀樹 東北大 吉見享祐

S4  特異反応場における時間/空間応答を利用した新奇材料構造創成III

Tailoring of novel-structured materials using spatio-temporal responses under exotic reaction fields III

非平衡状態を利用したナノ・マイクロ組織を有する材料の開発や物性探索において、極限反応場や特殊環境下の非平衡励起状態の実現だけでなく、その緩和過程に代表される時間的変化をも利用した*エキゾチックな*時間的・空間的応答の理解・制御が重要である。これを受け、2022年秋までに開催した同テーマでの2回のシンポでは13件程度の一般講演申し込みがあり、会員の興味が高いことを示している。そこで、2023年春も同趣旨にてシンポを継続開催し、高エネルギー照射などによる極限場における時間/空間応答の利用による新規材料開発について議論を深める。

テーマ責任者

(シンポジウムchair):
筑波大学数理物質系物質工学域准教授 谷本久典
E-mail:tanimoto@ims.tsukuba.ac.jp
(シンポジウムco-chairs):
東北大 森戸春彦 GCEインスティテュート 中村貴宏 大阪府立大 堀 史説 東北大 田中俊一郎 
若狭湾エネルギー研究センター 岩瀬彰宏

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