日本金属学会

表彰(日本金属学会)

~2015年9月16日(水)九州大学伊都キャンパス椎木講堂(ホール)において、
下記の方々が受賞されました。おめでとうございます。~

第13回日本金属学会学術貢献賞 贈呈式(9名) (2015年9月16日)

物質・材料研究機構グループリーダー 石田 章 君

 受賞者は、スパッタリング法で作製した形状記憶合金薄膜において初めて完全な形状記憶効果が得られることを定量的な評価によって明らかにして以来、薄膜の優れた機械的特性とアモルファスの結晶化を通して得られる微細な組織の関係を明らかにした。また、新しい変形メカニズムの提案や合金元素の添加による特性の改善、さらにはマイクロデバイスの作製や新しい複合機能膜の開発などにも取り組み、形状記憶合金薄膜の開発基盤となる知識体系の確立と技術開発に貢献した。

長崎大学大学院工学研究科教授 香川明男 君

 受賞者は、凝固加工法に関する基礎的研究として、鉄鋼材料の耐摩耗表面処理、金属材料の溶融積層造形法、金属基複合材料の製造法(低圧加圧溶浸法)の開発、ニッケル基・鉄基合金の結晶粒微細化材の開発等を行ってきた。また、機能性金属としての水素吸蔵合金を利用したヒートポンプ材、ニッケル水素2次電池用負極材料、水素吸蔵合金アクチュエータおよび水素吸蔵合金の医療分野への応用等、幅広い研究成果を挙げており、金属材料の製造法や機能性金属材料に関する学術および技術の進歩に貢献した。

名古屋大学大学院工学研究科教授 金武直幸 君

 受賞者は、金属材料の塑性加工プロセスを組織・材質の立場から研究開発し、独創的な発想に基づいた材質制御技術や材料創製技術に関する研究を推進してきた。その研究業績は、金属薄板の異方性挙動とプレス成形性の結晶塑性学的研究、圧縮ねじり加工法の開発と金属材料の高性能化、金属基複合材料の創製および塑性加工、ポーラス金属の製造プロセスと特性評価など多岐に亘っているが、これらの研究開発を通じて、材料開発とプロセス開発の境界に位置する学術分野の発展に大きく貢献した。

東北大学多元物質科学研究所教授 鈴木 茂 君

 受賞者は、東北地域の鉄鋼分野や非鉄金属分野の企業との共同研究を推進することにより、地域の金属工業の活性化に貢献してきた。具体的な産学連携の例としては、特殊鋼メーカーとの電磁ステンレス鋼の析出物解析や強化機構検討、非鉄金属メーカーとの高濃度砒素溶液中の砒素のスコロダイト粒子としての固定化技術の開発等が挙げられる。また、東北地域の大学連携研究設備ネットワーク活動を推進し、国立大学の設備相互利用の連携強化等を行うことにより、地域の学術や技術の発展に貢献した。

富山大学名誉教授 寺山清志 君

 受賞者は、鉄鉱石やマンガン鉱石などの炭素還元に係る熱反応に関する研究、希土類系複合酸化物の構造解析、セラミックス系センサ材料の研究開発をおこなってきた。特に、地元富山県の産業に根付く鉄鉱石系・マンガン鉱石系の酸化・還元反応機構を解明するために、新規な熱分析法を応用することで、高温、強還元性雰囲気下における炭素還元反応機構を解明した。また、平成23年、24年には本学会北陸信越支部の副支部長、支部長を歴任し、学会の支部活動の活性化と、その活動を通して地域での鉄鋼・金属の工業分野の振興に貢献した。

九州大学大学院工学研究院教授 三浦秀士 君

 受賞者は、種々の金属粉末の成形・焼結挙動に関する基礎解析から、材質改善や新規材料創出に向けた新しい粉体加工プロセスの開発まで幅広い研究に従事してきた。焼結鉄における気孔組織の動的ヤング率測定による新しい定量的評価法の確立、MIMプロセス中での鋼の正確な炭素量制御の確立、メゾヘテロ組織を利用した超強靭(2GPa級)Fe-Ni系MIM焼結低合金鋼の開発、Tiを始めとする難加工材のネットシェイプ・高性能化に向けたMIMプロセスの応用展開、焼結低合金鋼歯車の転造加工による高精度・高強度化、レーザを用いた粉末積層3D造形法によるTi系合金ならびにスーパーアロイ部材の力学的特性評価など、新しい金属加工学の分野の開拓とその発展に多いに貢献した。

岩手大学大学院工学研究科教授 吉澤正人 君

 受賞者は、高精度超音波測定を駆使した有機伝導体から局在電子系、遍歴電子系に至るさまざまな物質の弾性的性質の研究と、分子線エピタキシー法による物質生成の先駆的な取り組みで顕著な研究成果を上げてきた。特に、金属電子の引き起こす弾性異常の理解、鉄系超伝導の発現機構における軌道の役割の解明、超伝導磁束状態の観測、高品質MgB2薄膜の生成とそれを用いた超伝導量子干渉素子の創成など、電子の機能開発と物質生成の分野で金属学の発展に大きく貢献した。

新日鐵住金(株)技術開発本部室蘭技術研究部部長 吉田 卓 君

 受賞者はこれまでに形鋼、棒鋼の高機能化に関して、基礎から応用に及ぶ研究を行なってきた。形鋼に関して、固溶Nbによる高温強化、及び溶接熱影響部の析出挙動を明らかにし、高温域での強靭化技術の確立に貢献した。棒鋼に関しては、高周波焼入れした鋼材の疲労強度に及ぼす組織の影響を明らかにしたことなどにより、鋼部品の高強度化指針を明確にした。他にも介在物による結晶粒ピン止め効果等に関する研究を行い、浸炭処理、窒化処理での組織制御に応用されている。

新日鐵住金(株)技術開発本部鉄鋼研究所部長 吉永直樹 君

 受賞者は、自動車用鋼板の研究開発に携わり、世界をリードする顕著な成果を挙げている。集合組織の分野において、EBSDを用いた再結晶集合組織に関する先駆的な研究、変態を通じて生ずるTexture Memory現象の発見、さらに電析純鉄での従来の常識を遥かに上回る超高r値の発見などである。これらは学術的に貴重なだけでなく、鉄鋼材料のポテンシャルを示す画期的な成果である。商品開発においても引張強度が980MPa級の鋼板を世界に先駆けて実用化するなど自動車車体の軽量化への貢献も大である。

第38回 日本金属学会技術開発賞 贈呈式 (4件15名) (2015年9月16日)

1. 省資源型高耐熱フェライト系ステンレス鋼「JFE-TF1」の開発

(まてりあ54 巻1 号)

JFE スチール(株)スチール研究所 主任研究員 中村徹之 君

JFE スチール(株)スチール研究所 部長 太田裕樹 君

JFE テクノリサーチ(株)知多事業部 部長 加藤 康 君

2. 優先配向制御による高耐熱性・高曲げ加工性銀めっき膜の開発

(まてりあ54 巻1 号)

DOWA メタルテック(株)センター長 宮澤 寛 君

DOWA メタルテック(株)主任研究員 篠原圭介 君

DOWA メタルテック(株)副課長 尾形雅史 君

DOWA メタルテック(株)取締役金属加工事業部長 菅原 章 君

3. インサート材を用いた異種材料間のレーザ接合技術の開発

(まてりあ54 巻1 号)

岡山県工業技術センター 研究員 水戸岡豊 君

早川ゴム(株)部長 山田功作 君

富山県立大学工学部招聘研究員 永田員也 君

広島工業大学工学部 教授 日野 実 君

岡山理科大学工学部 教授 金谷輝人 君

3. 耐ヒートチェック性に優れるダイカスト金型用肉盛溶接棒DHW®の開発

(まてりあ54 巻2 号)

大同特殊鋼ー(株) 技術開発研究所 研究員 梅森直樹 君

大同特殊鋼ー(株) 工具鋼部 副主任部員 増田哲也 君

大同特殊鋼ー(株) 技術開発研究所 主任研究員 堀尾浩次 君


第13回日本金属学会功労賞 贈呈式 (2名) (2015年9月16日)

[学術部門]2 名

九州大学大学院工学研究院教授 津﨑 兼彰 君

 受賞者は一貫して鉄鋼材料の組織制御と高性能化に関する研究に取り組み多くの業績を挙げてきた。京都大学時代は、相変態・析出・再結晶の基礎研究を行い、1997年に金属材料技術研究所に移籍後は、超鉄鋼研究プロジェクトのもとで衝撃破壊に強い超高強度鋼を開発した。九州大学に異動した2013年からは疲労き裂と転位運動をキーワードに機械工学と材料工学の連携に努めている。さらに2014年4月には開発した新合金がJPタワー名古屋ビルに制振ダンパーとして実装され、研究成果の実用に関しても成果をあげている。

東京大学大学院工学系研究科教授 山口 周 君

 受賞者は、主に高温反応の熱力学、固体化学ならびに固体イオニクス分野にわたる幅広い分野における先導的研究により多くの業績を挙げてきた。固体電解質を用いたプロセスモニタ用化学センサの開発とこれを用いたプロセスの熱力学的解析、酸化物および表面プロトニクス材料の基礎的研究、in situ硬X線光電子分光を用いた原子スイッチデバイスの分極機構の解明、イオン/電子混合伝導体におけるパーコレーション伝導など、材料化学の幅広い分野にわたる研究成果は国内外において高く評価されており、その学術の発展に貢献した。

第25回日本金属学会奨励賞 贈呈式 (6名) (2015年9月16日)

[物性部門]

東京工業大学元素戦略研究センター特任助教 熊谷 悠 君

 受賞者は、第一原理計算を用いた半導体中の格子欠陥の理論解析と材料設計を専門として研究を行い、優れた成果を上げてきた。とりわけ(1)マンガン酸化物中の特異なドメイン構造の起源解明、(2)点欠陥計算の高精度化の手法の2点は高く評価されている。特に後者に関しては、これを用いた応用研究も着実に行っている。現在は、デバイス作成の際に重要な指標となるイオン化ポテンシャルの理論的考察など、多角的な視点から半導体の理論研究に貢献しており、今後の更なる展開が期待される。

[組織部門]

東京大学大学院工学系研究科助教 石川 亮 君

 受賞者は、先進的な電子顕微鏡法に基づき、様々な材料における組織・構造の解析に加え、新たな計測・解析手法の開発を行ってきた。主な業績として、(1)立方晶系窒化ホウ素中にドープされたセリウム単原子の形成する複合点欠陥の局所構造解析、(2)電子計数法に基づく原子分解能電子顕微鏡像の定量解析法の開発、(3)窒化アルミ中にドープされたセリウム単原子の空孔を介した拡散機構の解明、などが挙げられる。現在は二次元物質系における局所欠陥構造の解明に取り組んでおり、今後の更なる展開が期待される。

[力学特性部門]

東北大学大学院工学研究科助教 安藤大輔 君

 受賞者は、SEM、TEM等を用い、様々な材料物性と内部金属組織との関係性について研究を行ってきた。特にマグネシウム合金に関する研究では、汎用合金を用いて変形・破壊挙動における変形双晶の役割に関して細やかなデータを提示しており、同研究分野で広く利用されている。現在は、上記知見を基に早期破壊の原因になると言われていた変形双晶をうまく利用して高延性・高強度化を図る研究に加え、BCC相を有した機能性マグネシウム合金の新規開発にも取り組んでおり、今後の更なる展開が期待される。

[材料化学部門]

大阪大学大学院工学研究科助教 桑原泰隆 君

 受賞者は、製鉄プロセスで副生成する鉄鋼スラグの高度利用・高付加価値化を目指し、鉄鋼スラグを原料にした機能性材料の合成とその応用研究に取り組んできた。鉄鋼スラグを高いリサイクル効率でナノ多孔体や層状化合物等の機能性材料へ変換する手法を開発するとともに、合成した材料群が有用な吸着材や触媒材料として機能することを実証してきた。現在、スラグ変換技術を基盤としたリンの効率的回収・再資源化技術の創出に取り組んでおり、今後の更なる展開が期待される。

[材料プロセシング部門]

産業技術総合研究所研究員 松井 功 君

 受賞者は、電析を用いた高強度・高延性を両立するバルクナノ結晶メタルの創製をテーマとして、電析プロセスの構築および特性評価を行ってきた。主な業績として、(1)高延性電析バルクナノ結晶メタルを得るための作製ガイドラインの構築、(2)高強度・高延性バルクナノ結晶Fe-Ni合金の作製、(3)有機溶媒浴を用いたナノ結晶Alの作製、などが挙げられる。現在は、高寿命電鋳材料の開発や有機溶媒浴を用いた新規なAl電析プロセスの開発など、実用化を視野に入れた開発研究に取り組んでおり、今後の更なる展開が期待される。

[工業材料部門]

物質・材料研究機構研究員 Sepehri-Amin, Hossein君

 Development of high coercivity Dy-free Nd-Fe-B permanent magnets has been center of my research interest. Multi-scale microstructure characterizations and micromagnetic simulations have been employed to investigate microstructure-coercivity relationships of Nd-Fe-B magnets. It was found that the reason for the low coercivity is the ferromagnetic exchange coupling of Nd2Fe14B grains through ferromagnetic grain boundary phase. Based on this, we demonstrated that a high coercivity Dy-free ultra-fine grained Nd-Fe-B magnet can be developed by engineering of the grain boundary chemistry by the diffusion of low melting point Nd-Cu alloy through grain boundaries.

第5回日本金属学会まてりあ賞 贈呈式 (3編5名) (2015年9月16日)

[第5 回まてりあ論文賞](2編4名)

1. 構造用金属間化合物研究から派生した様々な新しい研究展開~新構造用材料から生体材料・生体組織研究まで~ (まてりあ51 巻4 号)

東北大学大学院工学研究科 教授 吉見享祐 君

東京工業大学 精密工学研究所 教授 細田秀樹 君

大阪大学大学院工学研究科 教授 中野貴由 君

2. 局所力学挙動と材料特性―nm スケール力学挙動解析による未踏領域への挑戦―(まてりあ53 巻7 号)

物質・材料研究機構 副ユニット長 大村孝仁 君

[第5 回まてりあ啓発・教育賞](1編1名)

1. 材料の組織形成とその理論(まてりあ53巻8号、9号、10号、11号、12 号)

名古屋工業大学 名誉教授 宮崎 亨 君


第12回日本金属学会村上記念賞 贈呈式 (1名) (2015年9月16日)

東北大学金属材料研究所教授 新家光雄 君

 受賞者は、金属系生体材料、特にチタン系生体材料の開発および高力学的生体機能化において多大な業績を挙げている。生体用低弾性率機能性Ti-Nb-Ta-Zr系合金および生体用低弾性率ヤング率自己可変機能性Ti-Cr 系合金を世界に先駆けて開発している。前者については、歯科矯正ワイヤーやメガネフレームへの実用化を達成している。後者では、低弾性率および高付形性の相反する特性を変形誘起相変態を利用して満たすという、これまでにない新たな概念を提案し、実証する同時に、相安定性制御による著しい高力学的生体適合化を達成している。これらの業績を通して、金属工学の分野における先駆的研究および開発に格段の功績を挙げた。

第12回日本金属学会村上奨励賞 贈呈式 (4名) (2015年9月16日)

大阪大学大学院工学研究科准教授 白土 優 君

 受賞者は、薄膜手法を駆使したナノ磁性材料の創成とナノ磁性材料の界面磁性に関する研究を行ってきた。特に、酸化物反強磁性薄膜を用いた界面交換磁気異方性の発現と電界制御、超薄膜を利用した磁性ナノ粒子の作製と超常磁性挙動の解明に関する多くの業績を挙げてきた。近年では、蛋白質を利用した新規ナノ磁性材料創成や、放射光を用いた界面磁性の起源解明などの学術面での発展とともに、電界制御可能な交換磁気異方性の磁気デバイスへの応用に向けた研究を展開しており、今後の更なる発展が期待される。

物質・材料研究機構主幹研究員 染川英俊 君

 受賞者は、マグネシウム合金をはじめとする非鉄金属材料の高性能化に取り組んできた。強度と二律相反関係にある延性・靭性に及ぼす影響因子を抽出し、高延性・強靭化の発現機構の解明に成功したこと、ユビキタス元素使用であっても、階層的組織因子を複合制御することで、高強度を維持しながら延性・靭性に優れた素材創製に成功したこと、等が挙げられる。最近では、溶質元素機能を系統的に調査し、物理定数と機械的性質との関係を構築するとともに、特性の革新化にも挑戦しており、今後の更なる展開が期待される。

東北大学大学院工学研究科助教 竹田 修 君

 受賞者は、材料製造、リサイクル、廃棄物処理のための融体物性研究および高温プロセス開発に取り組んできた。物性研究では、回転振動法粘度計および回転法粘度計を開発し、溶融金属や溶融塩・スラグの粘度を高い確度で決定した。既報に見られる粘度の異常挙動はほとんどの融体で存在せず、単純な粘度挙動を示すことを明らかにした。また、チタンの新規製錬プロセスやレアアースの環境調和型リサイクルプロセスの開発等、プロセス研究との連携を高次化しており、今後のさらなる発展が期待される。

豊橋技術科学大学大学院工学研究科准教授 戸髙 義一 君

 受賞者は、巨大ひずみ加工による組織・格子欠陥制御に基づいて、主に構造用金属材料の特性・機能を高度化する研究を行ってきた。バルク巨大ひずみ加工により作製したバルクナノメタル(BNM)において系統的な研究を行い、BNMで発現する力学的な特異現象(高強度・高延性の両立など)とナノ組織・高密度格子欠陥組織との関係を明らかにしてきた。また、その成果を応用展開するために、新規な表層巨大ひずみ加工プロセスを開発するなど、学界・産業界を問わず、さらなる発展が期待される。

第63回日本金属学会論文賞 贈呈式 (6編29名) (2015年9月16日)

[物性部門]1編(4名)

1. Structure of an Al-Cu-Co Decagonal Quasicrystal Studied by Cs-Corrected STEM

(Materials Transactions, Vol.55, No.6)

東北大学金属材料研究所 准教授 湯葢邦夫 君

奈良女子大学理学部 准教授 山本一樹 君

日本電子(株)EM 事業ユニット 安原 聡 君

東北大学 名誉教授 平賀贒二 君

[組織部門]1編(8名)

2. Effect of Pre-Aging Treatment on the Microstructure and Magnetic Properties of Sm(Co, Fe, Cu, Zr)7.8 Sintered Magnets

(Materials Transactions, Vol.55, No.3)

(株)東芝研究開発センター 研究主務 堀内陽介 君

(株)東芝研究開発センター 萩原将也 君

(株)東芝研究開発センター 研究主務 岡本佳子 君

(株)東芝研究開発センター 主任研究員 小林剛史 君

(株)東芝研究開発センター 遠藤将起 君

(株)東芝研究開発センター 小林忠彦 君

(株)東芝研究開発センター 眞田直幸 君

(株)東芝研究開発センター 研究主幹 桜田新哉 君

[力学特性部門]1編(6名)

3. Effect of Micro-Alloying Elements on Deformation Behavior in Mg-Y Binary Alloys

(Materials Transactions, Vol.55, No.1)

物質・材料研究機構 主幹研究員 染川英俊 君

物質・材料研究機構 大澤嘉昭 君

物質・材料研究機構 主席研究員 Alok Singh 君

トヨタ自動車(株)先端材料技術部 主任 鷲尾宏太 君

トヨタ自動車(株)先端材料技術部 技範 加藤 晃 君

神戸大学大学院工学研究科 教授 向井敏司 君

[材料化学部門]1編(5名)

4. Multiphase Particle Simulation of Gas Bubble Passing Through Liquid/Liquid Interfaces

(Materials Transactions, Vol.55, No.11)

北海道大学大学院 工学研究院 助教 夏井俊悟 君

北海道大学大学院 工学研究院 高井比文 君

北海道大学大学院 工学研究院 助教 熊谷剛彦 君

北海道大学大学院 工学研究院 准教授 菊地竜也 君

北海道大学大学院 工学研究院 教授 鈴木亮輔 君

[材料プロセシング部門]1編(4名)

5. Application of Harmonic Structure Design to Biomedical Co-Cr-Mo Alloy for Improved Mechanical Properties

(Materials Transactions, Vol. 55, No.1)

立命館大学理工学部(現)Chiang Mai University Choncharoen Sawangrat 君

立命館大学理工学研究科 山口 理 君

立命館大学総合科学技術研究機構 専門研究員 Sanjay Kumar Vajpai 君

立命館大学理工学部 教授 飴山 惠 君

[工業材料部門]1編(2名)

6. Prediction of Intermetallic Compound Formation Sequences in Pseudo Binary Diffusion Couples: Experimental Examinations for (SnxZn)/Cu (x=2, 5, 10, 15, 20 and 25 mass%) by a Kinetic Model with Thermodynamic Data Using MDR Diagram

(Materials Transactions, Vol.55, No.11)

新日鐵住金(株) 技術開発本部 室長 寺嶋晋一 君

新日鐵住金(株) 技術開発本部 上席主幹 佐々木 勉 君


第23回日本金属学会若手講演論文賞 贈呈式 (3編3名) (2015年9月16日)

1. Ti-Mo-C-N 膜の硬さおよび摩擦摩耗特性

(日本金属学会誌79 巻4 号)

東北大学大学院工学研究科 ○豊田智亮

東北大学大学院工学研究科准教授 須藤祐司 君

東北大学大学院工学研究科 小宮山翔子 君

東北大学大学院工学研究科助教 安藤大輔 君

東北大学大学院工学研究科教授 小池淳一 君

オーエスジー(株) 王 媺 君

2. 超音波接合を用いて接合された押出Mg96Zn2Y2 合金継手の微細構造の特

(日本金属学会誌79 巻4 号)

鹿児島工業高等専門学校助教 ○東 雄一

茨城大学大学院理工学研究科教授 岩本知広 君

熊本大学大学院自然科学研究科教授 河村能人 君

3. Production of Nanocrystalline (Fe, Co)-Si-B-P-Cu Alloy with Excellent SoftMagnetic Properties for Commercial Applications

(Materials Transactions, Vol.56, No.3)

東北大学金属材料研究所助手 ○竹中佳生

東北大学金属材料研究所特任助教 Albertus D. Setyawan 君

東北大学金属材料研究所助教 Yan Zhang 君

東北大学金属材料研究所特任准教授 Parmanand Sharma 君

東北大学金属材料研究所特任教授 西山信行 君

東北大学金属材料研究所教授 牧野彰宏 君


第25回 優秀ポスター賞受賞者42名 (2015年9月17日発表) (五十音順)

1. 高い規則性を持つポーラスアルミナ作製法の探索(P088)

北海道大学 秋谷俊太君,菊地竜也君,夏井俊悟君,鈴木亮輔君

2.銅単結晶の圧延による方位変化の高分解能解析(P062)

東京工業大学 鯵坂祐介君,宮嶋陽司君,尾中晋君,加藤雅治君

3. ステント用Co-Cr 合金の熱処理による微細組織変化と機械的特性および耐食性の関係(P009)

東北大学 植木洸輔君,上田恭介君,成島尚之君

4. Dual-Phase 鋼の損傷成長挙動におよぼす変形温度の影響(P010)

九州大学 上畠 尚君,小山元道君,
JFE スチール 髙木周作君,
九州大学 津﨑兼彰君

5. X 線回折によるPd/AlN 多層膜の水素応答特性評価(P171)

東京理科大学 大西悠介君,石黒孝君,
東京工業大学 春本高志君

6. Co2FeSi0.5Al0.5 ホイスラー合金電極を用いたn-Ge 中の室温スピン伝導観測(P177)

大阪大学 岡孝保君,藤田裕一君,
慶応義塾大学 山田道洋君,
東京都市大学 澤野憲太郎君,
大阪大学 山田晋也君,金島岳君,浜屋宏平君

7. Dual Phase 鋼の引張挙動に及ぼす不均一変形組織の影響(P065)

熊本大学 緒方新也君,眞山剛君,峯洋二君,高島和希君,
新日鐵住金 首藤洋志君,横井龍雄君

8. Ti-Nb 合金における応力誘起a″マルテンサイトの塑性変形挙動(P030)

東京工業大学 岡野奈央君,田原正樹君,稲邑朋也君,細田秀樹君

9. Ti-Ni-Pd 形状記憶合金におけるマルテンサイトバリアント間の結晶方位関係(P155)

東京工業大学 岡本岳大君,寺本武司君,田原正樹君,稲邑朋也君,細田秀樹君

10. 白色蛍光炭化メソポーラスシリカのTEM-CL 法による分析(P046)

名古屋大学 小國和樹君,武藤俊介君,
ファインセラミックスセンター 石川由加里君,佐藤功二君,
名古屋工業大学 石井陽祐君,川崎晋司君

11. FCC 金属・合金超微細粒材の熱活性化変形過程(P040)

東京工業大学 海住亮太君,宮嶋陽司君,藤居俊之君,尾中晋君,加藤雅治君

12. 超微細粒銅の引張変形中その場XRD 測定:応力付加による回折ピークの位置と半値幅の変化(P041)

東京工業大学 小ヶ倉勇樹君,宮嶋陽司君,尾中晋君,加藤雅治君

13. 強相関電子系Mn 酸化物Ca1-xPrxMnO3 におけるC 型反強磁性状態に関係した軌道整列の結晶学的特徴(P132)

早稲田大学 児島健太郎君,井上靖秀君,小山泰正君

14. Cu(Ti)/IGZO 接合の接触抵抗値低減および薄膜トランジスタ特性と界面微細構造の関係(P168)

大阪大学 小濱和之君,伊藤和博君,
京都大学 佐野貴之君,
物質・材料研究機構 生田目俊秀君,大井暁彦君

15. ZrO2 添加バナジン酸塩ガラスの熱処理過程(P051)

九州大学 小林佑介君,山本知一君,吉岡聰君,安田和弘君,松村晶君,
首都大学東京 久冨木志郎君

16. Mn-Si-V 合金における近似結晶H相の結晶構造と構造欠陥の特徴(P050)

早稲田大学 小松崎 巧君,仲山 啓君,井上靖秀君,小山泰正君

17. 3D 大規模phase-field 格子ボルツマン計算による対流内でのデンドライト成長形態評価(P117)

京都工芸繊維大学 坂根慎治君,Roberto Rojas 君,高木知弘君

18. Mg-M-Y 三元系合金アモルファス相からの中間相およびLPSO 相の析出挙動(P026)

熊本大学 白武隆弘君,山崎倫昭君,河村能人君

19. 強相関電子系Sr1-xRxMnO3 (R=Nd, Sm)におけるC 型/A 型軌道整列相境界付近の結晶学的特徴(P100)

早稲田大学 白谷あゆみ君 ,佐藤兆樹君,井上靖秀君,小山泰正君

20. Cr-O 薄膜中に生じたナノツイン組織の基板材料依存性(P085)

長岡技術科学大学 鈴木知真君 鈴木常生君,中山忠親君,末松久幸君,新原晧一君

21. X 線回折援用結晶粒界追跡法による粒子損傷挙動の解析(P067)

九州大学 田中洸太郎君 ,戸田裕之君,平山恭介君,
高輝度光化学研究センター 上杉健太朗君,竹内晃久君

22. ZrO2 粒子振動層による乾式比重分離の選別に及ぼすスクラップ形状の影響(P125)

関西大学 辻田圭吾君 ,村佐奏志郎君,森重大樹君,竹中俊英君

23. ロケットエンジン用銅合金のクリープ疲労における転位組織の変化(P119)

東京大学 出口雅也君
ISAS,JAXA 戸部裕史君,佐藤英一君

24. 多結晶およびエピタキシャルCr(N,O)薄膜の電気抵抗率の酸素含有量依存性(P084)

長岡技術科学大学 長澤 忍君 ,鈴木知真君,鈴木常生君,中山忠親君,末松久幸君,新原晧一君

25. 貴金属表面におけるメチルシクロヘキサンの電気化学挙動(P109)

東北大学 中村大樹君 ,井上達彦君,尾本洋二君,轟直人君,和田山智正君

26. 鋳造法によって作製されたZrC添加Mo-Si-B合金の機械的性質(P146)

東北大学 中山俊一君 ,吉見享祐君

27. ねじり粒界からの転位放出現象に対する原子シミュレーション解析(P076)

金沢大学 西端大輝君 ,新山友暁君,下川智嗣君

28. 高傾斜組成を有するCo-Cu 合金薄膜の電気めっきを用いた作製(P068)

大阪市立大学 萩原宏幸君 ,兼子佳久君,内田真君

29. Mg-Ca 合金の衝撃靭性改善に寄与する第三元素添加効果(P021)

神戸大学 長谷貴之君
マツダ 太田垣達也君,
原子力研究開発機構 山口正剛君,
神戸大学 池尾直子君,向井敏司君

30. HPT 加工を施した純Zr の相変態挙動解析(P091)

九州大学 原口 琳君 ,吉松佑樹君,長岡 孝君,有田 誠君,堀田善治君

31. クラスター展開・変分法を用いたFe-Ti-S 3 元系状態図の解析(P059)

九州工業大学 平田研二君 ,飯久保智君,
東北大学 大谷博司君

32. FLA 結晶化によるa-Ge 膜の結晶性評価(P166)

兵庫県立大学 平野翔大君 ,部家彰君,松尾直人君,
ウシオ電機 中村祥章君,横森岳彦君,吉岡正樹君,
山口大学 河本直哉君

33. 純粋せん断による純マグネシウム単結晶におけるすべり系の活動応力の評価(P066)

熊本大学 福田一貴君 ,小柳佑太君,津志田雅之君,
北原弘基君,眞山 剛君,安藤新二君

34. 超微細粒SUS304 の水素脆化挙動に及ぼす結晶粒径の影響(P064)

熊本大学 堀田伸明君 ,峯 洋二君,高島和希君,
九州大学 堀田善治君

35. GdBa2Cu3O7-y 超伝導膜中に分散した磁束ピン止めセンターの形態と界面歪みの解析(P159)

九州大学 前田拓也君
JFE スチール 西山武志君,
九州大学 金子賢治君,山田和広君,佐藤幸生君,寺西亮君,
日本ファインセラミックスセンター 加藤丈晴君,
国際超電導産業技術研究センター 和泉輝郎君,塩原融君

36. AE 波形クラスタリング手法を用いたLPSO-Mg 合金における変形機構の評価(P022)

東京大学 武藤有輝君 ,白岩隆行君,榎 学君

37. バナジウム系水素透過金属膜の機能を活用した新規アンモニア合成法の検討(P126)

名古屋大学 森本慎平君 ,湯川 宏君,村田純教君

38. TMA 原料によるanatase-TiO2 膜への酸素欠損導入のメカニズムの解明(P161)

芝浦工業大学 山本逸平君
物質・材料研究機構 生田目俊秀君,澤田朋美君,大井暁彦君,
明治大学 栗島一徳君,
物質・材料研究機構, 奈良先端大学 DAOThang Duy 君,
物質・材料研究機構 長尾忠昭君,知京豊裕君,
明治大学 小椋厚志君,
芝浦工業大学 大石知司君

39. ポリオール法を用いた準安定遷移金属炭化物微粒子の合成および磁気特性(P183)

東北大学 蓬田綾香君 ,藤枝俊君,篠田弘造君,鈴木茂君

40. 高純度アルミニウム合金の再結晶温度へ及ぼす溶質原子,析出物の影響(P057)

大阪府立大学 和田光司君 ,トヨタ自動車 武島健太君,大阪府立大学 上杉徳照君,瀧川順庸君,東健司君

41. Mg/LPSO 二相合金双結晶におけるキンク変形挙動(P025)

熊本大学 渡辺大海君 ,山崎倫昭君,大阪大学 萩原幸司君,熊本大学 河村能人君

42. Effect of graded β phase stability on deformation behavior in a metastable β-Ti alloy(P028)

筑波大学,物質・材料研究機構 JI Xin君
物質・材料研究機構 江村聡君,GUTIERREZ URRUTIA Ivan 君,
筑波大学 古谷野有君,
物質・材料研究機構 土谷浩一君



~2015年3月18日(火)東京大学Iキャンパスにおいて、
下記の方々が受賞されました。おめでとうございます。~

第60回日本金属学会賞 贈呈式 (2015年3月18日)

豊田理化学研究所フェロー・名古屋大学名誉教授 森永正彦 君

 森永正彦君は、1978年ノースウェスタン大学大学院博士課程修了後、1979年豊橋技術科学大学に講師として奉職し、その後、助教授、教授を経て、1994年名古屋大学教授に就任した。2010年に退職後、岐阜工業高等専門学校客員教授、産学官連携総括コーディネーターを経て、2013年より(公財)豊田理化学研究所の常勤フェローとして研究に専従し、現在に至っている。この間、日本金属学会会長、DV-Xa研究協会会長、日本学術振興会「加工プロセスによる材料新機能発現第176委員会」委員長などを歴任し、材料工学の発展に貢献した。
 主な研究業績の第一は、それまでに積み重ねられてきた実用合金の経験的事実を鳥瞰しつつ、自ら行った膨大な理論計算の結果を整理し、広範な実用合金に適応できる合金設計理論を構築したことである(下記(1))。 第二は、物質の化学結合の特徴を構成原子の原子化エネルギーを用いて表現し、材料設計に適用したことである(下記(2))。 第三は、電子密度分布に関する物質共通のユニバーサルな関係を発見したことである(下記(3))。
(1) 合金設計理論は、実際の合金のクラスターモデルに対するDV-Xa分子軌道法を用いた正確な電子状態計算に基づくもので、計算から得られた軌道レベルと化学結合次数をパラメータとして用いる。合金設計に用いるパラメータが単一の元素に対するものでなく、電気陰性度やサイズ効果のみならず、周りの化学環境を正確に反映したパラメータになっていて、実際の合金に適用してみると驚くほどよく予測できる。例えば、遷移金属の三元合金に現れる種々の金属化合物相の析出領域を正確に予測できる。当初この理論はジェットエンジンやガスタービンのブレードに用いられる耐熱ニッケル基超合金の設計に適用された。この超合金は十数種もの合金元素を含むので、その組成を変化させ、物性を制御することは極めて難しい技術であるが、この理論は一番の課題であった超合金の有害脆化相出現の問題を解決した。これはNew PHACOMPと呼ばれ、世界に広まっている。
この理論のもう一つの特徴は、軌道レベルと結合次数の二つのパラメータを2 次元的に用いることによって、材料強度や熱安定性など多くの物性を予測できる点にある。このような特徴を利用して、ニッケル基単結晶超合金以外にも高クロムファライト系耐熱鋼、生体用チタン合金など実に様々な実用合金に適用し、その設計に有効であることを示した。ゴムメタルも上記の二つのパラメータがある値を示すときにのみ現れる。二つのパラメータを2次元的に用いる方法は、合金開発のためのロードマップの一つとして普及している。
(2) 物質の化学結合の特徴を構成原子の原子化エネルギーを用いて表現した。すなわち、エネルギー密度解析を用いて全エネルギーを物質中の構成原子に配分し、各構成原子がもつ原子化エネルギーを導出した。 このとき、従来の全エネルギー計算のみでは分からなかった「構成原子の顔」が見えるので材料設計に応用できる。これを水素貯蔵材料として注目されている金属系、無機錯体系、有機系(炭化水素)の水素化物に適用し、 多様な化学結合をもつこれら全ての水素化物の化学結合を、定量的に表現できる原子化エネルギー図を完成させた。化学結合に関する新しい知見も得られ、例えば炭化水素(CmHn)の凝集エネルギーは、その種類に関係なく組成m、nのみで表せることを見出した。さらに、マグネシウム水素化物の脱水素化反応(MgH2→Mg+H2)を促進させる効果がある金属酸化物の触媒活性を、酸化物イオンの原子化エネルギーを用いて定量的に評価した。
(3)長年の計算を基に電子密度分布に関する物質共通のユニバーサルな関係を発見した。最近接原子間の電子密度が最小値pminを取る位置をrmin(原子半径またはイオン半径)と定義し、log(pmin/Z3)と2(Z/n)rmin(ただし、Z:原子番号、n:主量子数)を両軸にとりプロットすると、気体・液体・固体を問わず、あらゆる物質が一つの単純な曲線上にのることを見出した。

第16回日本金属学会学術功労賞 受賞者(3名) (2015年3月18日)

名城大学理工学部 准教授 赤 堀 俊 和 君

熊本大学先進マグネシウム国際研究センターセンター長・教授 河 村 能 人 君

九州大学大学院総合理工学研究院 教授 中 島 英 治 君


第56回日本金属学会技術賞 受賞者(受賞者3名)(2015年3月18日)

[ホウ素中性子捕獲治療装置(BNCT)中性子発生源Li ターゲットの高性能化に関する研究開発]

日本原子力研究開発機構研究主幹 石 山 新太郎 君

 受賞者は、高温ガス炉や核融合炉等の次世代原子力エネルギーシステム研究において原子炉設計、要素機器、材料開発、動力変換機器開発等を進め研究炉、J-PARC(大強度陽子加速器施設)等の大型施設の建設・運用やITER計画のみならず先進癌治療研究等極めて広範囲な研究に携わってきたが、本技術賞では癌治療のためのホウ素中性子捕獲療法BNCT(=Boron Neutron Capture Therapy)実用機ターゲット部の高性能化開発を医療機器メーカーと共同で進め、2014年秋季における臨床実験に供するためのBNCT実用機の開発を果たしたことが評価された。具体的には、加速器と中性子発生部が直結しているBNCT装置内のLiターゲット中性子発生部の高出力化に対応した高温安定性を確保するため、In-situ超高真空蒸着/窒素イオン注入法によりLiターゲットを多層化することにより性能確保するとともに、その際の低温窒化合成のメカニズムの解明を行った。

[材料・表面・環境設計を先導する新しい物理解析技術の開発]

JFE スチール(株)スチール研究所部長 名 越 正 泰 君

 受賞者は、鉄鋼メーカーの研究者として、一貫して表面解析や放射光利用を中心とした物理解析技術の開発とその応用研究に従事した。極低加速走査電子顕微鏡(SEM)観察技術など新しい手法を開拓するとともに、高温超伝導材料、高機能鉄鋼材料、および環境物質などインパクトある分野にいち早く適用し、それらの設計と進歩を先導した。原子レベルの構造・結合状態の解明,機能・特性の発現メカニズム解明から、材料設計および商品開発につづく研究成果は、学術的にも工業的にも価値の高いものである。

[民生品・一般産業用新チタン合金群の整備および新チタン薄板製造プロセスの開発]

新日鐵住金(株)鉄鋼研究所部長 藤 井 秀 樹 君

 受賞者は、航空機用チタン合金で多用されるV、Moなどの希少金属を排し、Fe、Cu、O、Nなど安価汎用元素を合金元素として活用した高機能チタン合金を多数開発するとともに、これらの量産技術および利用加工技術を整備し、自動車部品やスポーツ用品などの民生品をはじめとした様々な一般産業用途に適用した。また矩形純チタンスラブを連続的に直接鋳造し、表面疵を発生させることなく熱延板コイル製品を製造する技術を開発する研究開発チームを統括し、チタン薄板製品製造プロセスの革新に貢献した。

第65回日本金属学会金属組織写真賞 受賞者(11名) (2015年3月18日)

最優秀賞 1件 (8名)
[第3部門]透過電子顕微鏡部門

[リチウムイオン電池正極材LixFePO4 の2 相分布解析]

東京大学大学院工学系研究科 中 村 明 穂 君
東京大学大学院工学系研究科 古 月 翔 君
東京大学大学院工学系研究科 主任研究員 西 村 真 一 君
東京大学大学院工学系研究科 助教 藤 平 哲 也 君
九州大学大学院工学系研究科 准教授 佐 藤 幸 生 君
東京大学大学院工学系研究科 准教授 柴 田 直 哉 君
東京大学大学院工学系研究科 教授 山 田 淳 夫 君
東京大学大学院工学系研究科 教授 幾 原 雄 一 君

優秀賞 1件(3名)
[第3部門]走査電子顕微鏡部門

[Al-Co-Ni 近似結晶の構造とCo, Ni 原子の規則配列]

日本電子(株)EM 事業ユニット 安 原 聡 君
東北大学金属材料研究所 准教授 湯 葢 邦 夫 君
東北大学名誉教授 平 賀 贒 二 君




第46回日本金属学会研究技術功労賞 受賞者(受賞者10名)(2015年3月18日)

九州工業大学工学部技術部技術専門職員 赤 島 俊 二 君

  受賞者は、九州工業大学に赴任後、工作室に所属し、金属材料のみならず非金属材料の加工までも手がけている。特に、極限環境下で使用する機械、例えば、人工衛星や水中ロボット、3リンクマニュピレータなどの製作において金属材料を駆使し、また金属のみならず複合材料などを提案してはじめてこれらの機械の完成を可能としている。九州工業大学工学部工作室は技術部へと改組が行われ、受賞者も技術部機械工作班に所属するようになり、材料の性質や適用範囲についてその重要性をますます認識し、材料加工・製作への実績に供してきた功績は多大なものである。

日鉄住金テクノロジー(株)富津事業所分析環境課 岩 舘 勝 美 君

  受賞者は、40年にわたり鉄鋼製造と研究開発に関わる業務に従事し、特に新日鐵住金(株)技術開発本部においてはTi添加極低炭素鋼や種々の鉄鋼材料の旧オーステナイト粒界などの組織観察のための研磨技能、組織現出手法の考案と改善を行い、鉄鋼材料開発に多大な貢献をした。さらに鉄鋼分野で培った技術と技能を非鉄金属、セラミックス等の各種新材料に応用するなど、当該分野の観察技術についての業績も顕著である。現在もその優れた技術・技能を広く伝承するため、職場を超えて後進の指導・育成に尽力している。

日鉄住金テクノロジー(株)名古屋事業所第一研究試験係 坂 本 幸 也 君

  受賞者は、入社以来約43年間、薄板を主とする鉄鋼材料の研究開発実験業務を担当し、新しい実験手法の確立や装置の開発・改良などを通じて、数々の高機能鋼板の開発を支援した。すなわち、連続焼鈍シミュレータの温度均一化および冷却能力向上、実験用熱間仕上げ圧延の自動化、ソルトバス防護型サンプル浸漬装置の開発など、様々な分野で創意工夫を重ね、実験技術の向上に寄与することで、高成形性鋼板などの開発に繋げた功績は顕著である。また、人材育成・技能伝承でも多大な貢献を果たした。

新日鐵住金(株)室蘭製鐵所製品技術部班長 佐 々 木 則 昭

  受賞者は、新しい製鋼プロセスや新商品開発を目的とした溶解実験、更に新しく開発した鋼材の材料評価試験などに携わり、室蘭製鐡所が特殊鋼棒線生産基地としての基盤を盤石にする時期に、研究開発実験の側面から大きく貢献した。例として、実験炉での低酸素鋼溶製技術を確立し、高清浄度軸受鋼の開発、試作評価に貢献した。また、後進指導育成において、「試験装置の精度確保と管理、試験材の正確な管理、正確で迅速な試験データの提供」を指導方針とし、研究開発部隊の技術力の維持・向上を推進している。

名古屋大学全学技術センター技術専門職員 佐 々 木 康 俊 君

  受賞者は、技術職員として37年の長きにわたり実験・分析装置の維持・管理を通して金属材料の研究遂行に貢献するとともに、若手技術職員への指導にも携わってきた。その間特に、測定結果を効率よく得るための装置の自動化、走査電子顕微鏡内での高温変形とその場観察を行うための装置整備、X線回折装置およびクリープ試験装置におけるデータ取得の効率化を行った。さらに、金属試料の作製から種々の特性測定まで一貫した研究環境の整備を進め、学生の指導にも多大な貢献をしてきており、その功績は顕著である。

信州大学工学部技術部技術専門職員 野 村 栄 治 君

  受賞者は、機械系専門の技術職員として、学科の研究室の実験研究に携わり、材料の選定・発注及び加工を行い実験装置製作や実験データ解析に従事し、また、機械加工実習や機械設計製図の授業においても学生の指導・サポートを行い、奉職して以来34年間、技術向上を怠ることなく、教員の研究遂行と多くの学生の理解向上に貢献してきた。さらに、若手の技術職員を指導し、機械に関する優秀な後進の育成にも大きく貢献している。

JFE スチール(株)スチール研究所研究企画部主任部員 林 功 君

  受賞者は、昭和50年に川崎製鉄(株)(現JFE スチール(株))に入社以来、厚鋼板、条鋼など幅広い分野の分析・実験業務に従事し、研究・商品開発に大きく貢献した。特筆すべきは、高温高圧水素処理設備において初期導入段階から関わり、その実験手法を確立するとともに長年にわたって安全操業を達成しつつ、鋼材の水素感受性の解明に貴重なデータを提供した。また、ミクロ組織制御の根幹をなすラボ熱間圧延実験手法の確立や金属組織観察のための新しい腐食液の開発など数多くの成果を創出し、その功績は顕著である。

新日鐵住金(株)技術開発本部尼崎研究試験室係長 藤 井 薫 君

  受賞者は、入社以来40年間にわたり、自動車用薄鋼板を主体とした鉄鋼製品に関する研究・開発試験業務に従事してきた。その間、焼付硬化性鋼板をはじめとする新製品の開発のみならず、高速引張試験法などの性能評価技術の確立にも大きく貢献した。その過程で研究試験全般の高度化や効率化に積極的に取り組み、数々の独創的かつ先駆的な試験設備を立ち上げ、現在の薄鋼板の研究試験体制の基盤を築いた。さらに、技能伝承へも真摯に取り組み、次世代を担う人材育成に大きく貢献している。

大阪大学大学院工学研究科技術専門員 藤 谷 渉 君

 受賞者は、任官以来39年間にわたり金属組織制御技術の研究開発ならびに教育支援を行ってきた。その技術支援は生体材料の開発にもいかされ、新規骨質評価法の開発に学生や教員とともに取り組み、日本金属学会において過去2回の優秀ポスター賞を受賞している。技術支援のみならず研究活動支援にも深く関わり、特に下顎骨の骨質評価や骨系細胞の可視化3D構造の解析など学術論文発表にも貢献している。技術部では副工学技術長として管理運営、安全教育さらには後進の指導にも取り組んでいる。

東北大学多元物質科学研究所技術専門職員 嶺 岸 宏 治 君

  受賞者は、技術職員として奉職以来40年間、新規計測法や新しい素材創製のための研究・開発に対する技術支援を行ってきた。これまでに試作・開発に携わった装置は、赤外分光用分子線装置、光電子制御プラズマ薄膜成長装置、STM用大型希釈冷凍機、角度分解型電子エネルギー損失分光装置など、大型装置から微細装置まで多岐に亘る。様々な技術的困難を克服するに当たっては研究内容を理解し、最善の試作・開発を心がけてきた。これらの取り組み姿勢は若い職員にも受け継がれている。



第73回日本金属学会功績賞 受賞者(受賞者8名)(2015年3月18日)

[物性部門] 東京理科大学基礎工学部准教授 田 村 隆 治 君

  受賞者は、主に、準結晶合金と正20面体クラスター合金に関する研究に従事し、準結晶の電子状態や表面状態に関する先駆的な研究を行うとともに、正20面体クラスター内の4面体の配向規則化に由来する新しい無拡散型規則不規則相転移を発見し、その機構を解明した。さらに、正20面体スピンクラスター合金において初めて磁気秩序(反強磁性)を発見し、加えて、強磁性・傾角強磁性・リエントラントスピングラスなどの多様な磁気秩序をも見出すなど、準結晶関連物質が秘める新現象の解明に多大な貢献をなしてきた。

[組織部門] 東京大学大学院工学系研究科准教授 柴 田 直 哉 君

 受賞者は、走査型透過電子顕微鏡法(STEM)を用いた材料界面の原子・電子構造解析に従事しており、最近ではSTEMの新たな可能性を拓くことを目指した多分割型検出器の開発にも挑戦してきた。具体的な研究成果としては、①材料界面のドーパント原子直接観察と機能発現メカニズムの解明、②STEM による軽元素原子カラム直接観察法の開発、③STEM による原子レベルの電場観察の実現、等が挙げられる。これら一連の研究成果は、当該分野を世界的に先導する革新的研究であり、国内外で高く評価されている。

[組織部門] 横浜国立大学大学院工学研究院教授 廣 澤 渉 一 君

 受賞者は、アルミニウム合金を対象として、高性能・高機能構造部材を開発するための『微視的組織制御・解析』、『材料特性評価』ならびに『計算材料学による合金設計』に従事してきた。主な功績としては、①超微細粒強化と時効析出強化を並立させる3つの方策の提案、②3次元アトムプローブによるナノ析出組織の解明、③原子間、原子-空孔間相互作用に基づく有用マイクロアロイング元素の選定と熱処理条件の最適化、などが挙げられ、これらの一連の成果は、次世代軽量構造用材料を開発するための有益な指針を与えている。

[力学特性部門] 京都大学大学院工学研究科准教授 岸 田 恭 輔 君

 受賞者は、金属間化合物材料の格子欠陥と力学特性に関する研究に従事してきた。特に、層状組織を有するTiAl基合金の変形機構、Ni3Al基合金単結晶の冷間圧延、複雑構造を有する各種金属間化合物材料の変形機構等に関する研究において、透過電子顕微鏡法を中心としたナノスケール・キャラクタリゼーション技術を駆使して、数々の優れた成果を挙げている。近年は超高温用金属間化合物基複相材料の開発やマイクロピラー試験法による結晶性材料の力学特性に関する基礎研究にも取り組んでいる。

[材料化学部門] 物質・材料研究機構MANA 研究者 川 喜 多 仁 君

 受賞者は、電気化学に基づく材料の特性向上や新規材料の作製に従事してきた。主な功績としては、①溶射による金属被覆の腐食挙動の解明と新規被覆手法の開発による防食性能の向上、②酸化物半導体上での光電気化学作用により形成する導電性ポリマーの成長挙動と電子構造の解明、③光化学を用いた導電性ポリマーと金属からなる高導電性材料の創製と微細配線の高速形成、プラスチックとの高密着性の発現が挙げられる。これらの成果は従来技術と比較して優位性や有用性の点で、高い評価を受けている。

[材料プロセシング部門] 東北大学大学院工学研究科准教授 佐 藤 裕 君

 受賞者は、各種金属材料の摩擦攪拌接合(FSW)に関する材料組織学的研究にいち早く取り組み、接合中の材料流動や初期酸化皮膜の挙動などを含む接合メカニズムならびに諸特性を大きく支配するミクロ組織形成機構に関する先駆的な成果を数多く報告してきた。いずれもFSWの材料組織学的解明に寄与するものであり、接合法の学術的進展、接合部の高性能化や信頼性向上に大きく貢献している。最近では、金属基耐熱合金を用いた鉄鋼・チタン合金用FSWツールの開発にも取り組んでいる。

[工業材料部門] 九州大学大学院工学研究院准教授 土 山 聡 宏 君

 受賞者は、20年余りにわたり鉄鋼材料の組織および機械的性質の研究に従事し、とくに合金鋼の分野において、優れた特性を有する様々な新材料の開発、また材料科学現象の解明に尽力した。例えば、生体に優しく強度特性に優れたNiフリーオーステナイト系ステンレス鋼や、水素環境下での使用を想定した加工誘起マルテンサイトの分布を制御した耐水素脆化性鋼に関しては、窒素を活用した独自の合金設計、組織制御指針を提案し、工業的なプロセスの観点からも、産業界と連携して顕著な功績を残した。

[工業材料部門]新日鉄住金マテリアルズ(株)技術総括部部長 田 中 將 元 君

  受賞者は、耐落下衝撃特性に優れた低Ag系微量Ni添加鉛フリーはんだボールLF35を開発した。高機能携帯電話やモバイルデジタル機器等における電子デバイスでは、はんだボール接続のBGAやCSPパッケージが使用されている。当該はんだボール接続では、従来の標準はんだ組成である3.0Ag系や4.0Ag系等では、耐落下衝撃特性が低く信頼性に課題があった。従来はんだ組成より倍以上耐落下特性に優れた鉛フリーはんだボールを開発に取り組み、LF35はんだボール製品並びにマイクロボール製造プロセス開発に成功した。同LF35はんだボールはモバイル機器におけるはんだボールとしてデファクト化され、広く世界中で使用されている。



第54回日本金属学会谷川・ハリス賞 受賞(受賞者4名)(2015年3月18日)

[高温セラミック材料の粒界原子構造と特性]

東京大学大学院工学系研究科教授 幾 原 雄 一 君

  受賞者は、最先端(走査)透過電子顕微鏡法を駆使して、高温セラミック材料の粒界および転位の原子・電子構造を明らかにするとともに、粒界・転位の構造を制御した新しい構造材料の設計を行った。本研究により、これまで不明であった高温セラミック材料の特性が原子・電子レベルで解明され、これに基づく新たな材料設計指針を提唱している。さらに、これより得られた知見を基に、種々の構造・機能材料における粒界・転位と材料物性との相関性を定量的に明らかにしつつ、粒界・転位工学の体系化を進めている。

[原子力用耐熱鋼の開発と照射影響評価に関する研究]

京都大学エネルギー理工学研究所教授・副所長 木 村 晃 彦 君

 受賞者は、原子力用耐熱鋼の開発や照射影響に関する基礎・応用研究をマルチスケール評価の視点から実施し、優れた業績をあげている。Al添加型フェライト系ODS 鋼の開発では、高温強度特性の飛躍的な向上を実現させ、ナノ酸化物粒子や微細結晶粒などによる高性能化の機構を明らかにした。ODS鋼の耐照射性発現機構を提案するなど、原子力用耐熱鋼の照射下挙動に関する多くの基礎的知見を見出している。これらの業績は国際的にも広く認知され、当該分野における耐熱鋼開発研究の先駆的役割を果たしている。

[異種材料接合から展開した固体融合研究および励起反応場でのナノ構造創成]

東北大学多元物質科学研究所教授 田 中 俊 一 郎 君

 受賞者は、異種材料特に金属・セラミックスの高強度・高信頼性接合技術開発に取組み「田中固体融合プロジェクト」では界面原子反応を直視して接合素過程を解明し、接合界面局所の残留応力分布実測値と機械的・電子的特性を相関付けた。準安定酸化物への集束電子線照射では、常温付近で金属ナノ粒子生成とその回転・融合・埋込などの操作を可能にした。更にはkeV級Arイオン照射が金属ナノ・マイクロ構造体を堆積成長させ特異光学機能を発現することも示し、「励起反応場」という新規概念を提唱するなど卓越した研究業績を上げた。

[金属の相変態/析出/再結晶による組織形成と結晶学に関する研究]

東北大学金属材料研究所教授 古 原 忠 君

 受賞者は、金属の相変態、析出、再結晶における微細組織形成の基礎的解明と熱処理による高強度化原理の確立に関する研究を一貫して行ってきた。特に、相変態・析出における界面現象、不均一核生成の結晶学に基づく組織微細化、変形/回復/再結晶を利用した高強度-高延性化および超塑性特性の向上、ナノ粒子分散制御による鉄鋼のバルクおよび表面の高強度化など、幅広い領域に於いて顕著な業績を上げ、分野の発展に貢献した。



第21回日本金属学会増本量賞 受賞者(2名)(2015年3月18日)

[永久磁石材料の高性能化・高機能化に関する研究]

東北大学大学院工学研究科教授 杉 本 諭 君

 受賞者は、これまでに未分離混合希土類-Fe-B系磁石の開発、磁界中2段時効処理と再結晶集合組織によるFe-Cr-Co系磁石の高性能化、HDDR現象による高性能希土類-Fe系磁石粉末の作製などを行ってきた。最近ではNd-Fe-B系磁石の省Dy技術の開発や新規磁石材料探索にも従事している。一方でフェライト磁石、希土類鉄系化合物を用いて新しいGHz帯域電磁波吸収体も開発している。これらの永久磁石の高性能化に関する業績は、学術・産業界の進展に大きく貢献している。

[高性能非平衡相軟磁性合金の創製とその実用化に関する研究]

東北大学金属材料研究所新素材共同研究開発センター教授 牧 野 彰 宏 君

 受賞者は、企業の研究部門及び大学に在籍した約35年間、一貫して高い磁束密度と優れた軟磁気特性の両立という軟磁性材料開発における根源的な課題に挑戦し続け、種々の新軟磁性材料の発見、発明を達成し貴重な研究業績を挙げた。磁気ヘッド用Co基アモルファス合金および高い磁束密度と高いアモルファス形成能を兼備したFe-半金属バルクアモルファス合金、並びに高い磁束密度と優れた軟磁気特性を兼備したナノ結晶FeMB(B=遷移金属)およびFe-半金属-Cu(NANOMET®)などの新材料の開発及び実用化、工業化を推進し、軟磁性材料分野の学理および技術の進歩発展に大きく貢献した。



第22回日本金属学会若手講演論文賞 受賞者(受賞者3名)(2015年3月18日)

[Mn-Bi-Sb 3 元系状態図の熱力学的解析](日本金属学会誌78巻9号)

日産自動車(株) ○上 満 愛 美 君
東北大学多元物質科学研究所 榎 木 勝 徳 君
九州工業大学大学院生命体工学研究科 飯 久 保 智 君
東北大学多元物質科学研究所教授 大 谷 博 司 君

[種々のマグネシウム合金におけるAEによるき裂進展検出と破壊じん性評価](日本金属学会誌78巻10号)

東京大学大学院工学系研究科 ○武 藤 有 輝 君
東京大学大学院工学系研究科 松 元 光 輔 君
東京大学大学院工学系研究科 白 岩 隆 行 君
東京大学大学院工学系研究科教授 榎 学 君

[1173 K におけるNa2O-B2O3 系溶融塩のFe2O3 , Cr2O3 溶解度測定] (日本金属学会誌78巻10号)

新日鐵住金(株)技術開発本部先端技術研究所 ○土 岐 隆 太 郎 君
新日鐵住金(株)技術開発本部先端技術研究所主幹研究員 土 井 教 史 君
日鉄住金テクノロジー(株)尼崎事業所参与 大 塚 伸 夫 君




第2回 日本金属学会特別功労賞 受賞者(受賞者1名)(2015年3 月18日)

日本金属学会事務局長 梶 原 義 雅 君




日本金属学会名誉員 推戴者(受賞者2名)(2015年3 月19日)

インターメタリックス(株) 最高技術顧問 佐 川 眞 人 君

Emeritus Professor,Research Centre Juä lich/RWTH Aachen University KnutWolf URBAN 君




第24回 優秀ポスター賞受賞者20名 (2015年3 月18日発表) (五十音順)

フェーズフィールド法による立方晶-方晶変態における単一バリアント化要件の探索

九州大学 赤嶺大志君,Sahar FARJAMI君,坂口英継君,西田稔君

巨大ひずみ加工した金属ガラスの小角散乱を用いた不均一構造解析

豊橋技術科学大学 足立 望君,戸高義一君

北海道大学 大沼正人君, 京都大学 大場洋次郎君,Paul Scherrer Institut Joachim Kohlbrecher君

豊橋技術科学大学 川西良典君,山本康次郎君,梅本 実君

東北大学 横山嘉彦君

第四元素添加によるNbSi2/MoSi2 複相シリサイドの高温クリープ挙動変化

大阪大学 荒木晴香君,池西貴昭君,萩原幸司君,中野貴由君

異なるMgO バッファー層上に作製したFePt 薄膜の構造と磁気特性

東北学院大学 岩間弘樹君,伊東 優君,土井正晶 君,嶋 敏之君

第2 世代Ni 基単結晶超合金PWA1484の高温特性への硫黄の影響とCaO ルツボ脱硫による特性回復

早稲田大学 宇多田悟志君,物質・材料 大澤真人,横川忠晴 君, 早稲田大学 城 裕一朗君, 物質・材料研究機構 小林敏治君,川岸京子君,早稲田大学 鈴木進補君,物質・材料研究機構 原田広史君

Nano-plastic deformation on Ti-39 at.%Al single crystals for manipulating the precipitation of g lamellae

東北大学 魏 代修君,小泉雄一郎君,千葉晶彦君,山形大学 西山宏昭君,東京農工大学 山中晃徳君,東京工業大学 吉野雅彦君

Pd-Co 被覆Cu 粉末を用いた磁気応答型水素ガスセンサの特性評価

富山大学 金 麗君,西村克彦君,赤丸悟士君,原正憲君,阿部孝之君,松山政夫君

Li 電析における金属霧の発生および抑制条件の研究

関西大学 小磯尚大君,秦 俊貴君,森重大樹君,竹中俊英君

TiNi の自己調整組織におけるKinematicCompatibility の格子定数依存性

東京工業大学 齋藤圭介君,加藤潤一君,田原正樹君,細田秀樹君,稲邑朋也君

高強度第1 世代Ni 基単結晶超合金TMS-1700の耐酸化性に及ぼす硫黄の影響

早稲田大学 城 裕一朗君,物質・材料研究機構 大澤真人君,小林敏治君,横川忠晴君,川岸京子君,早稲田大学 宇多田悟志君,鈴木進補君,物質・材料研究機構 原田広史君

Mg-Y 希薄合金のエリクセン試験による組織変化観察

東北大学 鈴木 哲君,安藤大輔君,小川由希子君,物質・材料研究機構 染川英俊君,東北大学 須藤祐司君,小池淳一君

Di を用いたNd-Fe-B 系HDDR 磁石粉末の磁気特性と微細組織

九州大学 滝沢里奈君,板倉賢君,西田稔君,戸田工業 片山信宏君,森本耕一郎君

調和組織の変形初期における転位密度と加工硬化の結晶塑性解析

旭川工業高等専門学校 田丸直也君,河野義樹君,北見工業大学 大橋鉄也君

Goss 方位を有するTi-Mo-Al-Zr 合金におけるヤング率の圧延面内異方性

東京工業大学 成田大樹君,田原正樹君,稲邑朋也君,細田秀樹君,筑波大学 宮崎修一君

PLD 法で作製したNd-Fe-B 系ナノコンポジット厚膜磁石の微細構造観察

九州大学 福田淳也君,板倉賢君,西田稔君,長崎大学 中野正基君,福永博俊君

Al2O3 の炭素熱還元法における反応温度及び反応時間の影響

東北大学 藤原圭吾君,大塚 誠君,福山博之君

高圧スライド加工(HPS)で結晶粒超微細化したAA2024合金の高強度化と超塑性

九州大学 増田高大君,藤光利茂君,瀧沢陽一君,堀田善治君

ベーキングおよび水素化による水素透過バナジウム膜の表面酸化被膜の構造変化

鈴鹿工業高等専門学校 松下和樹君,南部智憲君

Mg-Zn-Y 系18R-LPSO 単相単結晶における曲げ変形とキンク帯形成

熊本大学 松本 翼君,山崎倫昭君,大阪大学 萩原幸司君,熊本大学 河村能人君

傾角鋳造法によって作製したMosibtic合金高温強度に及ぼすミクロ組織の影響

東北大学 山本詩歩君,吉見享祐君,金 正旭君

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