イベントのご案内
先端材料における拡散-基礎と応用
[協賛予定] |
エレクトロニクス実装学会 粉体粉末冶金協会 腐食防食協会 次世代金属・複合材料研究開発協会 軽金属学会 金属系材 料研究開発センター 高温学会 日本物理学会 日本セラミックス協会 日本鋳造工学会 日本電子材料技術協会 日本複合材料学会 日本ガスタービン学会 日本電子顕微鏡学会 日本原子力学会 日本表面科学会 日本化学会 日本結晶成長学会 日本応用磁気学会 日本塑性加工学会 日本鉄鋼協会 日本チタン協会 日本材料学会 日本材料科学会 応用物理学会 資源・素材学会 溶接学会 |
核生成、結晶成長、再結晶、焼結、時効析出、相変態、高温変形、薄膜反応、半導体ドーピングなどの材料科学や工学のさまざまな過程は、材料中の拡散現象により支配されている。従って、材料の物性の解明、材料の製造、使用において拡散に関する基礎知識は欠くことのできないものである。特に、先端材料の開発、材質機能の改善、高品質化などの材料技術の第一線では、原子拡散に関する正確な理解と適切な応用が必要とされている。
このセミナーはこのような背景から企画したもので、金属、半導体、酸化物、金属間化合物、ナノ結晶、薄膜などの各種材料における多様な拡散現象の入門的解説、ナノスケールの原子の動きとマクロな物質移動の関連、実験方法と解析方法、エレクトロニクス関連薄膜,鉄鋼材料における諸問題などを基礎から応用まで系統的に解説することを目的としている。また、最近構築された拡散データベースの利用法も解説する。
日 程 | 2002年6月6日(木)、7日(金) |
場 所 | 専売ビル 8階ホール ( 東京都港区芝5-26-30 TEL 03-3798-4186:ホール直通) |
募集定員 100名
受 講 料(テキスト代含む・税込)
会 員 | 非 会 員 | 学 生 | |
2日受講 | 33,000円 | 66,000円 | 5,000円 |
いずれか1日の受講 | 25,000円 | 50,000円 |
申込要領 | 受講ご希望の方は、E-mailでstevent@jim.or.jp宛お申し込み下さい。申込項目は以下のとおりです。 (1) 送信subjectに「拡散セミナー受講申込」と記入、(2) 氏名・年齢、(3) 会員・非会員・学生の区別(本会会員は会員番号も)、(4) 勤務先・所属、(5) 通信先住所(テキスト等送付先と電話番号)。 申込者には申込受理確認のE-mailを返信いたします。 |
テキストの送付 | 5月24日(金)発行の予定です。この日までに申し込まれた方には出来次第参加証等関係資料とともにお送りいたします。 |
受講料払込方法 | テキスト送付の折に振替用紙を同封いたしますので、その後にお払込み下さい。 |
問合先 | 〒980-0845 仙台市青葉区荒巻字青葉 日本金属学会 TEL 022-223-3685 |
第1日(6月6日) | |
9:30~ 9:35 | 開会の挨拶 |
企画世話人 中 嶋 英 雄 | |
9:35~11:10 | 拡 散 入 門 |
大阪大学産業科学研究所教授 中 嶋 英 雄 | |
11:10~12:15 | ナノ結晶材料における拡散 |
筑波大学物質工学系講師 谷 本 久 典 | |
-昼 食- | |
13:30~14:35 | 合金中の相互拡散と反応拡散 |
大阪大学大学院工学研究科教授 南 埜 宜 俊 | |
14:35~15:40 | 鉄鋼プロセスにおける拡散律速過程の解析 |
新日本製鐵株式会社技術開発本部フェロー製鋼研究部部長 松 宮 徹 | |
-休 憩- | |
15:55~17:00 | 半導体における拡散 |
NTT物性基礎科学研究所主任研究員 植 松 真 司 | |
17:00~17:20 | 総合質疑応答 |
第2日(6月7日) | |
9:00~10:05 | 金属合金中の水素の拡散 |
東北大学大学院工学研究科教授 飯 島 嘉 明 | |
10:05~11:10 | 金属間化合物における拡散 |
京都大学大学院工学研究科助教授 沼 倉 宏 | |
-休 憩- | |
11:15~12:20 | 金属酸化物における拡散 |
東京工業大学大学院理工学研究科教授 丸 山 俊 夫 | |
-昼 食- | |
13:30~14:35 | LSIにおけるエレクトロマイグレーション |
元NECシリコンシステム研究所主任研究員 岡 林 秀 和 | |
-休 憩- | |
14:50~15:55 | 拡散データベース利用法 |
株式会社日鉄技術情報センター特別研究員 松 尾 宗 次 | |
15:55~16:30 | 総合質疑応答 |
16:30 | 閉会の辞 |
企画世話人 南 埜 宜 俊 |
拡 散 入 門 (中嶋英雄)
拡散現象の基本的な法則であるFickの第1、2法則、拡散方程式の解法、拡散係数の物理的な意味、拡散係数の導出法と温度依存性、拡散機構(空孔機構、格子間機構)、相関効果などの基本的概念や基礎的事項を解説する。
ナノ結晶材料における拡散 (谷本久典)
平均結晶粒径数10nm以下の超微細多結晶材料(ナノ結晶材料)では、粒界層の体積割合が数%以上に増大するだけでなく、その構造・状態が通常の多結晶材料とは異なるために特異な物性を発現するとの指摘がある。ナノ結晶材料における拡散係数の測定結果を紹介すると共に、その粒界状態について解説する。
合金中の相互拡散と反応拡散 (南埜宜俊)
工業用材料のほとんどが2成分以上を含む多元系合金である。この多元系合金中で生じる拡散に関して、純金属、2元合金、3元合金等と順を追って、単相合金内の相互拡散、そして異種金属または異種合金間での反応により相境界や中間相を生じる反応拡散を中心に、理論、実験方法、解析方法、事例を含めて基礎から応用まで紹介する。
半導体における拡散 (植松真司)
現在最も広く用いられている半導体であるシリコン中における点欠陥、不純物(ドーパント)の拡散について紹介する。講義においては、シリコンにおける重要な点欠陥である格子間シリコン原子と空孔について述べ、その振舞いが不純物拡散をどのように支配しているかについて解説する。
金属合金中の水素の拡散 (飯島嘉明)
金属合金中の水素の拡散には多くの点から関心が高い。鉄鋼の水素脆性や遅れ破壊との関連。原子炉材料の水素の拡散・透過。水素吸蔵合金の水素の吸・放出。これらの材料上の問題とともに、セミナーでは、水素の拡散に特有な基礎的問題も取りあげる。
金属間化合物における拡散 (沼倉 宏)
金属間化合物は近年いろいろな方面で実用材料として期待されており、 点欠陥と拡散の研究も進展しつつある。本講ではまず種々の金属間化合物における原子拡散のデータを概観してその特徴を把握し、次に規則格子構造をとる合金・化合物における拡散機構の理解の現状を述べる。
金属酸化物における拡散 (丸山俊夫)
金属酸化物は主にイオン結合からなっており、金属イオンおよび酸化物イオンの副格子における格子欠陥(空孔や格子間イオン)が拡散挙動や電気的性質を支配する。格子欠陥濃度は構成成分の化学ポテンシャルと不純物に依存する。講義では2元系(例:MO)および3元系(例:ABO3)酸化物の格子欠陥の熱力学と拡散の関係について解説する。
LSI配線におけるエレクトロマイグレーション (岡林秀和)
LSI配線におけるエレクトロマイグレーションの基礎を述べる。主な内容は、エレクトロマイグレーションの基本パラメータ(イオンに作用する力と実効電荷数、原子流束とドリフト速度)、ボイド発生までの潜伏時間と不純物や応力の影響、配線薄膜組織の信頼性への影響である。