日本金属学会

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循環型社会における環境・リサイクル技術

[協賛予定] エネルギー・資源学会 エレクトロニクス実装学会
粉体粉末冶金協会 腐食防食協会 廃棄物学会
次世代金属・複合材料研究開発協会 軽金属学会
金属系材料研究開発センター 高温学会 強化プラスチック協会
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日本電子材料技術協会 日本複合材料学会 日本ガスタービン学会
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資源・素材学会 新金属協会 ステンレス協会 溶接学会


20世紀は科学技術の時代であったのに対し、21世紀は環境の時代に変貌しようとしている。使用済み物質のリサイクルをしながら地球資源の使用量を削減し、環境に負荷をかけない持続可能な社会、“循環型社会”に変革していくことが望まれている。リサイクル問題は社会的関心も高く、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法など、法整備も着々と整いつつある。このような状況の中で、金属素材産業や商品製造業では、この循環型社会で発展していくために、資源、エネルギー、環境問題等に対処する様々な取り組みを行っている。

本セミナーでは、現在の環境・リサイクル技術がどこまで進んでいるのか、そして社会システムとしてはどのような姿が描かれているのか、工学としてはどうなのか、等について紹介していただき、相互の理解と問題点の把握、そして今後の方向性を探っていく。 (企画世話人 NKK 鈴木幹雄  東北大 長坂徹也)

開催日時 2002年12月2日(月) 9:10~17:35
開催場所 日本私立学校振興・共済事業団5階講堂(千代田区富士見1-10-12 TEL 03-3230-1326)
募集定員 100名

受講料 (テキスト代含む・税込)
会 員25,000円 非会員50,000 円 学 生5,000円
(本会維持員会社社員、協賛学協会会員は会員扱い。学生は会員、非会員の区別なし)
申込要領 受講ご希望の方は、E-mailでapply@jim.or.jp宛お申し込み下さい。申込項目は以下のとおりです。
(1)送信subjectに「環境セミナー受講申込」と記入、(2)氏名・年齢、(3)会員・非会員・学生の区別(本会会員は会員番号も)(4)勤務先・所属、(5)通信先住所(テキスト等送付先と電話番号)。
申込者には申込受理確認のE-mailを返信いたします。
テキストの送付 11月20日(金)発行の予定です。この日までに申し込まれた方には出来次第参加証等関係資料とともにお送りいたします。
受講料払込方法 テキスト送付の折に振替用紙を同封いたしますので、その後にお払込み下さい。

問合先 〒980-0845仙台市青葉区荒巻字青葉 日本金属学会 TEL 022-223-3685

9:10~ 9:15  開会の挨拶
企画世話人
9:15~10:15  循環型社会とリース型ビジネスモデルの導入効果
東京大学大学院工学系研究科教授 足 立 芳 寛
10:15~11:15 自動車産業における環境・リサイクル技術―日産自動車におけるリサイクルの取り組み
日産自動車株式会社リサイクル推進室長 東 畑   透
11:15~12:15 家電産業における環境・リサイクル技術
三菱電機株式会社渉外部技術担当部長 上 野   潔
―昼 食―
13:15~14:15 鉄鋼産業における環境・リサイクル技術(1) : 銑鋼一貫製鉄所の場合
NKK総合材料技術研究所製銑研究部長  有 山 達 郎
14:15~15:15 鉄鋼産業における環境・リサイクル技術(2) : 電気炉の場合
      愛知製鋼株式会社技術本部参与・エコロジ‐事業部長 笹 本 博 彦
―休 憩―
15:15~16:15 非鉄金属製錬産業における環境・リサイクル技術
同和鉱業株式会社コーポレットスタッフ取締役 前 田 吉 彦
16:30~17:30 金属リサイクルの高温物理化学
東北大学大学院工学研究科教授 日 野 光 兀
17:30~17:35 閉会の挨拶
企画世話人

(各講義には10分間の質疑応答を含む/講義要旨下記)



[講 義 要 旨]

循環型社会とリース型ビジネスモデルの導入効果 (足立芳寛)

循環型社会への転換は21世紀の人類共通の課題であるが、特に先進国としての我が国はこのための貢献が強く求められている。このための環境貢献技術の開発はもとより、リサイクル、リユース、リデュースの3Rをより効率的に且つ経済合理性をもって推進するシステムを提唱し、導入していく必要がある。我々の生活システムを”所有”から”利用”に転換することが”経済合理的”であり3Rの推進に役立つ”環境合理的”なものであるシステムについて検証する。ここでは、金属材料の主な需要分野である家電製品を例に、大量生産、大量販売での自己所有を機能の提供に限定した”リース型モデル”に転換した際の”環境負荷低減効果”の貢献度について計算事例を紹介し新たな社会システムと循環型社会について解説する。

自動車産業における環境・リサイクル技術-日産自動車におけるリサイクルの取り組み (東畑 透)

使用済み自動車のリサイクルの実情を説明したのち、日産自動車における循環型社会の実現に向けた(1)新車開発段階における3R(Reduce、Reuse、Recycle)を推進する設計の取り組みと、(2)廃車処理段階におけるリサイクルの技術開発の取り組みについて金属材料の活用も含めて紹介する。

家電産業における環境・リサイクル技術(上野 潔)

特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)と資源有効利用促進法(3R法)が施行されてから1年以上を経過した。家電産業が環境とリサイクルに取り組んできた経緯と実績を紹介し、今後の循環型経済社会への課題と展望を述べる。

鉄鋼産業における環境・リサイクル技術(1):銑鋼一貫製鉄所の場合 (有山達郎)

製鉄所は高炉など高温プロセスを有し、また優れた環境対策設備などを完備しているなどの点から循環型社会構築に貢献できるポテンシャルを有する。実際に都市型製鉄所においては周囲との連携を図り、リサイクルビジネスを開始し、新たな鉄鋼業の展望を開きつつある。本講義では循環型社会にける鉄鋼業の役割と今後の可能性ついて述べる。

鉄鋼産業における環境・リサイクル技術(2):電気炉の場合(笹本 博彦)

電気炉による鉄鋼生産プロセスにおいて、多くの副次生成物(スラグ、ダスト、汚泥等)が発生し、その中で埋立に回っているものもある。本講では特に電気炉集塵ダストに焦点をあてて、その発生と性質について、その処理の現状と課題、さらに最近の先進的な取組み例について述べる。特にNEDOからJRCMが受託して1998年度から2002年度までの期間で取組んでいる電気炉ダスト発生ゼロのプロセス開発について、その成果について言及する。

非鉄金属製錬産業における環境・リサイクル技術 (前田吉彦)

国内の非鉄金属鉱山製錬産業は、永年公害問題を克服しつつ事業継続をしてきた。この結果得られた技術は、現在産業廃棄物の処理あるいは汚染土壌の浄化等環境事業に応用されている。一方、典型的なリサイクル金属として銅や貴金属、有害性が指摘されている鉛等重金属のリサイクル実例も紹介したい。

金属リサイクルの高温物理化学 (日野光兀)

本講義では、高温冶金技術を適用して金属をリサイクルしている産業分野において、その基本となる物理化学の知識をどのように利用すべきか、またそれを利用することによって、どのような技術的な問題が解決できるのかを、例を示しながら解説する。

具体的には、金属スクラップの回収、都市ごみ処理、空気中に排出された炭酸ガス固定化への鉄鋼スラグの利用などを取り上げてみたい。

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