日本金属学会

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環境/エネルギー関連機器用高温耐食材料の保護皮膜の生成と破壊
-高温腐食メカニズムの解明と寿命予測技術はどこまで進歩したのか-

[協賛予定] 粉体粉末冶金協会 腐食防食協会 廃棄物学会 表面技術会
化学工学会 高温学会 高温学会 日本セラミックス協会
日本エネルギー学会 日本複合材料学会 日本表面科学会
日本学術振興会耐熱金属材料第123委員会 日本ガスタービン学会
日本機械学会 日本熱処理技術協会 日本鉄鋼協会 日本溶接協会
日本溶射協会 日本溶射工業会 日本材料学会 資源・素材学会
ターボ機械協会 溶接学会 日本高圧力技術協会 火力原子力発電技術協会
耐火物技術協会

[主  催] 第2分科、第1分科、第5分科共催
 高効率発電プラント、廃棄物リサイクルプラントなど環境/エネルギー/輸送に関連する機器では省エネルギー、環境保全はもとより資源循環型社会へ向けて材料の耐久性向上、リサイクル、LCC低減などの社会的要請が強まっている。実装置における高性能耐食耐熱材料の性能を充分に引き出し、また、合理的な材料設計を行うためには腐食メカニズムに関する知見が不可欠である。また、迅速、高精度な耐久寿命予測手法を適用し、複雑、多様な使用環境に適合した最適材料の選定が必要となる。
 本セミナーでは先端の材料研究者、若手研究者を対象に当該分野における高温腐食メカニズムと寿命予測手法を基礎理論と応用および実装置における損傷要因解析と新材料の適用の側面から説明、議論を行い、増々高性能化が要求される高温耐食材料およびコーティング開発と長寿命化に役立てることを目的とする。

企画世話人 三菱重工 川原雄三、北大 成田敏夫、北大 黒川一哉、東工大 丸山俊夫、東工大 西方 篤、首都大 吉葉正行、阪大 谷口滋次)

日  時 2006年2月2日(木)、3日(金)
場  所 東京工業大学百年記念館フェライト会議室
募集定員 100名
受講料  
受講資格 (テキスト代金含む・税込)
事前申込 当日申込
正 員 15,000円 18,000円
学 生 8,000円 10,000円
非会員 23,000円 25,000円
(本会維持員会社社員、協賛学協会会員は会員扱い、学生は会員、非会員の区別なし)

申込要領 E-mailでapply@jim.or.jp宛お申し込み下さい。
申込項目は以下のとおりです。
(1) 送信 subject に「エネルギー関連機器用高温耐食材料」と記入、
(2) 氏名・年齢、
(3) 会員・非会員・学生の区別、本会会員は会員番号も
(4) 勤務先・所属、
(5) 通信先住所(テキスト等送付先と電話番号)申込受理確認のE-mailを返信します。
事前申込締切 2006年1月13日(金)着信
テキストの送付 開催1週間前までに発行送付の予定です。事前に申し込まれた方で1週間前までに参加証が届かない場合はご連絡ください。
受講料払込方法 テキスト送付の折に請求書と振替用紙を同封いたします。お支払いは開催後でもかまいません。
問合先 〒980-8544 仙台市青葉区一番町1-14-32フライハイトビル2階
(社)日本金属学会 セミナー参加係
E-mail:apply@jim.or.jp TEL 022-223-3685  FAX022-223-6312

2月2日 (13:00~17:00)
「耐食コーティングの開発と評価」
13:00~13:10 開講にあたり
新耐食コーティングの開発
13:10~13:50 1)イオン注入によるTiAlの耐酸化性向上
阪大 谷口滋次
13:50~14:30 2)アップヒル拡散による新コーティング
北大 成田敏夫
14:30~15:10 3)溶融塩電解による耐食コーティング
秋田大 原  基
─ 休 憩 ─
高温耐食コーティングの劣化と損傷評価
15:20~16:00 4)溶射皮膜の特性と高温酸化・高温腐食による劣化機構
トーカロ 原田良夫
16:00~16:40 5)遮熱コーティングシステムのナノキャラクタリゼーションと基礎的特性評価
首都大 高橋 智
16:40~17:00 総合討論
2月3日(9:00~17:00)
「保護性酸化皮膜の生成/破壊と環境作用」
実装置における保護皮膜の破壊と腐食事例
9:00~ 9:40 6)ガスタービン用耐熱コーティングシステムの複合負荷条件下での損傷解析
―コーティングの合理的システム設計に向けて―
首都大 吉葉正行
9:40~10:20 7)廃棄物/化石燃料ボイラ用材料の高温腐食機構と保護性スケールの役割り
三菱重工 川原雄三
10:20~11:00 8)火力発電プラント
IHI 中川精和
保護皮膜の生成と耐食性の発揮
11:10~11:50 9)水蒸気酸化皮膜の特性と生成メカニズム
東工大 丸山俊夫
─ 昼 食 ─
13:00~13:40 10)シリサイドにおける保護皮膜形成と耐用温度
北大 黒川一哉
13:40~14:20 11)高温エロージョンコロージョンの機構
広島大 礒本良則
─ 休 憩 ─
保護皮膜の生成/破壊と劣化評価
14:30~15:10 12)溶融塩環境における皮膜破壊と修復
東工大 西方 篤
15:10~15:50 13)熱的・機械的因子による皮膜破壊と腐食挙動
住金 西山佳孝
15:50~16:30 14)音響振動法による高温酸化スケールの“その場”評価
室工大 佐伯 功
16:30~16:50 総合討論
16:50~17:00 閉講のあいさつ
(各講義には10分程度の質疑応答時間を含む)



【講 義 要 旨】

1 イオン注入によるTiAlの耐酸化性向上 (谷口滋次)

本セミナーにおいては、始めにTiAlの高温酸化の概略を述べ、ついで表面処理法としてのイオン注入の特長を説明する。さらに、TiAlへのイオン注入により著しく耐酸化性が向上した実例を示す。耐酸化性を向上させた機構はいくつかに分けられ、その各々について、検討した結果を述べる。

2 アップヒル拡散による新コーティング (成田敏夫)

長寿命・高信頼性コ-ティングでは、Al, Cr, Si等の保護的酸化物スケ-ルを形成・維持し、再生する能力が要求される。従来のコ-ティングではこれら元素の濃度分布は単調に合金素地側に低下しているが、アップヒル拡散現象を利用すると、コ-ティングと素地の間により濃度の高い層を形成することができる。本講では、TiAl-Ni系とNiPt-Alを例に、その概念と酸化挙動について紹介する。

3 溶融塩電解による耐食コーティング (原 基)

高温酸化性環境における耐食性の向上に有効な新規表面改質法である溶融塩電解法による耐食コーティングについて、その方法や原理について説明するとともにこの方法により作製した各種アルミナイド系コーティング膜の高温酸化特性を紹介する。

4 溶射皮膜の特性と高温酸化・高温腐食による劣化機構 (原田良夫)

成膜材料の種類が多く、生産性が優れた溶射法によって形成される熱遮蔽皮膜(TBC)、Ni-Cr合金、MCrAlYなどの皮膜は、ボイラ、ガスタービン、焼却プラントなどの高温機器用保護皮膜として多用されている。ここでは、溶射法を熱源の高エネルギー化、高速度化の立場から、それぞれの皮膜の特性を解説した後、高温機器に適用された各種溶射皮膜の耐久性及び劣化機構について紹介するとともに、溶射皮膜を主体とした耐熱コーティングの健全性を評価するための標準化の動向についても言及する。

5 遮熱コーティングシステムのナノキャラクタリゼーションと基礎的特性評価(高橋 智)

プラズマ溶射遮熱コーティング(TBC)システムのコーティング界面性状を主対象としたナノキャラクタリゼーションに基づき、TBCシステムの組成・組織学的因子に及ぼす溶射プロセス条件の影響を紹介するとともに、基礎的な高温酸化特性や機械的特性に及ぼす損傷支配因子の究明ならびに特性改善法の提案を試みる。

6 ガスタービン用耐熱コーティングシステムの複合負荷条件下での損傷解析
-コーティングの合理的システム設計に向けて― (吉葉正行)

発電用ガスタービン等の高効率化を実現する上での不可欠の高温高圧化に対応する最も有効な耐熱コーティングによるシステムの最適化に向けて、ガスタービン高温材料が実機運転時に受ける熱的―機械的-化学的複合負荷条件下での損傷解析例を紹介するとともに、将来に向けた設計指針の提案を試みる。

7 廃棄物/化石燃料ボイラ用材料の高温腐食機構と保護性スケールの役割り (川原雄三)

廃棄物および化石燃料を用いるボイラの過酷な高温腐食環境下では材料表面に形成される保護性スケールの破壊が起こり、腐食が促進されるため材料開発、腐食寿命予測に際して考慮が必要である。本講演では高温耐食材料の腐食メカニズムに対する保護性スケールの役割りを実装置での事例を交えて説明する。

8 火力発電プラント (中川精和)

最近の火力発電プラントは省資源、省エネルギーおよび環境対策の観点から高効率化が求められている。蒸気温度の高温化による高効率化に伴い、プラント構成材料の使用環境は、より一層苛酷なものとなっている。ここでは、火力発電プラントの高温腐食事例および最新の防食技術について紹介する。

9 水蒸気酸化皮膜の特性と生成メカニズム (丸山俊夫)

火力発電用に過熱器管内壁などで起こる高温水蒸気酸化について、皮膜の特性とその生成メカニズムについて解説する。

10 シリサイドにおける保護皮膜形成と耐用温度 (黒川一哉)

シリサイドの酸化様式は概ね3種に大別することができる。その酸化機構について述べるとともに、各種シリサイドの耐酸化性から見た耐用温度を推定する。また、シリサイドに優れた耐酸化性を与えているシリカ皮膜の水蒸気酸化雰囲気における劣化についても考えてみる。

11 高温エロージョンコロージョンの機構 (礒本良則)

高温環境で生じるエロージョン・コロージョン現象とはどのようなものか、エロージョンコロージョン条件下のエロージョンまたは高温腐食・酸化の加速機構や材料劣化に影響を及ぼす因子にどのようなものがあるかを述べる。また、材料劣化に対する対策や寿命予測についても概説する。

12 溶融塩環境における皮膜破壊と修復 (西方 篤)

溶融硝酸塩(573K)と溶融硫酸塩(773K,973K)中で、SUS304ステンレス鋼を不働態電位に定電位分極した状態で、張り変形を加え、その変形に応答して流れるアノード電流を計測することにより、酸化皮膜の破壊と修復過程を調べた。それらの結果に基づき、皮膜破壊・修復機構および酸化皮膜の機械的特性について議論する。

13 熱的・機械的因子による皮膜破壊と腐食挙動 (西山佳孝)

高温環境下での金属材料の保護皮膜の破壊は、剥離皮膜の飛散による構造機器の損傷や、材料自身の寿命低下の要因となる。本講では破壊における熱的、機械的因子の特徴を把握するとともに、皮膜破壊を抑制する合金元素の影響について紹介する。

14 音響振動法による高温酸化スケールの“その場”評価 (佐伯 功)

高温酸化の際に生成するスケールの性状はこれまで冷却後に評価する以外に方法がなかった。著者らは音響インピーダンス法による“その場”評価技術を開発中であり、今回は鉄の酸化、溶射膜の変質に応用した例を紹介する。

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