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相平衡と相変化の計算科学:凝固現象編

日本金属学会「セミナー・シンポジウム委員会」企画

実用材料における微視組織の形成過程を理解するためには、平衡状態図と凝固現象に関する基礎的知見と熱力学の基本原理に対する理論的知見が必要です。本セミナーでは、熱力学の基本原理について詳細に説明し、同基本原理に基づくCAL-PHAD法等による状態図計算と凝固現象のシミュレーションについてわかりやすく解説します。
「相平衡の熱力学」では、実験科学と最も親和性の高い熱力学的な基本関係式がGibbsエネルギーであることを導出します。熱力学の第一法則と第二法則によると、恒温・恒圧の平衡状態における物質では、Gibbsエネルギーが最小値に達し、物質全体にわたって化学ポテンシャルの値が均一になります。ここで、化学ポテンシャルは、Gibbs エネルギーに対するEulerの一次形式と最も整合性の高い示強変数です。また、平衡状態では、Gibbs-Duhemの関係式によって全示強変数の束縛関係が規定されます。
「CALPHAD 法による相平衡計算」では、多元系物質のモルGibbsエネルギーを適切な数学関数で表すための手法について詳細に説明します。また、上記の数学関数を用い、熱力学の基本原理に基づいて多元系物質の平衡状態図や物性値を精度良く評価するための計算技法について解説します。
「凝固の熱力学と凝固伝熱解析」では、熱力学的な観点より凝固学の基礎を紹介し、巨視的な凝固現象に対する解析手法である凝固伝熱解析について説明します。一方、「フェーズフィールド法による凝固解析」では、微視的な凝固現象を理解するために不可欠な凝固溶質偏析の解析モデルと凝固条件との関係を説明し、任意の凝固条件に対する偏析計算が可能なフェーズフィールド法について解説します。
本セミナーが、凝固現象を事例とする相平衡と相変化の計算科学に対する理解を深めるための一助となれば幸いです。

開催日時 1日目:2024年11月7日(木)10:00~16:30
2日目:2024年11月8日(金)10:00~16:30
開催方式 対面とオンラインのハイブリッド形式。オンラインはZoomにて実施します。
対面開催会場 エッサム神田ホール1号館6階 中会議室 1(601)(東京都千代田区鍛冶町3-2-2)
(https://www.essam.co.jp/hall/)
募集定員 対面参加50名。オンライン参加100名。
申込方法 https://www.jim.or.jp/seminersymposium/よりお申込み下さい。
申込締切 2024年10月30日(水)*当日申込みは対面参加のみ。
受講料
受講資格事前申込当日申込
正会員
維持員社員
15,000円18,000円
学 生8,000円10,000円
非会員23,000円25,000円
*協賛学協会の会員は正会員とみなし、学生は会員と非会員の区別はありません。
受講料支払方法 ①カード決済 ②コンビニ決済 ③銀行振込
※当日申込みはカード決済のみ。
問合先 〒980-8544 仙台市青葉区一番町1-14-32
(公社)日本金属学会 セミナー・シンポジウム係
E-mail: meeting[at]jimm.jp
TEL 022-223-3685 FAX 022-223-6312
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えて下さい

プログラム

◆【第1日目:11月7日(木) 10:00~16:30】
9:30~10:00受付
10:00~11:30「相平衡の熱力学 1」講師 梶原正憲
11:30~12:50―昼食―
12:50~14:20「相平衡の熱力学 2」講師 梶原正憲
14:20~14:30―休憩―
14:30~16:00「CALPAHD 法による相平衡計算 1」講師 阿部太一
16:00~16:30質疑応答
◆【第2日目:11月8日(金) 10:00~16:30】
9:30~10:00受付
10:00~11:30「CALPAHD 法による相平衡計算 2」講師 阿部太一
11:30~12:50―昼食―
12:50~14:20「凝固の熱力学と凝固伝熱解析」講師 大出真知子
14:20~14:30―休憩―
14:30~16:00「フェーズフィールド法による凝固解析」講師 大出真知子
16:00~16:30質疑応答

★テキスト:講義資料をpdfファイルで配布する予定です。
基礎的知見に対するさらに詳細な解説については、以下の図書をご参照下さい。なお、受講料には図書代は含まれておりません。
(1) 梶原正憲:相平衡の熱力学 ―熱力学体系の理解のために―、コロナ社(2021)
(2) 阿部太一:計算状態図入門、内田老鶴圃(2024)

講師

東京工業大学 名誉教授 梶原 正憲、物質・材料研究機構 グループリーダー 阿部 太一、物質・材料研究機構 主任研究員 大出 真知子

企画世話人

物質・材料研究機構 グループリーダー 阿部 太一、物質・材料研究機構 主幹研究員 井 誠一郎

協賛予定

合金状態図研究会、エネルギー資源学会、金属材料研究開発センター、素形材センター、資源・素材学会、軽金属学会、日本鋳造工学会、日本塑性加工学会、日本鉄鋼協会、日本チタン協会、日本材料学会、日本材料科学会、ステンレス協会、日本アルミニウム協会、軽金属製品協会、日本ガスタービン学会、日本機械学会、日本 MRS、日本物理学会

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