論文の審査の仕組
1. 投稿論文の審査(A 図参照)
(1) |
投稿論文の分野別分類と審査担当委員の決定 編集委員会は「運営内規」にもとづいて、各専門分野ごとに担当委員を定めて論文の審査を行う。 投稿された論文は、まず学会事務局で「投稿規程」に合致しているかどうかを確認した上、投稿者が指定した分類分野に属する編集委員の 1 人にその論文要旨を送る。なお、委員会の申し合せにより、委員は自分の関係する論文はもちろん、原則として自分の勤務先に所属する人の論文は担当しない。 |
(2) | 査読者の決定 担当委員は、その審査担当の論文要旨をみて適当な査読者を選定する。なお、査読者の選定は担当委員の判断と責任で行われるが、その論文にかかわりのある人や、著者の勤務先に所属する人を選定しない。 |
(3) | 査読依頼 編集委員会は担当委員が指定した査読者に査読を依頼し、約 1 ヵ月以内に査読結果を査読票に従って報告してもらう。 |
(4) |
査読結果の審査および著者への連絡 担当委員は査読結果にもとづいて担当論文を審査の上、著者に論文の訂正や再考を求めるか、あるいは別の査読者(第 2 査読者)に査読を依頼する。 著者が委員会からの指摘にもとづいて修正して再提出した論文は、査読者に再査読を依頼し、担当委員が再審査した上で、指摘した問題点がなお解消していないと判断したときは再び著者に検討を求める。なお、この手続きは担当委員が担当論文の掲載の可否について判断できるようになるまで繰り返されるので、場合によっては、審査にかなり長時間を要することもある。 また、最初の査読者(第 1 査読者)が「掲載不適当」、またはそれに近い査読結果を出した論文については、担当委員は第 2 査読者に査読を依頼する。第 1 査読者の返却理由がきわめて妥当で、議論の余地がないと担当編集委員が判断した場合、第2査読者に依頼せずに「掲載否」とすることを編集委員会に求めることができる。なお、第 2 査読者と第 1 査読者の意見が異なる場合には、さらに第 3 査読者に査読を依頼することもある。 |
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掲載可否の判定およびその後の手続き 査読結果が「このまま掲載可」の場合、担当編集委員が審査して、査読結果に特に問題がない場合は、「掲載可」を判定し、投稿者に掲載可を通知する。担当編集委員が、「掲載否」を判定した場合は、その後編集委員長の決裁を経て、投稿者にその理由を付して掲載否を通知する。 |
(6) | 掲載否となる理由 当編集委員会が掲載否と判定する理由はそれぞれ異なるが、学術的あるいは技術的に新たな寄与がなく、結果や結論が周知のことで、とくに掲載に値しないという理由がその半数を占め、そのほかは、根本的な考え方や論理に明白な矛盾や誤りがあるもの、目的や論旨が不明確なもの、実験データが不足のもの、考察や文章がきわめて粗雑なものなどである。 |
2. 会誌「学術論文」(以下学術論文)・欧文誌「Regular Article」(以下Regular Article)以外の論文の審査
学術論文・Regular Article以外の論文の審査方法や手順は学術論文・Regular Articleの場合と同じであるが、「投稿規程」に定める基準を満たしていないと委員会が判断したときには掲載しない。なお、内容によっては学術論文・Regular Artcleの形式に書き改めて投稿することを勧奨することもある。