欧文誌編集委員会からのお知らせ
Materials Transactions 読者への重要メッセージ
論文審査基準の見直しについて
欧文誌編集委員長
堀田善治
Materials Transactions (Mater. Trans.)は1960年と古くに創刊された歴史に基づく由緒ある材料系学術誌です。しかしながら、本誌の Impact Factor (IF)は0.7程度で極めて憂えるべき状況にあります。(2018年 IF=0.763, 2019年 IF=0.731)。
本委員会では、現在、Current Trends in Research の新たなカテゴリーを設けて最新の情報を紹介したり、Review や Overview 論文を多く募って被引用数の向上に努めているところです。しかしながら、ほとんどの材料系雑誌は 2 以上であり、IF が最も高い Acta Materialia (Acta Mater.)よりも 1 桁小さいという不名誉な値となっています。このような深刻な事情にあっては、抜本的な対策により、IF 向上を図る必要があると痛感している次第です。Mater. Trans. では毎年約300編の論文が掲載されております。しかし、その60%の論文は自己引用も含めて一度も引用されておりません。
論文の価値は単に IF のみでは判断できないところは十分に理解するところです。しかし、一度も引用されない論文は果たして論文としての価値があるのかと疑問を投げかけざるを得ません。被引用数ゼロの論文をなくすために、審査基準の見直しを図る必要があります。学術的な重要性とともに理解し易さ(読者に分かり易く工夫されているか)も審査の対象に入れ、貢献度が低い論文(被引用が見込めない論文)は、積極的に Reject(掲載否)とする方針で対処する必要に迫られております。
本誌の読者であり投稿者である皆様には、どうぞよろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。