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2023年度に活動終了した研究会成果報告
No. 75「キンク研究会」成果報告書
活動期間:2015年3月~2024年2月(9年間)
1. 研究会活動目的
近年、長周期積層構造型マグネシウム合金で発見されたキンク変形という特異な変形挙動を題材に、回位などの新たな視点から材料の変形と破壊についての基礎的議論を深めるとともに、キンク変形を利用した高強度構造材料の開発を進め、新しい材料研究領域の構築に展開していくことを目的とする。
2. 研究会活動概要
2015年から上記目的に基づいて活動を開始した本研究会では、毎年度、研究会を開催し、毎回3名程度の講師を招いて、キンク形成およびキンク強化に関わる最新の話題提供を受け、参加者のあいだで時間を惜しまず活発な議論を行った。活動期間中の研究会は、計8回開催された。2018年度からは、新学術領域研究『ミルフィーユ構造の材料科学』の研究活動と協働し、毎年秋の本会講演大会では、公募シンポジウム『ミルフィーユ構造の材料科学』をシリーズ開催した(計6回)。本公募シンポジウムでは、基調講演を含め、毎回、30件を超える多数の一般講演があり、活発な議論がなされた。また、2019年度から発足した軽金属学会の『LPSO/MFS構造材料研究部会』とも密接に連携を行い、学協会の垣根を越えた研究活動を展開した。活動期間後半(3年の延長、特例により1年延長)の2020年度には、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響から、対面の活動が著しく制限されたものの、オンラインでの会合等に切り替え、研究会活動を継続した。研究活動終盤においては、本研究会活動の成果を公開する目的で、日本金属学会シンポジウムをハイブリッド形式で開催(2023年2月18日、東京工業大学)した。
本研究会は、長周期積層構造(LPSO)型マグネシウム合金で見出されたキンク変形と、そのキンク形成に伴う顕著な合金強化挙動の発見を発端として活動を開始した。研究期間中盤からは、新学術領域研究との共創的活動によって、層状構造の概念をLPSO からミルフィーユ構造へと拡張・発展させ、マグネシウム合金のみならず、チタン合金やアルミニウム合金等の合金、MAX相 Ti 3 SiC 2に代表されるセラミックス、さらにはポリエチレンやポリプロピレン等の高分子材料にまで研究対象を大幅に拡大させることができた。分野の垣根を越えた共同研究を推進し、深い議論を重ねることにより、これら三大材料におけるキンク変形現象の普遍性を明らかにするとともに、キンク変形を着眼点として、個々の材料の力学特性を再認識する成果を得ることができた。
金属材料におけるキンク変形そのものは、1940年代から知られた現象で、一般には巨視的な座屈現象として捉えられてきたため、材料強化とは逆の強度劣化因子として扱われてきた。しかし、本研究会活動を通じて、LPSO マグネシウム合金のみならず、他のミルフィーユ構造を持つ合金でもキンク導入によって合金強化が図れることが見出されたことは大きな成果となった。キンク変形が塑性変形の担い手となり、かつ、ミクロな破壊起点を作らずに変形が進行することがキンクによる強化を得るための必須条件となることが明らかとなった。これにより、キンクに対する既存概念を覆し、キンクを材料強化に積極的に活用する新たな材料設計の方向性を見出した。
本研究会活動においては、ミルフィーユ構造を持つ材料におけるキンク形成およびキンク強化を理論的に説明する検討も進めた。マルテンサイト変態の現象論を洗練させた運動学的理論からは、キンク変形によって生ずるキンク界面での幾何学的適合条件から、割れの生じないキンク界面には回位発生を伴うことを定量的に示した。この結果は、LPSOマグネシウム合金を用いた実験により実証され、回位のフランクベクトルの実測にも成功している。また、微分幾何学を基礎として、転位論と回位論を統一的に扱うことにより、転位と回位の可換性を数学的に証明した。さらに、この新しい理論的枠組みで、回位の応力場解析およびフランクベクトルの定量化手法も確立させた。
研究会活動の延長が認められた直後、いわゆるコロナ禍に見舞われ、対面での研究会や会合が一切不可能となったものの、オンラインでの活動に切り替えることで、研究そのものを中断させることなく、本研究会活動を終えることができた。長期にわたる研究活動の中では、当初予測しなかった室温におけるキンク界面移動現象を捉えるなど、今後の新たな研究展開に結びつくような新奇現象も見出すことができた。
最後に、本研究会活動に対し、多大なるご支援をくださった会員諸氏に深く感謝申し上げます。
3. 成果の公表先
日本金属学会誌へオーバービューとして投稿予定
4. 研究会世話人
中島英治(九州大学)、藤居俊之(東京工業大学)、阿部英司(東京大学)、河村能人(熊本大学)、相澤一也(日本原子力研究開発機構)、三浦誠司(北海道大学)、君塚肇(名古屋大学)
No. 80「高エネルギー環境用材料評価研究会」成果報告書
活動期間:2018年3月~2024年2月(6年間)
1. 研究会活動目的
原子炉あるいは核融合炉材料に関連する様々な国内あるいは国際会議が開催され、その多くは最新の研究やトピックスなどのその時期に応じた研究成果の発表の場として位置づけられている。本研究会は、高エネルギー環境で使用される材料の研究開発に携わってきた研究者が抱いている材料の損傷、腐食、脆化などについて、基本的かつ根本的な疑問、懸念および問題点などを学術的に十分議論するための場として定義する。特に、材料の照射効果についてこれまでに得られている照射データベースに基づき、照射欠陥や照射損傷組織の形成の素過程、それらが材料の力学的性質や物理的・化学的性質に及ぼす影響について、また照射損傷過程に及ぼす環 境因子(雰囲気、温度、磁場、電場など)の影響について、より基礎的な視点から検討する。
2. 研究会活動概要
本研究会では、関連する様々な原子力・核融合炉材料の寿命決定因子に着目し、その影響評価における諸問題について議論する場を提供した。原子力・核融合炉材料の環境を考慮し、材料の「寿命」をこれまでに得られている照射効果データベースに基づき、照射欠陥や照射損傷組織の形成の素過程、それらが材料の力学的性質や物理的・化学的性質に及ぼす影響について、より基礎的な視点から議論を行った。具体的には、材料の寿命に係る照射効果機構、照射試験法、照射後の観察法、測定法や評価法ならびに計算模擬試験法などにおける問題点の抽出と精確な材料の寿命評価に向けた議論に絞った。研究対象材料としては、軽水炉構造材料(オーステ
ナイト系ステンレス鋼)、高速炉構造材料(フェライト鋼)、核融合炉構造材料(フェライト・マルテンサイト鋼、SiC複合材料、タングステン材料、バナジウム材料)と多岐にわたり、各種材料の照射硬化、照射脆化、照射環境腐食、微細組織変化について、実験的かつ計算学的なアプローチから検討・議論された。また、将来の材料照射研究を担う若手人材育成を目的に大学院生や若手研究者を対象にポスターセッションを開催し、秀逸な研究発表に優秀ポスター賞を授与した。以下に、各年度で開催された研究会:「材料照射研究会」の活動状況を記す。
・2018/11/27~11/28「原子力材料と寿命評価」京都大
・2020/1/9~1/10「Irradiation 3.0に向けて」東北大
・2020年度 COVID-19感染拡大を懸念し開催断念
・2021/11/18~11/19「原子力イノベーションを見据えた材料開発研究」北海道大
・2022/12/7~12/9「Irradiation 3.0に向けて」仙台国際センター
・2023年度 主催者及び代表世話人の体調不良により開催断念
3. 成果の公表先
日本金属学会誌への投稿予定
4. 研究会世話人
橋本直幸(北海道大学大学院工学研究院)
2022年に活動終了した研究会成果報告
No. 72「水素化物に関わる次世代学術・応用展開研究会」成果報告書
活動期間:2014年3月~2023年2月(9年間)
※2020年活動休止のため1年間延長
1. 研究会活動目的
水素貯蔵・透過材料や燃料電池・蓄電池関連材料などの研究開発競争が世界的に激化しており、新たな料学的知見に立脚した研究開発指針の確立が望まれている。そのためには水素化物の新たな機能性の根源的探究や評価解折技術の高度化が不可欠であり、例えば中性子・放射光などの量子ビームを用いた局所構造・ダイナミクス解析などは水素化物の科学的知見を深化させる駆動力になることが期待される。そこで本研究会は、水素化物に関連する研究成果の社会への還元を目指し、本学会を中心とした研究者間の情報交換・研究協力体制をより強化しつつ水素化物の学術・応用展開の議論を深め、本分野の一層の活性化を図ることを目的として活動を行う。
2. 研究会活動概要
原則として年1回研究会を開催し、オーラルまたはポスターでの研究成果発表および議論を行った。下記に示す実績のとおり、合計8回開催し、毎回約30~40件の発表、45~67名の参加者があった。発表内容は、水素貯蔵・透過材料、水素利用技術、水素キャリア、固体イオニクス・電池関連材料、磁気特性、新たな評価手法開発など多岐にわたり、会員間での情報交換を行うとともにディスカッション・ポスターセッションの場で議論を深めた。また、本研究会では若手の研究奨励を目的として優秀なポスター発表に最優秀賞/優秀賞を授与し、若手研究者の育成にも寄与した。
開催日 | 会場 | 発表件数 | 参加者数 | |
---|---|---|---|---|
第1回 | 2014年 10月21-22日 | 東北大学金属材料研究所 (宮城県仙台市) | オーラル15 ポスター22 | 65 |
第2回 | 2015年 10月22-23日 | 金沢大学 (石川県金沢市) | オーラル14 ポスター22 | 55 |
第3回 | 2016年 10月27-28日 | 室蘭工業大学 (北海道室蘭市) | オーラル15 ポスター19 | 52 |
第4回 | 2017年 11月16-17日 | 沖縄産業支援センター (沖縄県那覇市) | オーラル15 ポスター30 | 67 |
第5回 | 2018年 11月21-22日 | 産業技術総合研究所 (茨城県つくば市) | オーラル11 ポスター17 | 46 |
第6回 | 2019年 11月14-15日 | 広島大学 (広島県東広島市) | オーラル8 ポスター28 | 45 |
第7回 | 2021年 11月8-9日 | オンライン開催 (ホスト:関西大学) | オーラル10 動画*15 | 44 |
第8回 | 2022年 12月1-2日 | 早稲田大学 (東京都新宿区) | オーラル10 ポスター21 | 61 |
*) ポスターに代わる発表形式として、プレゼン動画配信+ショートプレゼンテーションを実施
3. 成果の公表先
研究成果はMaterials Transactions に合計26報の学術論文 として公表(2014年~2022年実績)。
4. 研究会世話人
中村優美子(産総研)、折茂慎一(東北大)、亀川厚則(室蘭工大)、秋葉悦男(九州大)、大貫惣明(北京科技大/北大)、岡田益男(東北大)、栗山信宏(産総研)、小島由継(広島大)、森永正彦(豊田理研/名古屋大)、吉成修(名工大)
No. 78「触媒材料の金属学研究会」成果報告書
活動期間:2017年3月~2023年2月(6年間)
※2020年活動休止のため1年間延長
1.研究会活動目的
触媒はSDGsならびにカーボンニュートラル実現のためのキーマテリアルである。近年、脱貴金属化や貴金属代替合金触媒の開発は最重要課題になっている。触媒材料として金属・合金は古くから利用されている。特に、合金化による触媒性能の向上は枚挙に暇がない。しかし、意外なことにこれら合金化効果と触媒機能に関する原理・原則は未だ確立されていない。その最大の要因は、金属・合金触媒において金属学の視点で深く議論されることが無かったからである。そこで、本研究会では、金属・合金の触媒作用を金属学の観点から理解するとともに、新たな触媒材料の学理を構築し実際の調製法に繋げることを目的として設立された。金属材料分野を中心として幅広い分野(触媒化学、材料物性・解析、物性理論、表面・電気化学など)との融合を図り、研究者間での意見・情報交換、活発な討論を行うことを目指した。
なお、本研究会は金属材料と触媒化学の研究者コミュニティーの交流を目指して2009年より活動してきた「触媒材料研究会」(2期計6年間:2009.03-2012.02(代表世話人:蔡安邦)、2012.03-2015.02(代表世話人:西村睦))が母体としてバルク型金属・合金触媒材料にフォーカスしその学理構築にこだわった比類のない金属学会ならではの活動を行ってきた。
2. 研究会活動概要
本研究会では合計6回のミニシンポジウム等を企画・開催した。各シンポジウムの概要は以下の通りである。
① 公募シンポジウム(S2)「触媒材料の金属学」
第161回金属学会講演大会(北大)の2日目の平成29年9月7日(終日)に公募シンポジウムが開催した。本シンポジウムでは3つのトピックスを設定し、①新素材・材料:小嶋隆幸助教(東北大学際センター)、②新規触媒反応:古川森也准教授(北大触媒研)、③表面・理論:蔡安邦教授(東北大多元研)と有賀寛子助教(北大触媒研)にそれぞれ基調講演(含受賞講演)をして頂いた。また、一般応募講演が11件あり合計15件で企画時予想の通りにほぼ行われた。聴講者数は概ね40名程度で比較的盛況であった。
② ミニシンポジウム「箔型金属触媒の現状と可能性」
本シンポジウムは、平成30年2月23日(13:30-17:00)にNIMS(つくば市)で開催した。NIMS 平野敏幸氏(「金属系モノリス触媒の現状と可能性」)、熊本大学町田正人氏(「オーバーレイヤー構造を有する金属箔触媒の設計とメタルハニカムへの応用」)、NIMS 許亜氏(「組成・組織制御による金属箔の触媒特性の向上」)に各講演を行って頂き、講演内容に対し参加者と活発な討論をおこなった。参加者は10名であった。
③ 第3回ミニシンポジウム「金属触媒材料のキャラクタリゼーション(1)」
本シンポジウムは、平成30年12月14日(13:30-17:00)に東北大学東京分室(東京駅そば)で開催された。京都大学辻伸泰氏(「金属材料における集合組織形成とEBSD 解析―その原理と応用」)とNIMS 原徹氏(「電子顕微鏡による形態・組成評価の技術的進展―SEM での三次元観察とS/TEM での組成分析」)に各講演を行って頂き、研究会世話人(亀岡・許)からバルク型金属触媒材料に関する最近のトピックスを紹介し講演講師らと参加者との間で活発な総合討論をおこなった。参加者は10名(内学生2名)であった。
④ 第4回ミニシンポジウム「金属触媒材料研究の最前線:金属・触媒・表面科学の融合を目指して」
本シンポジウムは、令和元年12月9日(13:30-17:20)に北大東京オフィス(東京駅そば)で開催された。慶応大学近藤寛氏(「金属触媒表面のin situ/オペランド計測」)、北海道大学古川森也氏(「金属反応場の精密設計―現状と展望―」)、東北大学小嶋隆幸氏(「ホイスラー合金の触媒特性」)、東京大学小安喜一郎氏(「金属クラスターの化学反応性を用いた分子の活性化」)、大阪大学森浩亮氏(「水素エネルギーの貯蔵・供給のための金属触媒ナノエンジニアリング」)に各講演を行って頂き、講演講師らと参加者との間で活発な総合討論をおこなった。参加者は13名であった。
⑤ 特別講演会「金属中の水素―拡散・透過、機械的性質への影響、触媒機能―」
本特別講演会は、令和2年2月28日(16:00-17:15)に物材機構千現地区研究本館8階中セミナー室(つくば)で開催した。長年にわたり水素吸蔵合金材料を研究されてきた西村睦博士(エネルギー・環境材料研究拠点水素製造GL)に特別講演をして頂き、参加者との間で活発な議論が行われた。参加者は13名であった。
⑥ 第6回ミニシンポジウム「水素吸蔵合金と金属触媒材料の融合を目指して」
本シンポジウムは、令和4年2月18日(13:30-17:00)にZoomオンラインで開催された。量研機構齋藤寛之氏(「水素化し難い金属から水素化物を創る―高温高圧法と放射光その場観察による新規水素化物探索研究」)、産総研浅野耕太氏(「水素吸蔵合金の高性能化・多機能化を発現するナノ材料学と触媒化学への期待」)、東北大附田良太氏(「Ni基水素吸蔵合金触媒の不飽和炭化水素の水素化特性」)に各講演を行って頂き、その後自由討論時間を設け講演講師3名と参加者との間で活発な意見交換が行われた。参加者総数は41名であった。
3. 成果の公表先
Materials Transactions 第64巻第10号(2023年)
特集号“Metallurgy for Advanced Catalytic Materials(触媒材料のための金属学)”
4. 研究会世話人
亀岡聡(東北大)・許亜(NIMS)・田邉豊和(防衛大)・小嶋隆幸(信州大)
2021年に活動終了した研究会成果報告
成果報告書
活動期間:2013年3月~2022年2月(9年間)
「転位論」は材料科学・工学における重要な学問基盤であり、金属系結晶材料の変形は転位(dislocation)の運動により議論される。一方近年、転位の概念だけでは必ずしも理解しきれない変形現象が顕在化しつつある。例えば、ナノ結晶材料においては複数の結晶粒の協調的なせん断や回転が生じている可能性があり、回位(disclination)の運動により記述しようとする考え方がある。また、原子のシャフリングを必要とする六方晶、あるいは複雑な規則相における双晶変形の原子的メカニズムや、せん断帯、粒界すべり、アモルファス・金属ガラスの変形、マルテンサイト変態もこの範疇に入る。我々は、転位や回位を内包し結晶性材料の変形現象を包括的に理解する上位概念として、変形子(プラストン:plaston)を提案する。本研究会は、新規な挑戦的概念であるプラストンの材料科学に関する基礎的議論を行なうことを目的とする。 |
活動期間中に12回の研究会と1回のセミナーを開催した。いずれの会においても、プラストン概念の深化に大きく貢献する活発な議論が行われた。各回のテーマと講師および講演タイトルを以下に示す。 |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
中谷彰宏(大阪大学)「格子欠陥モデルを用いた変形体の力学理論の記述」 |
中島英治(九州大学)「基礎回位論」 |
下川智嗣(金沢大学)「原子シミュレーションで観察される回位とその役割」 |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
三浦誠司(北海道大)「Mg合金単結晶の双晶変形の直接観察とdetwinningによるひずみ回復現象」 |
木村好里(東京工業大学)「規則構造の類似と相違から見たE21型金属間化合物の塑性変形」 |
岸田恭輔(京都大学)「複雑な結晶構造を有する金属間化合物の変形双晶」 |
安田弘行(大阪大学)「規則構造に由来する転位ならびに双晶の特異な運動」 |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
板倉充洋(JAEA)「転位の第一原理計算における計算テクニック」 |
譯田真人(大阪大学)「電子・原子論に基づくFe-Si合金の転位解析と降伏応力の評価」 |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
貝沼亮介(東北大学)「NiTi、CuAlMn、NiCoMnIn系形状記憶合金の極低温域におけるマルテンサイト変態挙動」 |
西田 稔(九州大学)「熱弾性マルテンサイトの自己調整構造」 |
澤口孝宏(NIMS)「高Mn鋼における転位の可逆的集団運動を利用した耐疲労特性の改善」 |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
Easo P. George (Ruhr University Bochum) ``Is configurational entropy really important in high-entropy alloys?'' |
William A. Curtin (EPFL) ``Fundamental mechanisms of plasticity and fracture in magnesium'' |
Andy Godfrey (Tsinghua University) ``Synthesis and enhanced mechanical properties of metals with tailored grain structures in the near-micrometer regime'' |
Ting Zhu (Georgia Institute of Technology) ``Atomistic and mesoscale modeling of crystal plasticity'' |
田中 功(京都大学) ``First principles lattice dynamics calculations for phase transition and deformation process in metallic systems'' |
乾 晴行(京都大学) ``Micropillar deformation of hard and brittle materials'' |
辻 伸泰(京都大学) ``Nucleation of plaston at grain boundaries in bulk nanostructured metals'' |
尾方成信(大阪大学) ``Modeling of deformation and strength of bulk nanostructured HCP metals ―A plaston diagram: grain size dependent deformation mechanism map―'' |
都留智仁(JAEA) ``Effect of solute atoms on dislocation core structure and motion in HCP metals'' |
田中將己(九州大学) ``Low temperature toughness and dislocation mobility in bulk nanostructured metals'' |
栃木栄太(東京大学) ``Dislocation core structures and structural units in oxides'' |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
Michael J. Mills (The Ohio State University) ``New insights into strengthening mechanisms in superalloys'' |
David Rodney (Universite de Lyon) ``Ab initio modeling of dislocation core properties in HCP and BCC metals'' |
Erik Bitzek (Friedrich-Alexander Universitat Erlangen-Nurnberg) ``Deformation and failure at the nanoscale: Case studies on complementing experiments with simulations'' |
Young-Kook Lee (Yonsei University) ``Unique tensile fracture of high Mn alloys'' |
辻 伸泰(京都大学) ``Deformation twinning in ultrafine grained high-Mn austenitic steels'' |
柴田曉伸(京都大学) ``Hydrogen-related fracture behavior of martensitic steels under different deformation conditions'' |
岡本範彦(京都大学) ``Plastic deformation and solid solution strengthening in high entropy alloys with the fcc structure'' |
土谷浩一(NIMS) ``Effect of elemental segregation on properties of structural materials'' |
澤口孝宏(NIMS) ``FCC to HCP martensitic transformation and dislocation motion under thermal and mechanical cycling'' |
東田賢二(佐世保工業高等専門学校) ``Crack-tip shielding by dislocations and its effect on fracture toughness'' |
山口正剛(JAEA) ``Multiscale analysis on temper and H-induced embrittlement of steel'' |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点、SIP革新的構造材料D67九州大学拠点、日本鉄鋼協会日本金属学会関西支部・材料開発研究会 |
津﨑兼彰(九州大学)「疲労と破壊の科学:その挑戦と目指すもの」 |
野口博司(九州大学)「力学からの挑戦:金属疲労の常識と課題」 |
戸田裕之(九州大学)「計測からの挑戦:3D/4Dでわかることわかったこと」 |
大橋鉄也(北見工業大学)「計算からのアプローチ:き裂/界面相互作用の結晶塑性モデリング」 |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
Ke Lu (Chinese Academy of Sciences) ``Stabilizing nanostructures in metal'' |
Tilmann Hickel (Max-Planck-Institut fuer Eisenforschung) ``Strengthening mechanisms in a precipitation hardened high-Mn lightweight steel'' |
辻 伸泰(京都大学) ``Fabrication of bulk nanostructured metals that can manage both high strength and large ductility'' |
大村孝仁(NIMS) ``Intermittent plastic deformation associated with collective motion of dislocation in bcc alloys'' |
加藤秀実(東北大学) ``Relaxation and deformation in metallic glass'' |
板倉充洋(JAEA) ``First-principles calculation of interaction between carbon atom and screw/edge dislocation in bcc iron'' |
東後篤史(京都大学) ``First principles phonon calculations of deformation twinnings'' |
岸田恭輔(京都大学) ``Micropillar compression of intermetallic compounds with complex crystal structures'' |
澄川貴志(京都大学) ``Evaluation on mechanical strength of nano-/micro-scale components'' |
中村篤智(名古屋大学) ``Structure and electrical conduction property of dislocations in oxides'' |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
Hamish L. Fraser (Ohio State University) ``Dislocation glide as a deformation mechanism in compositionally complex alloys'' |
Daniel Caillard (Centre National de la Recherche Scientifique) ``In situ studies of dislocation mechanisms in BCC metals (iron, iron alloys and tungsten)'' |
Jaafar El-Awady (Johns Hopkins University) ``The formation and evolution of plasticity in persistent slip bands: Large scale discrete dislocation dynamics and in situ scanning electron microscopy experiments'' |
Mathias Göken (Friedrich-Alexander-Universitat Erlangen-Nürnberg) ``Nano-scaled multilayered metallic composites for advanced functional and mechanical performance'' |
土谷浩一(NIMS) ``Nanostructure formation and phase transformation in High-Entropy Alloys'' |
宝野和博(NIMS) ``From age-hardenable magnesium alloys to bake-hardenable magnesium alloys'' |
ハルヨ ステファヌス(JAEA) ``Mesoscopic studies of deformation behavior of metallic materials using neutron diffraction'' |
下川智嗣(金沢大学) ``Influence of interface-mediated plasticity on mechanical properties of nanostructured materials'' |
都留智仁(JAEA) ``Effect of solutes on dislocation core structure and motion'' |
萩原幸司(大阪大学) ``Deformation and strengthening mechanisms in Mg-based Long-Period Stacking Ordered (LPSO) phase'' |
柴田曉伸(京都大学) ``Mechanical and microstructural analysis on hydrogen-related fracture behavior of martensitic steels'' |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
Catherine Rae (University of Cambridge) ``High Temperature Turbine Materials'' |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
岸田恭輔(京都大学)「BCCハイエントロピー合金の変形挙動(話題提供)」 |
新里秀平(大阪大学)「原子論に基づく動的モンテカルロ法を用いたBCC鉄合金の非経験的強度予測」 |
都留智仁(JAEA)「BCC合金の転位運動に基づく変形機構と力学特性:第一原理計算と力学モデルによる解析」 |
共催:京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
協賛:日本鉄鋼協会 |
柴田曉伸(NIMS)「マルテンサイト鋼の水素脆性粒界破壊」 |
髙桑 脩(九州大学)「温度依存性に着目したbcc鋼の水素助長疲労き裂進展加速メカニズム」 |
山口正剛(JAEA)「液体金属脆性から考えた水素脆性メカニズム」 |
松本龍介(京都先端科学大学)「長時間/大規模MDによる鉄中の転位―水素―空孔の相互作用解析」 |
共催:新学術領域研究「ハイエントロピー合金」、京都大学構造材料元素戦略研究拠点 |
田中將己(九州大学)「bcc型ハイエントロピー合金の変形・破壊挙動」 |
花咲徳亮(大阪大学)「EXAFSによるCrCoNiの局所構造解析」 |
橋本直幸(北海道大学)「CoフリーFCC型ハイエントロピー合金の開発研究」 |
まてりあ特集企画予定 |
乾 晴行(京都大学)、幾原雄一(東京大学)、尾方成信(大阪大学)、落合庄治郎(京都大学)、田中 功(京都大学)、津﨑兼彰(物質・材料研究機構)、辻 伸泰(京都大学) |
成果報告書
活動期間:2017年3月~2022年2月(5年間)
結晶性材料の高性能化において組織制御の重要性は言を俟たない。輸送機器構造材のマルチマテリアル化が叫ばれ、金属に限らず、高分子材料の重要性も高まっている。近年部材に要求されるより高度な性能向上は、等方性・均一性を前提としない、組織の異方性と不均一性の最適化に求められつつある。すなわち、材料のパフォーマンスを高める構造は配向組織制御あるいは複相組織の不均一性制御によるものであり、結晶性材料ならば結晶方位解析がそのベースとなる。そこで、本研究会は、結晶方位解析に基づき、集合組織制御のみならず結晶方位差によるひずみ評価、分散相の結晶方位解析、界面近傍構造解析等の応用技術を駆使して結晶性材料の高性能化を目指した研究活動を展開することを目的とした。結晶方位解析技術としては、XRD、 EBSD、 TEM、放射光をも含めたあらゆる技術を対象とした。また、材料は金属、セラミックスの他、結晶性高分子材料などすべての結晶性材料が対象とした。 |
原則として年1回2日間にわたり研究会を開催した。第1回は、2017年10月5日(木)、6日(金)の2日に下呂市下呂交流会館で開催した。さまざまな金属材料の結晶方位を対象とした研究成果10件が発表された。2018年8月30日(木)、31日(金)、第2回研究会を大阪府立大学中百舌鳥キャンパスで開催した。本研究会のさまざまな結晶性材料を対象とするという趣旨に沿って、「地球の中の集合組織:粒界すべりによる結晶軸選択配向説」と題する基調講演をはじめとして、さまざまな材料の結晶方位に関する20件の講演がなされた。内訳は、基調講演の地球科学材料の他、アルミニウム合金6件、鉄鋼材料4件、その他金属合金5件、セラミックス膜1件、鋼/ポリエチレン積層板1件、シミュレーション2件であり、と極めて多様な材料の結晶方位を対象とした研究成果が発表された。2019年8月29日(木)、30日(金)、第3回研究会を産業技術総合研究所中部センターで開催した。「物質科学と地震学をつなげるカンラン石の結晶方位解析」と題する基調講演をはじめ、鉄鋼材料6件、アルミニウム合金2件、銅合金2件、その他金属合金(Nb、Mg)2件、HEA1件、Al合金/Ti接合材1件、シミュレーション1件と第2回に続き16件の多様な材料の研究成果が発表された。第4回研究会は2021年10月14日(木)、15日(金)にオンライン(Zoom)で開催した。地球科学材料2件、セラミックス1件、鉄鋼材料4件、マグネシウム合金2件、チタン2件、アルミニウム合金1件、ニオブ1件、MEA1件、測定技術2件と16件の多様な材料の結晶方位を対象とした研究成果が発表された。以上のように、後述のICOTOM19を開催した2020年度(令和2年度)を除く各年度に4回の研究会を開催し、2件の基調講演を含む62件の多様な材料の結晶方位解析に関わる講演と活発な討論がなされた。 本研究会の活動の一環(共催)として、材料の集合組織国際会議(The 19th International Conference on Textures of Materials; ICOTOM 19)を開催することを学会にお認めいただいた。ICOTOMは集合組織に関する最も権威ある国際会議であり、1968年にドイツのClausthalで第1回の会議が開催されて以来、Krakow (1971)、Pont-a-Mousson (1973)、Cambridge (1975)、Aachen (1978)、Tokyo (1981)、Noordwijkerhout (1984)、Santa Fe (1987)、Avignon (1990)、Clausthal (1993)、Xian (1996)、Montreal (1999)、Seoul (2002)、Leuven (2005)、Pittsburgh (2008)、Mumbai (2011)、Dresden (2014)、St George (2017)、と約3年ごとに、またここ20年ほどはヨーロッパ、北米、アジアの順に開催されてきた。次回はアジアの順となることを踏まえ、大阪府立大学井上博史が2020年の今回会議を日本・堺市へ招致する準備を整え、St Georgeの国際委員会での審議の結果、ICOTOM19を日本・堺市で開催することが決定された。本研究会は、ICOTOMに密接に関連する分野の国内研究会としてICOTOM19開催を支援することとし、同国際会議の実行委員25名の多くは本研究会会員が務めた。学会の共催承認を受け、実行委員会を支援する形でICOTOM19の開催準備を行った。2019年に端を発するとされる新型コロナウイルスCOVID-19の世界的な蔓延の中、現地開催(当初、大阪府立大学中百舌鳥キャンパスで開催予定)の可能性を模索しつつも6ヶ月延期かつオンライン開催への移行を余儀なくされたが、2021年3月1日から4日までICOTOM19を盛会裏に実施することができた。Plenary講演は、Carnegie Mellon University, USAのProf. RollettによるTexture and Anisotropy in Metals Additive Manufacturingと題する講演とGhent University, BelgiumのProf. KestensによるTexture Observation and Control in Metal Manufacturing: Theory and Practiceと題する講演をZoomによるライブ講演として行った。このPlenary Lecture2件、Keynote Lecture15件を含め236件の講演がなされ、参加者総数261名、(国内93名、海外168名;以上、最終確認数)であった。ProceedingsはIOP Conference Series: Materials Science and Engineering, Vol. 1121、2021としてオンライン上オープンアクセスで発行されている。以上の国際会議ICOTOM19開催の概要は、「国際会議だより」として報告した(井上、高山、吉永:軽金属、71(2021)300-302、資料添付)。 |
Materials Transactionsへ投稿予定 |
高山善匡(宇都宮大学)、井上博史(大阪府立大学)、福富洋志(放送大学・元横浜国立大学)、柴柳敏哉(富山大学) |
成果報告書
活動期間:2016年3月~2022年2月(6年間)
超塑性は、材料学と塑性加工学の境界領域に位置し、その研究開発・実用化推進のためには両分野の研究者と企業技術者との連携・協力かが必要である。輸送機器(自動車・鉄道車両・宇宙航空等)分野では、特に高速・高精度の高度超塑性成形が要求されている。従来の準静的な塑性変形という超塑性のイメージを離れて、高温で材料の組織と力学応答が相互作用を起こしながら変化しつつある状態を利用して、高速・高精度な塑性変形を実現することが求められている。本研究会では、材料学と塑性加工学の両分野の研究者と企業技術者との間で、超塑性のダイナミックな様相について、情報交換と討論の場を提供することを目的として活動する。 |
行 事 | 開催日 | 会 場 | 講演件数 | 参加者 |
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第160回超塑性研究会 「酸化物の超塑性」 |
2016年 7月14日 |
東京大学地震研究所 |
依頼講演 2件 ポスター 7件 地震研見学 |
31名 |
第161回超塑性研究会 「高速鉄道車両応用に向けた難燃性マグネシウム の組織制御および接合技術」 |
2017年 2月23日 |
総合車両製作所 |
依頼講演 2件 ポスター 10件 総合鉄道車両見学 |
30名 |
第162回超塑性研究会 「NIMS における構造材料研究」 |
2017年 6月2日 |
物質・材料研究機構 |
依頼講演 2件 ポスター 12件 クリープ関連施設見学 |
33名 |
第163回超塑性研究会 |
2017年 12月25日 |
JFE スチール東日本製鉄所 | 依頼講演 1件 製鉄所見学 | 23名 |
第164回超塑性研究会 「佐久間先生祝賀の会」 |
2018年 3月22日 |
学士会館 | 依頼講演 2件 | 21名 |
第165回超塑性研究会 「富山における研究開発」 |
2018年 11月19日 |
富山県民会館 |
依頼講演 1件 他 3件 学生ポスター 7件 |
24名 |
第165回超塑性研究会 「界面問題を改めて考察する」 |
2019年 3月4日 |
大阪産業技術研究所森之宮センター |
依頼講演 1件 他 3件 学生ポスター 7件 |
24名 |
第167回超塑性研究会 「外場支援による新たな高温プロセスの可能性」 |
2020年 2月3日 |
オンライン | 依頼講演 4件 | 20名 |
第168回超塑性研究会 「最近の金属超塑性成形」 |
2021年 12月8日 |
オンライン | 依頼講演 2件 | 30名 |
佐藤英一(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所) |
2019年度に終了した研究会成果報告
成果報告書
活動期間:2015年3月~2020年2月(5年間)
研究会世話人:佐藤裕之(弘前大学)
高温での合金の変形特性は、変形速度依存性を持ち、複雑な挙動を示す。 この複雑な挙動を整理するために、いわゆる定常状態に注目して特性を整理し理解する試みが続けられ、多くの知見が得られてきた。 一方で従前より、定常状態が現れない場合があることもよく知られており、高温では材料の組織と力学応答が時々刻々変化し、それらがダイナミックに相互作用を起こしていることも明らかである。 高温における変形と破壊の様相を理解し社会に還元するためには、動的に変化する組織と力学的挙動の関係を系統的に明らかにする必要がある。 近年の力学挙動の評価技術や材料学的組織解析技術は飛躍的な発展を遂げており、本研究会では、各研究グループが得意とする実験手法によって得られるさまざまな情報を共有し、高温における力学的挙動と組織変化の相互作用をより深く理解するための情報交換と討論の場を提供することを目的として活動する。 |
研究会の実施状況:毎年1回、計5回開催した。開催の状況および基調講演は下の通りである。活動目的に沿って、研究グループの得意とする研究手法等について情報交換と討論を行うことができたと考えている。 |
(1) | 通常型クリープ曲線を構成する微分方程式の発見 弘前大・佐藤裕之 | |
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(2) | 超微細粒材における変形に伴う組織変化の In-situ XRD 測定 兵庫県立大・足立大樹 |
(1) | マイクロピラー変形―高温構造材料の新しい研究手法として 京大・乾 晴行 | |
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(2) | 高Crフェライト系耐熱鋼の高温強度と組織ダイナミクス 九大・光原昌寿 |
(1) | 高強度シリサイド相および高耐酸化性アルミナイド相の導入を目指した耐火金属基 bcc 固溶体合金の組成設計 北大・三浦誠司;2材料組織の不均一性とクリープ強度 名大・村田純教 |
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(1) | NIMSにおける長時間クリープ試験研究 NIMS・澤田浩太 | |
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(2) | 計算状態図を基に設計した耐熱アルミニウム合金の組織制御 名大・高田尚記 |
(1) | In-situ XRD測定による高温変形中における微細組織変化の解析 兵庫県立大・足立大樹 | |
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(2) | Cu-Be系合金の時効析出と寸法変化 金沢大・門前亮一 |
会誌投稿予定 |
佐藤裕之(弘前大)、中島英治(九大)、佐藤英一(宇宙研)、辻 伸泰(京大)、三浦誠司(北大) |
2018年度に終了した研究会成果報告
成果報告書
活動期間:2014年3月~2019年2月(5年間)
研究会世話人:成島尚之(東北大学)
チタンの生産量は世界的に着実に増加しているものの、展伸材出荷量は年間10~15万トン程度に留まっている。この原因はKroll法に基礎をおく還元およびその後の溶解・塑性加工など各プロセスの難しさに起因したチタンとその合金の高価格にある。近年、新製錬法、精錬機能を備えた溶解法、低廉原料を利用した展伸材の製造、積層造形法を含めた粉末冶金法などにおいて新しいプロセスが提案されている。本研究会では、これらのチタン新規製造プロセスと材料機能の関係を明らかにし、低コスト・高機能なチタンおよびチタン合金の創製を目指す。 |
毎年テーマを決め、その分野の状況を3名の講師にレビューしていただくと共に、最新の研究に関して発表していただく講演会を関西大学にて開催した。各回とも、40名以上の出席があり、活発な議論が行われた。なお、同日午後に同会場にて、日本鉄鋼協会チタンフォーラムを開催した。本フォーラムは主に産側からの講演であり、学側がメインの本研究会との相乗効果が得られた。以下に、各回のテーマと講師および講演タイトルを示す。 |
1.東北大学 仲井正昭「固溶酸素を利用した生体用b型Ti-Cr合金の機能改善」 |
2.物材機構 佐原亮二「b型Ti-X合金の電子状態と相安定性の理論解析」 |
3.関西大学 池田勝彦「Ti-Mn系低コスト合金の開発」 |
1.関西大学 竹中俊英「超高温溶融塩を用いたTiの電解製造」 |
2.京都大学 宇田哲也「溶融合金を介したチタンの連続製錬法の提案」 |
3.東北大学 竹田修「金属熱還元法に基づくチタンの製造プロセス」 |
1.名古屋大学 塚田祐貴「Ti-Nb-O系合金における組織形成と力学応答のシミュレーション」 |
2.大阪府立大学 上杉徳照「Ti合金の相安定性、弾性率、格子変形ひずみにおける合金元素の影響の第一原理計算」 |
3.東北大学 小泉雄一郎「Ti合金の変形と組織形成の計算機シミュレーション」 |
1.香川大学 松本洋明「航空機チタン合金の熱間加工プロセス(高温変形過程)における組織変化とFEM解析」 |
2.物材機構 御手洗容子「near-aTi合金の組織変化と特性」 |
3.東北大学 成島尚之「Tiの高温酸化に及ぼすSiの影響に関する実験的・計算材料学的研究」 |
1.大阪大学 石本卓也「Additivemanufacturingによるチタン基合金の結晶配向制御と機能化」 |
2.東北大学 成島尚之「水素プラズマを利用したチタン融体からの酸素除去の可能性」 |
3.北海道大学 鈴木亮輔「硫化物を用いたチタン精錬」 |
チタンの製錬から加工熱処理による組織制御、計算材料科学を用いた組織予測まで、チタン製造プロセスの全てを網羅することができた。 |
成島尚之(東北大)(代表)、新家光雄(東北大)、池田勝彦(関西大)、塙 隆夫(東京医科歯科大)、中野貴由(大阪大)、古原 忠(東北大)、小林千悟(愛媛大)、稲邑朋也(東工大) |