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年頭のご挨拶

公益社団法人 日本金属学会 会長 榎 学
榎会長

 新年、明けましておめでとうございます。皆様にはご健勝で新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
新型コロナ感染症の大幅な拡大に伴い、あらゆる場面で社会変容が生じた約3年半の時期が過ぎて従来の日常に回帰しつつあるものの、コロナ禍の影響は大きく社会としてのコロナ後遺症に直面しているのではないかと思います。また、複数の場所での世界的な紛争の激化、地球沸騰化による環境変化などにより、我々の生活も色々な面で大きな影響を受けております。一方、工学をめぐる技術トレンドも、カーボンニュートラル、量子コンピューティング、生成AIなど、かつてないほど目まぐるしい展開を見せております。困難な社会課題の解決に対して我々の基盤である材料科学・工学を用いて、公益社団法人である本会としても社会的ミッションを果たすことが一層求められております。
 東京大学での2023年春期講演大会では色々な場面で制約があったものの、富山大学での2023年秋期講演大会からは従来通りの形で開催することができました。講演件数、参加者数ともに増加傾向にあり、充実した議論とともに何よりも重要な会員間の交流ができたことが大きな成果だと思います。これら講演大会の開催にあたり、大変なご尽力をいただきました各大学の実行委員長をはじめとする実行委員の皆様方にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。また、講演大会がより一層魅力的なものとなるように、特に本会の得意とする基礎学理の紹介に力を入れ、これからも人材育成の場としての役割を果たすことができるように、開催地や開催形態も含めて色々な議論を進めていきますので、皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。
 国際連携に関しても、以前よりもより拡大した活動を開始しております。秋期講演大会において国際セッションを既に開始しておりますが、2023年は日本を含めて8カ国から22件の講演をしていただき活発な議論・交流を行いました。また、本会も共催した PRICM11(11/19-23, 韓国 Jeju)が開催され、講演件数は1000件を超え日本からも300名以上の参加者がありました。大変盛況な会になったことを、セッションオーガナイザー等でご協力いただいた皆様に改めて感謝する次第であります。この他にも、KIM(韓国)の年次大会、IIM(インド)の年次大会に本会からの派遣を行い、国際交流特にアジア地域での交流を進めました。これらの交流が一層活発になることが期待されます。
 刊行事業は会員サービスの柱として学会活動の根幹をなすものでありますが、対外的にも本会のプレゼンスを示す非常に重要な事業であります。特に歴史のある欧文誌である Materials Transactionsの世界に向けた発信力を維持することが重要であり、世界的には学術誌のインパクトファクターが極端なインフレ傾向にあることは否めず、あまり数値に捕らわれることなく良質な論文を提供する取り組みが重要かと考えます。会員の皆様におかれましては、是非長期的にインパクトのある論文を欧文誌に投稿していただきますように、重ねてお願いする次第であります。
 持続可能な開発目標(SDGs)に対する取り組みとして本会においても様々場面で推進に向けた活動を行っているところでありますが、一方学会単体での活動には限界があることも確かであり、日本学術会議等の場で他の材料系学会とも積極的な連携も進めて行きたいと考えております。少子化対策・女性活躍推進は日本全体に突き付けられた喫緊の課題でありますので、本会でも会員の皆様のお知恵やご協力のもとに、課題解決に向けて前進できるように、企画を進めて行きたいと思っております。 特に、次世代の人材確保と教育に向けた取り組みに注力する所存です。
 本年も公益社団法人として、引き続き公益目的事業を公正かつ適切に推進して参りますので、会員の皆様に於かれましては厚いご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、本会会員の皆様の益々のご健勝とご発展を祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせて頂きます。

2024年1月1日
入会・会員

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