イベントのご案内
2010年秋期大会公募シンポジウムテーマ要旨
◎ | 秋期大会(北海道大学)におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は、下記 7 テーマで実施することになりました。 講演申込要領は前記のとおりです。多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします。 |
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2008年からの大強度陽子加速器施設(J-PARC)の稼働、2010年完成予定のX線自由電子レーザー(XFEL)など新たな量子ビームによる材料科学の進展が期待されている。こうした背景のもとX線、レーザーなどの光子ビーム、中性子、イオン、電子線、ポジトロン、ミューオンさらにはプラズマまでを含む各種の量子ビームを利用した材料研究の動向と未来志向型の研究展開を議論する場を設けることを目的としてシンポジウムを行う。超空間分解能電子顕微鏡や極短パルス化レーザーによる高時間分解能、中性子の時空間相関計測の高度化など、各量子ビームの特徴を利用した物質ダイナミクスの時空間解析と量子ビームによる非平衡材料創製、マルチ量子ビームの重畳効果や格子欠陥のナノダイナミックスとその制御を含む融合サイエンスとしての新たな研究創成につながることを期待する。
関連分科: 第 1、3、5分科 |
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
北海道大学エネルギー変換マテリアル研究センター 渡辺精一 |
E-mail: sw004@eng.hokudai.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
京大 義家敏正 九大 松村 晶 北大 朝倉清高 |
JAEA 勅使河原 誠 東北大 佐藤裕樹 |
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2011年9月に我国で3回目となるマルテンサイト変態国際会議(ICOMAT-2011)がJIMIC8として大阪府豊中市で開催される。本会議は鉄鋼、Ti合金、Cu合金などの金属材料からセラミックス、複合材料、鉱物に至る全ての物質・材料における変位型相変態(マルテンサイト変態)とその関連現象およびそれらに由来する強靭化、形状記憶効果、超弾性、マルチフェロイック効果等の基礎と応用について、科学と工学の両面からの最近の研究の発展と問題点を討議し情報交換を行うものである。我国は西山の関係(N関係)をはじめとして1900年代初頭より常に本研究分野を先導する研究拠点となっている。
本シンポジウムは、ホスト学会としてICOMAT-2011を充実したものとするための準備活動であり、最近の研究の成果について議論し、本分野の将来像を長期的視点に立って考える場とする。そのため、今回の公募シンポジウム提案に加えて2011年春期大会においても同様の趣旨で「変位型相変態の先端材料科学II」を開催する予定である。
関連分科: 第 1、5分科 |
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
九州大学大学院総合理工学研究院 西田 稔 |
E-mail: nishida@asem.kyushu-u.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
阪大 掛下知行 筑波大 宮崎修一 NIMS 津﨑兼彰 |
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次世代以降のLSI性能はCu配線の導電性に支配される。現在、配線幅30nm以下の超極細Cu配線の実現を目指して、めっき材料およびめっき液の高純度化・バリア材開発・新熱処理法の開拓などの研究が精力的に進められている。本シンポジウムは次世代LSI用Cu配線の低抵抗率化・高信頼化技術に関して、現状を俯瞰するとともに、最新の研究成果を結集して標記技術のブレークスルーのための機会を提供する。
関連分科: 第3分科 |
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
茨城大学 篠嶋 妥 |
E-mail: sasajima@mx.ibaraki.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
茨城大 大貫 仁 東北大 一色 実 京大 伊藤和博 |
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新機能デバイス要素を目指したナノ材料研究が隆盛を極める中、物理・化学的励起反応場を用いると自己組織化機構から逸脱すると思われる機構により形成された低次元ナノ材料が報告され始めた。その反応場では様々な励起源によって原子・分子規模の非平衡反応を促進させ、主としてボトムアップ的成長と操作が可能となる。本シンポジウムでは励起反応場を用いて創成される各種低次元材料を概括してその形成機構と制御の可能性に関する考察を行い、これらの特異的な物理・化学的諸特性と応用の可能性を学際的に議論する。対象とする励起反応場は、物理的には電子線・イオン・レーザー・超音波などのビーム照射、化学的には超臨界などの高温・高圧条件やサイズ・次元が規制された空間での化学反応とし、形状にナノメートル規模の粒子・ドット・チューブ・ロッド・ファイバー・板状箔などの低次元構造を持つ金属・半導体・無機化合物・有機化合物・それらの複合体を網羅する。
関連分科: 第5分科 |
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
東北大学多元物質科学研究所 田中俊一郎 E-mail: sitanaka@tagen.tohoku.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
東北大 佐藤俊一 神戸大 保田英洋 東北大 関野 徹 |
東北大 柴田浩幸 |
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自動車や航空機への実用化が着実に進められているTiAl基合金を代表とする金属間化合物材料に関して大学、研究所、企業の研究者の活発な討論を図るために企画した2002年秋期大会以来9年連続の企画である。構造材料としての金属間化合物および機能性金属間化合物の基礎、応用研究の発表、討論の場を提供する。特に本年は、2年ごとに米国ボストンで開催される金属間化合物に関するMRSシンポジウムの開催年であり、2010年12月開催予定のMRSシンポジウム「Intermetallic-Based Alloys for Structural and Functional Applications」を見据え、我が国の研究のアクティビティを一層高めるとともに、従来の構造用金属間化合物のみならず、金属間化合物がその特性を存分に発揮できる新しい研究領域を開拓することを狙って企画した。これまでに蓄積した学理を整理しつつ、いかに特性の飛躍的な向上、実用化に結びつけるかシンポジウム内ミニシンポジウム「GCP化合物を含む複相金属間化合物材料の最先端」や基調講演をもとに議論を深める予定である。
関連分科: 第5分科、第1分科 |
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
京都大学大学院工学研究科 乾 晴行 |
E-mail: haruyuki-inui@mtl.kyoto-u.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
東工大 竹山雅夫 北大 三浦誠司 東北大 吉見享祐 |
阪大 安田弘行 東工大 木村好里 |
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輸送機器の省エネ・高性能化に向けた構造材料の切札としてマグネシウム合金が注目されている。マグネシウム合金の耐熱性を向上させる元素として希土類金属の添加が試みられてきた。最近では、従来の金属間化合物晶出型合金や中間相析出型合金の他にも、長周期積層構造型合金や準結晶分散型合金などの新しいタイプの希土類金属添加マグネシウム合金が開発されており、資源問題がクローズアップされているにも関わらず、希土類金属添加マグネシウム合金の研究が世界的に活況を呈し始めている。
本シンポジウムでは、希土類金属資源の世界動向や産業界における希土類添加マグネシウム合金の開発動向を把握するとともに、希土類金属を添加したマグネシウム合金の材料科学的な特徴と研究開発状況を把握することによって、今後のマグネシウム合金の研究における指標を得たい。
関連分科: 第5分科 |
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
熊本大学大学院自然科学研究科 河村能人 |
E-mail: rivervil@gpo.kumamoto-u.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
九大 東田賢二 九工大 大谷博司 阪大 中谷彰宏 |
長岡技科大 鎌土重晴 熊本大 高島和希 |
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原子力システム開発研究においては、次世代型軽水炉、高速増殖炉・核燃料サイクル、核融合炉に至るまでの様々なシステムの材料について、高速中性子による照射影響を高照射量まで調査することが要求されており、高速炉などを効果的に利用する照射実験の必要性が認識されている。
他方、欧米では稼動中の高速炉がなく、照射炉としての日本の「常陽」の役割は、益々重要になっている。少ない照射場を効果的に利用するためには、各種材料の研究開発の動向を見据えて照射計画を検討していくことが望ましい。また、材料の照射効果は、照射中の温度や、中性子線のエネルギースペクトルに強く依存するため、照射施設の能力は、単に中性子束密度のみならず、設定可能な照射条件範囲の広さ、解析や計測・制御技術に基づく照射精度、設備の利便性や柔軟性等、様々な観点があり、利用者の要望・意見を反映していくことが重要である。
本シンポジウムでは、原子力材料開発における高速中性子を利用した照射実験の役割を再認識すると共に、今後の関連する研究の展開について議論する。
関連分科: 第1分科 |
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
日本原子力研究開発機構 前田幸基 |
E-mail: kodaka.hideo@jaea.go.jp(連絡者:日本原子力研究開発機構 小髙英男) |
(シンポジウム co-chairs): |
京大 木村晃彦 |