イベントのご案内
2012年秋期大会公募シンポジウムテーマ要旨
秋期大会(愛媛大学)におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は、下記 5 テーマで実施することになりました。
講演申込要領は前記のとおりです。多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします。
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母相の平均粒径が1μmよりも小さい超微細粒組織やナノ結晶組織が、バルク体金属においても実現できるようになっている。いま、マトリクスを構成する結晶粒や相が1μm以下のサイズを有する均一なバルク状金属系材料を、「バルクナノメタル(Bulk Nanostructured Metals)」と定義する。バルクナノメタルの特異な機械的性質やその他の特性について、世界的に極めて活発な研究が行われており、我が国においても科学研究費・新学術領域プロジェクト「バルクナノメタル ―常識を覆す新しい構造材料の科学」が採択され、活発な研究活動が行われている。こうした分野の盛り上がりを背景に、バルクナノメタルが示す特異な組織・構造と特性に関する最新の研究成果を集め、討論することを目的として本公募シンポジウムを企画する。バルクナノメタルの組織と力学特性のみならず、種々の興味深い機能特性に関する研究発表も歓迎する。上記プロジェクト内外から、実験研究および理論・計算シミュレーション研究に関する最新の講演が集まることを期待している。すでに第1回の公募シンポジウムを、2011年秋の沖縄大会において実施し、上記プロジェクト内外から全54件の講演を集め、大変活発な討論が行われた。
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
京都大学大学院工学研究科 辻 伸泰 |
E-mail: nobuhiro-tsuji@mtl.kyoto-u.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
阪大 尾方 成信 九大 堀田 善治 東大 柳本 潤 東工大 加藤 雅治 金沢大 下川 智嗣 |
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Co-Cr合金はステンレス鋼やチタン・チタン合金とともに主要な金属系生体材料であり、力学特性と耐食性とのバランスや耐摩耗性に優れていることから人工関節摺動部やステント用材料として期待され、実用化されている。生体用Co-Cr合金の開発は1930年代のVitallium(Co-Cr-Mo合金)まで遡ることができ、また1970年代から1980年代初めに組織制御に関する基礎研究が欧米で活発に行われたこともあり、Co-Cr合金はmatured materialと考えられてきた。しかしながら、2000年代に入り、Niフリー Co-Cr合金であるCo-Cr-Mo系を中心に相変態や晶析出などの分野において従来の理解では十分でないことが明らかになってきている。本シンポジウムではインプラントとしての応用を念頭にCo-Cr合金開発の現状に対する共通認識を得るとともに、Co-Cr合金の高機能化・合理化製造プロセス開発への方策についての議論を深める場としたい。
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
東北大学大学院工学研究科 成島 尚之 |
E-mail: narut@material.tohoku.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
阪大 中野 貴由 愛媛大 小林 千悟 東京医歯大 塙 隆夫 |
東北大 新家 光雄 |
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新機能デバイス要素を目指したナノ材料研究が隆盛を極める中、物理・化学的励起反応場を用いると自己組織化機構から逸脱すると思われる機構により形成された低次元ナノ材料が報告され始めた。その反応場では様々な励起源によって原子・分子規模の非平衡反応を促進させ、主としてボトムアップ的成長と操作が可能となる。本シンポジウムでは励起反応場を用いて創成される各種低次元材料を概括してその形成機構と制御の可能性に関する考察を行い、これらの特異的な物理・化学的諸特性と応用の可能性を学際的に議論する。対象とする励起反応場は、物理的には電子線・イオン・レーザー・超音波などのビーム照射、化学的には超臨界などの高温・高圧条件やサイズ・次元が規制された空間での化学反応とし、形状にナノメートル規模の粒子・ドット・チューブ・ロッド・ファイバー・板状箔などの低次元構造を持つ金属・半導体・無機化合物・有機化合物・それらの複合体を網羅する。
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
東北大学多元物質科学研究所 田中 俊一郎 |
E-mail: sitanaka@tagen.tohoku.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
東北大 佐藤 俊一 阪大 保田 英洋 東北大 柴田 浩幸 |
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本シンポジウムは、2002年秋期大会以来11年連続の企画であり、その講演件数ならびに参加者数は、金属学会において最大規模である。TiAl、遷移金属シリサイドといった高温構造材料としての金属間化合物ならびに形状記憶合金、熱電変換材料といった機能性金属間化合物は、用途は異なるものの、その力学特性ならびに機能特性は、化合物特有の規則原子配列、相安定性、格子欠陥といった共通の因子に支配されている。また、こうした特性と組織の相関は、原子直視電子顕微鏡法や計算材料科学の発展によって近年急速に理解が深まり、その結果、金属間化合物の研究に新たな展開が生まれている。そこで、本シンポジウムは、構造用化合物ならびに機能性化合物およびそのキャラクタリゼーション、計算機シミュレーションに関して広く講演を募り、大学、企業、研究所の研究者の活発な議論の場を提供するとともに、これら研究者の有機的連携を促進することを目的とする。
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
京都大学大学院工学研究科 乾 晴行 |
E-mail: haruyuki-inui@mtl.kyoto-u.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
東工大 竹山 雅夫 北大 三浦 誠司 東北大 吉見 享祐 |
阪大 安田 弘行 東工大 木村 好里 |
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電子デバイスの飛躍的な性能向上のためには、粒界構造をナノスケールで分析評価し、シミュレーションで性能予測したうえで精密制御することが不可欠である。本シンポジウムにおいては、ナノ粒界の評価・制御・シミュレーション技術に関する講演を広い分野から募り、最新の研究成果を結集して標記技術のさらなる発展のための機会を提供する。
テーマ責任者 |
(シンポジウム chair): |
茨城大学工学部 篠嶋 妥 |
E-mail: sasajima@mx.ibaraki.ac.jp |
(シンポジウム co-chairs): |
京大 前田 佳均 茨城大 大貫 仁 京大 伊藤 和博 |