日本金属学会

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2012年春期講演大会公募シンポジウムテーマ要旨

 春期講演大会(横浜国立大学常盤台キャンパス)におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は、下記テーマで実施することになりました。講演申込要領は前記のとおりです。多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします。

S1   めっき膜の構造及び物性制御とその応用 (II)
Nano Plating(II)

 めっき技術は表面処理技術から始まり、現在ではエレクトロニクス機器には不可欠な技術となり、むしろそのキーテクノロジーとなっている。そのため、その精細化、高機能化を求め、さらに進化し続け、ナノテクノロジーといわれるにふさわしい技術となっている。めっき膜のさらなる精細化、高機能化のためには、めっき膜の詳細な結晶学的構造の制御が必要となり、その理論の確立が求められている。本シンポジウムでは膜構造の制御と膜物性の制御、さらにその応用について基調講演を行うと同時に広く一般講演を募集し、活発な討論を行い、さらなる技術向上を目指すものである。

 テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   芝浦工業大学 渡辺 徹
   E-mail: watanabetohru@w.email.ne.jp
(シンポジウム co-chairs):
   岡山工技セ 日野 実
   兵庫県立大 松田 均

S2   低炭素化社会の構築に向けた耐熱材料の新展開
Novel Prospect and Technology on Heat Resistant Materials for Realization of Sustainable Low Carbon Society

 低炭素化社会の構築に向けてCO2ガス排出量を大幅に削減するグリーンテクノロジーへの取組みが盛んに行われている。しかし、資源の乏しい我国が国際競争力を維持しつつ、かつ、低炭素化社会を実現するためには、エネルギーの安定供給による経済発展は必要不可欠である。しかし、東日本大震災による原発事故を経験したいま、原子力依存度を高めるエネルギー政策の見直しは避けられない。一方で、自然再生エネルギーが我国のエネルギー供給源の主流になるかのような論調も多々見受けられる。しかし、低炭素かつ持続可能な社会を構築するには、まずは自然条件に左右されないエネルギーの安定供給が大前提であろう。そのためには発電効率の向上をもたらす蒸気タービンやガスタービン用耐熱材料の高温・高強度化技術は喫緊の課題である。本シンポジウムでは、発電用タービンに加えてジェットエンジン等各種燃焼器をも含め、低炭素化社会の構築に貢献する耐熱材料の高性能化をもたらす画期的な組織制御技術について、基礎と応用の両面から議論を展開する。

 テーマ責任者
 (シンポジウム chair):
   東京工業大学大学院理工学研究科 竹山 雅夫
   E-mail: takeyama@mtl.titech.ac.jp
(シンポジウム co-chairs):
   京大 乾 晴行 北大 三浦 誠司 名大 村田 純教
   東北大 大森 俊洋

S3   励起反応場で創成した低次元ナノ材料とその機能(VII)
Low-dimensional nanomaterials and their functions grown in the physically/chemically excited reaction fields (ser. 7)

 新機能デバイス要素を目指したナノ材料研究が隆盛を極める中、物理・化学的励起反応場を用いると自己組織化機構から逸脱すると思われる機構により形成された低次元ナノ材料が報告され始めた。その反応場では様々な励起源によって原子・分子規模の非平衡反応を促進させ、主としてボトムアップ的成長と操作が可能となる。本シンポジウムでは励起反応場を用いて創成される各種低次元材料を概括してその形成機構と制御の可能性に関する考察を行い、これらの特異的な物理・化学的諸特性と応用の可能性を学際的に議論する。対象とする励起反応場は、物理的には電子線・イオン・レーザー・超音波などのビーム照射、化学的には超臨界などの高温・高圧条件やサイズ・次元が規制された空間での化学反応とし、形状にナノメートル規模の粒子・ドット・チューブ・ロッド・ファイバー・板状箔などの低次元構造を持つ金属・半導体・無機化合物・有機化合物・それらの複合体を網羅する。

 テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   東北大学多元物質科学研究所 田中 俊一郎
   E-mail: sitanaka@tagen.tohoku.ac.jp
 (シンポジウム co-chairs):
   東北大 佐藤 俊一 阪大 保田 英洋 東北大 柴田 浩幸

S4   希土類磁石における元素戦略・希少金属代替技術
Development of technology for reducing rare metal usage in a rare-earth magnet

 Nd-Fe-B系磁石は、高性能モータ、HEVの駆動用モータ、風力発電機に用いられるなど、省エネルギー、代替エネルギー開発には欠かすことのできない材料となっている。換言すれば、本系磁石は低炭素社会を切り拓くグリーンマテリアルと位置付けられる。しかし、これらの用途では、高い最大エネルギー積だけでなく耐熱性が要求されるため、室温での高保磁力化が必要とされている。現状ではレアメタルであるDyなどを添加して保磁力増加が図られているが、Dyの自然存在量は少なく、資源確保も深刻な問題となっている。このような背景から、本シンポジウムでは、希土類磁石から希少金属を削減する技術、既存の希土類磁石を代替する技術とその基礎科学に関する最新の成果を公開し、それを広く討論することによって、今後ますます需要の高まっていく希土類磁石材料における元素戦略・希少金属代替技術について議論する。

 テーマ責任者
  (シンポジウム chair):
   東北大学大学院工学研究科 杉本 諭
   E-mail: sugimots@material.tohoku.ac.jp
 (シンポジウム co-chairs):
   NIMS 宝野 和博 日立金属 広沢 哲

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