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イベントのご案内
2016年秋期講演大会公募シンポジウムテーマ要旨
秋期講演大会(大阪大学豊中キャンパス)におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は、下記6テーマで実施することになりました。講演申込要領は前記のとおりです。多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします。
S1 金属間化合物材料の新たな可能性
S1 New Perspectives in Structural and Functional Intermetallics Alloys4―perspectives of innovative materials design―
本シンポジウムは、2002年秋期大会以来15年連続の企画である。TiAl、遷移金属シリサイドといった高温構造材料としての金属間化合物ならびに形状記憶合金といった機能性金属間化合物は、用途は異なるものの、その力学特性ならびに機能特性は、化合物特有の規則原子配列、相安定性、格子欠陥といった共通の因子に支配されている。このような特性と組織の相関は、原子直視電子顕微鏡法、計算材料科学のみならず3D積層造形法など新たなプロセス技術の発展によって近年急速に理解が深まり、金属間化合物の研究に新たな展開が生まれている。内閣府SIPプロジェクトやJST-ALCA プロジェクトでも、金属間化合物材料が主たる研究対象となっている 場合が多い。本シンポジウムは、金属間化合物のキャラクタリゼーション、計算機シミュレーションに関して広く講演を募り、大学、企業、研究所の研究者の活発な議論の場を提供するとともに、これら研究者の有機的連携を促進することを目的としている。2016年11月開催予定のMRSシンポジウム「Advanced Structural and Functional Intermetallic-Based Alloys」を見据え、我が国の研究のアクティビティを一層高めるとともに、従来の構造用金属間化合物のみならず、金属間化合物がその特性を存分な発揮できる新しい研究領域を開拓することを狙って企画した。
- ◆ テーマ責任者
- (シンポジウム chair):
- 京都大学大学院工学研究科 乾 晴行
- E-mail: inui.haruyuki.3z[at]kyoto-u.ac.jp
- (シンポジウム co-chairs):
- 東工大 竹山 雅夫 北大 三浦 誠司 東北大 吉見 享祐 阪大 安田 弘行 東工大 木村 好里
S2 シンクロ型LPSO 構造に関する材料科学の新 展開
S2 Materials Science on Synchronized LPSO Structure
文部科学省・新学術領域研究「シンクロ型LPSO 構造の材料科学」(2011~2015年度)が開始され、シンクロ型LPSO構造の①原子配列構造、②形成機構、③力学特性と新強化原理の解明に向けた基礎研究が進められてきた。これまで、①「シンクロ型LPSO構造の科学と工学」(2013年春期)、②「塑性異方性の強い結晶性材料のキンク変形ダイナミクスと強化機構」(2014年春期)、③「シンクロ型LPSO構造の形成メカニズム」(2014年秋期)、④「シンクロ型LPSO構造の構造科学」(2015年春期)、⑤「キンク変形ダイナミクス」(2015年秋期)を実施することにより、シンクロ型LPSO構造の原子配列構造、形成機構、キンク変形とキンク強化機構について議論を深めてきた。本シンポジウムでは、過去5年間の成果を集大成して議論を深めることによって、シンクロ型LPSO構造に関する材料研究を総括するとともに、新しい学術領域への展開を模索したい。
- ◆ テーマ責任者
- (シンポジウム chair):
- 熊本大学先進マグネシウム国際研究センター 河村 能人
- E-mail: rivervil[at]gpo.kumamoto-u.ac.jp
- (シンポジウム co-chairs):
- 阪大 中谷 彰宏 東北大 大谷 博司 九大 中島 英治 京大 奥田 浩司 阪大 萩原 幸司 阪大 君塚 肇
S3 電子・磁性・情報材料のプロセス・アシストによる高性能化 による高性能化
S3 Practical tuning of electronic, magnetic and IT materials assisted by processing
電子、磁性、情報材料などの機能性材料は、基礎学理と実用性状の間にギャップがあると、どれほど高機能な材料でも世に出ない。このギャップの橋渡しには、材料機能の実用性状化をアシストするプロセス技術が重要であるが、構造材料の様に、特性とプロセスの関連が従来から密接に進んでいる分野にくらべ、その俯瞰的な視座が乏しい。本シンポジウムでは、実用性・工業性に裏打ちされた機能とプロセスの融合に焦点をあて、理学にかたよらず、されど、機能を犠牲にしない、ものづくりのための材料科学について議論する。このために、例えば液晶パネル配線の世界的デファクトスタンダードになっている線材技術や、リニア新幹線の磁気浮上を支える超伝導材料利用の実現技術など、複数分野において実用化、あるいは実用間近に産学連携が進行しているケースを中心に基調講演を計画し、本会における本分野の活発化を諮る。
- ◆ テーマ責任者
- (シンポジウム chair):
- 産業技術総合研究所 藤田 麻哉
- E-mail: asaya-fujita[at]aist.go.jp
- (シンポジウム co-chairs):
- 名工大 西野 洋一 NIMS 土谷 浩一 東北大 須藤 佑司
S4 ナノ・マイクロ造形構造体の材料学
S4 Science in Nano/Micro-scale 3D Structures
複雑形状構造体への革新的ものづくり法として電子ビーム、レーザー、イオンを用いた積層型造形が発表されて久しい。大きさはcmからmmにわたるが、デバイスの極小化に伴いμmからnmスケールにも展開が求められておりボトムアップ的な「励起反応場」およびトップダウン的手法が候補概念として提案できる。しかし材料学的には原子・分子規模の非平衡反応、成長・造形機構解明や組織制御、残留応力緩和、諸特性相関の把握など課題が多く、関連分野の研究者および企業での開発者が一同に会して問題点を抽出・議論することが必要な時期にきている。本シンポジウムでは励起反応場およびその他特異な手法を用いて創成するmmからnm規模の造形構造体に関わる最近の成果と問題点を材料学的な観点から論じる。
- ◆ テーマ責任者
- (シンポジウム chair):
- 東北大学科学技術共同研究センター 田中 俊一郎
- E-mail: sitanaka[at]tagen.tohoku.ac.jp
- (シンポジウム co-chairs):
- 東北大 中村 貴宏 加藤 秀実 筑波大 谷本 久典 東北大 小泉 雄一郎
S5 金属分野の若手人材育成と裾野拡大
S5 Upbringing and expanding methods for students in material field
金属材料関連の分野は科学・技術戦略のロードマップにも「元素戦略」や「希少金属の機能解明」等が記され、重要な分野であると認識されている。その一方で、この分野に進む人材を育成するべき大学の材料系学部・学科への進学を希望する人が多いとは言えない。金属材料分野の魅力を高校生や大学生に知ってもらうにはどのようなカリキュラム・教材を開発するべきか。また、今は材料分野についての教育が皆無に近い小・中・高校での教科書や教材に、材料に関するどのような記述を加えてもらうよう働きかけるべきか。将来の人材を確保するために、これまで行われてこなかったが必要と思われるアクションは何か。10年、20年先を見越した議論を行う。
- ◆ テーマ責任者
- (シンポジウム chair):
- 奈良女子大学 松岡 由貴
- E-mail: matsuoka[at]cc.nara-wu.ac.jp
- (シンポジウム co-chairs):
- 島根大 森戸 茂一 NIMS 御手洗 容子 横国大 梅澤 修
S6 ナノ構造情報のフロンティア開拓―材料科学の新展開
S6 Exploration of nanostructure―property relationships for materials innovation
結晶の表面、界面、点欠陥等に局在した特徴的な原子配列や電子状態=ナノ構造が、材料特性に決定的な役割を担う例は極めて多い。近年ナノ構造における個々の原子を直接観察し、その定量的情報を直接的に得るための実験および理論計算に格段の進歩があった。本シンポジウムでは、ナノ材料科学のフロンティア開拓にさらなる弾みを付けるとともに、獲得されるナノ構造情報を具体的な材料設計・創出に活かすことを目指して、材料科学、応用物理、固体化学、触媒化学、情報科学など様々な分野からナノ構造の評価・設計、材料・機能創製に関する発表を募り、横断的な議論を行う。
- ◆ テーマ責任者
- (シンポジウム chair):
- 京都大学工学研究科 田中 功
- E-mail: tanaka[at]cms.MTL.kyoto-u.ac.jp
- (シンポジウム co-chairs):
- NIMS 吉田 英弘 東工大 大場 史康 名大 豊浦 和明