日本金属学会

イベントのご案内

イベント一覧に戻る

2016年春期講演大会公募シンポジウムテーマ要旨

 春期講演大会(東京理科大学葛飾キャンパス)におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は、下記4テーマで実施することになりました。 講演申込要領は前記のとおりです。多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします。

S1 永久磁石開発の元素戦略4 ―材料設計の新展開―

S1 Element strategy for high performance permanent magnets 4―perspectives of innovative materials design―

希少金属を用いない高性能永久磁石開発への期待に応えるために、Nd等の軽希土類元素とFeの化合物を用いた磁石の高性能化ならびに新規磁石化合物探索に関する実験及び理論研究を対象とする。具体的には、Dy削減Nd-Fe-B系磁石の高保磁力化に関する研究、磁石の保磁力を高めるために必要な保磁力理論とそれを実証するための実験研究、複雑な微細構造を持つ永久磁石の磁化反転のマイクロマグネティクシミュレーション、さらに高性能磁石開発のためのプロセス研究、ならびに、その基盤となる熱力学的平衡および組織形成に関する実験とシミュレーション、新規磁石化合物探索のための理論研究等の発表と活発な討論を期待する。またモーター・発電機応用に必要とされる磁石特性のユーザー側からの材料研究者への提言も歓迎する。

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

物質・材料研究機構元素戦略磁性材料研究拠点 広沢 哲

E-mail: HIROSAWA.Satoshi[at]nims.go.jp

(シンポジウム co-chairs):

日立金属 西内武司 東芝 堀内陽介 NIMS 宝野和博 東北大 杉本 諭 産総研 尾崎公洋

S2 プラストンの材料科学 IV

S2 Materials Science on Plaston IV

「転位論」は材料科学・工学における重要な学問基盤であり、金属系結晶材料の変形は転位(dislocation)の運動により議論される。一方近年、転位の概念だけでは必ずしも理解しきれない変形現象が顕在化しつつある。例えば、ナノ結晶材料においては複数の結晶粒の協調的なせん断や回転が生じている可能性がある。また、原子のシャフリングを必要とする六方晶、あるいは複雑な規則相における双晶変形の原子的メカニズムや、せん断帯、粒界すべり、アモルファス・金属ガラスの変形、マルテンサイト変態もこの範疇に入る。我々は、転位や回位(disclination)を内包し結晶性材料の変形現象を包括的に理解する上位概念として、変形子(プラストン:plaston)を提案し、それに基づいて材料の変形と破壊を基礎的に理解しようとしている。本公募シンポジウムは、過去3回の公募シンポジウムに引き続き、プラストンに関する理解の進展を議論することを目的としている。

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

京都大学大学院工学研究科教授 辻 伸泰

E-mail: nobuhiro-tsuji[at]mtl.kyoto-u.ac.jp

(シンポジウム co-chairs):

京大 田中 功 京大 乾 晴行 九大 津﨑兼彰 東大 幾原雄一 阪大 尾方成信 京大 落合庄治郎

S3 金属バイオマテリアルにおける生体安全性の最新知見

S3 Realization of biosafety for metallic bio-materials

高齢化に伴い、損傷した生体機能や形態を修復する生体材料の国内使用量は益々増加している。一方で、金属を主な材料とする医療用デバイスの国内市場(1500億円超)の80%以上は輸入品によるものであり、国内での金属系医療用デバイス開発は極めて重要な課題である。現在、生体用新合金の開発や、金属材料の生体適合性の向上や生体機能の付与を目指した表面改質や加工プロセスの開発が行われている。
生体材料において、生体安全性は欠くことのできない性質である。材料に生体機能を付与する場合も、安全性が機能性に優先することを忘れてはならない。金属材料の安全性に関する課題は解消されてはおらず、金属アレルギー、毒性、感染、腐食・摩耗・疲労による緩みや破損などの課題が残されている。本シンポジウムは、材料の「安全性」の最新の知見を再度認識し、理解を深めることで、「安全性」を担保した材料の開発に資することを目標とする。このため、材料の安全性に関する不具合・対策例、安全性向上技術、安全性評価法などの情報を共有し、議論する場としたい。

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

物質・材料研究機構MANA 研究者 廣本祥子

E-mail: HIROMOTO.Sachiko[at]nims.go.jp

(シンポジウム co-chairs):

東京医歯 大堤祐介 阪大 中野貴由 東北大 成島尚之

S4 めっき膜の構造及び物性制御とその応用 (VI)

S4 Nano Plating

当シンポジウムの開催目的は、めっきや金属腐食など、電気化学反応の理論解明と、形成されるめっき膜の構造制御およびその高機能化などの技術向上を目的としている。これまでの電気化学反応の考察のほとんどは発熱反応についてはほとんど考慮されていなかった。しかし、これまでのシンポジウムなどでそれらのほとんどが発熱していることが明らかになってきた。その理由は、これまでの電気化学反応は熱力学的に理論づけるために平衡論として扱い、発熱は無いことを前提で構築されてきたためである。しかし、実際のそれらの技術では浴温が上がるなど、大きな発熱を伴っていたのである。そのために理論と技術にはギャップがあったのである。そこで今後は、めっきや金属腐食などの電気化学反応には発熱があるとして理論づけ直す必要があると考える。今回申請するシンポジウムではそのようなことをバックグランドとして、多くの皆さんとディスカッションしたいと考えている。

テーマ責任者

(シンポジウム chair):

ナノプレーティング研究所代表 渡辺 徹

E-mail: watanabe-tohru@w.email.ne.jp

(シンポジウム co-chairs):

兵庫県立大名誉教授 松田 均 広島工大 日野 実
東日本エレクトロエレクトロプレイティング・エンジニヤーズ 藤波知之
吉野電化工業 吉野正洋

前ページに戻る  講演大会に戻る

入会・会員

ページトップへ