- HOME
- イベント
- 講演大会
- 日本金属学会 2019年春期(第164回)大会
- 公募シンポジウムテーマ要旨
イベントのご案内
2019年春期講演大会公募シンポジウムテーマ要旨
春期講演大会(東京電機大学)におけるテーマ公募によるシンポジウム講演は、下記 7 テーマで実施することになりました。 講演申込要領は前記のとおりです。多数の有益な講演と活発な討論を期待いたします。
S1 ミルフィーユ構造の材料科学II
Materials Science of Mille-feuille Structure II
硬質層・軟質層が積層する「ミルフィーユ構造」の設計により、材料中に効果的にキンク形成を誘起し、新しいタイプの材料強化―キンク強化―を実現することができる。キンク強化はLPSO構造型Mg合金において見いだされたが、ミルフィーユ構造へと拡張することでMg合金のさらなる高性能化が図れるとともに、Al系やTi系合金への適用も視野に入ってくる。さらには、基本的な弾性・塑性挙動が異なる高分子系やセラミックス系材料の高性能化にも新展開が期待できる。
本シンポジウムでは、金属・高分子・セラミックス材料におけるミルフィーユ構造に関する講演を募集し、ミルフィーユ構造の創製とキンク制御に基づく高強度・高延性材料の可能性について議論を深める。これを通して、新しい学問領域「ミルフィーユ構造の材料科学」の発展を促す。
テーマ責任者
(シンポジウム chair):
東京大学教授 阿部 英司
E-mail: abe[at]material.t.u-tokyo.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください
(シンポジウム co-chairs):
熊本大 河村 能人 北大 三浦 誠司 京大 奥田 浩司
高輝度光科学センター 木村 滋 山形大 伊藤 浩志
九大 中島 英治
S2 ワイドギャップ結晶の材料学と高温プロセッシング
Materials Science and high temperature processing of widegap materials
ワイドギャップ結晶は、その大きなバンドギャップに由来する材料学的特徴を活かし、省エネ・環境負荷低減に寄与するパワーデバイスや短波長光デバイスへの研究開発が進められ、特にSiCデバイスは本格的な量産が間近となってきている。今後の各デバイスの加速的な応用展開には、高品質結晶の育成技術の確立とデバイス化技術のさらなる効率化を行う必要がある。そこで本シンポジウムでは、SiCや窒化物材料、酸化物材料等ワイドギャップ結晶のデバイスに真に求められる材料特性と現状の課題を把握するとともに、高温の結晶育成技術と高温融体を利用したプロセスについて議論を行い、金属材料学や冶金学の観点からのワイドギャップ・デバイスへのアプローチを検討することを目的とする。
テーマ責任者
(シンポジウム chair):
東京大学生産技術研究所准教授 吉川 健
E-mail: t-yoshi[at]iis.u-tokyo.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください
(シンポジウム co-chairs):
東北大 福山 博之 名大 宇治原 徹 信越化学 美濃輪 武久
S3 プラストンの材料科学VI
Materials Science on Plaston VI
「転位論」は材料科学・工学における重要な学問基盤であり、金属系結晶材料の変形は転位(dislocation)の運動により議論される。一方近年、転位の概念だけでは必ずしも理解しきれない変形現象が顕在化しつつある。例えば、ナノ結晶材料においては複数の結晶粒の協調的なせん断や回転が生じている可能性がある。また、原子のシャフリングを必要とする六方晶、あるいは複雑な規則相における双晶変形の原子的メカニズムや、せん断帯、粒界すべり、アモルファス・金属ガラスの変形、マルテンサイト変態もこの範疇に入る。我々は、転位や回位(disclination)を内包し結晶性材料の変形現象を包括的に理解する上位概念として、変形子(プラストン:plaston)を提案し、それに基づいて材料の変形と破壊を基礎的に理解しようとしている。本公募シンポジウムは、過去5回の公募シンポジウムに引き続き、プラストンに関する理解の進展を議論することを目的としている。
テーマ責任者
(シンポジウム chair):
京都大学教授 辻 伸泰
E-mail: nobuhiro-tsuji[at]mtl.kyoto-u.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください
(シンポジウム co-chairs):
京大 田中 功 乾 晴行 九大 津﨑 兼彰 東大 幾原 雄一
阪大 尾方 成信 京大名誉教授 落合 庄治郎
S4 ナノ・マイクロスペーステイラリング
Tailoring of Nano/Micro-Space for Advanced Functions
本シンポジウムは、新規デバイス要素を目指して、エネルギービーム照射でナノメーターからマイクロメーター規模の複雑形状構造体の形成と修飾が可能となってきている。その構造体形成も加算的(additive)な積み上げ法と減算的(subtractive)な手法が主要であるが、結晶格子レベルのかご状空間や層間を制御して新規機能を作り込む(tailoring)ことも考えられる。こうした機能をもった高次構造を形成するためにはイオン・電子線およびレーザ照射による励起反応場、高温高圧などの化学反応場など非平衡反応を活用して材料科学的に取り扱うだけでなく、計算科学的手法で特性を予測しプロセスを最適化することも必要となってくる。本シンポジウムではナノ・マイクロ構造体の形成および機能制御、計算科学的手法による設計、特性評価に関連する研究者・開発者が一同に会し、様々な手法により創成したナノ・マイクロ構造体の設計と機能発現に関わる最近の成果および問題点について議論する。
テーマ責任者
(シンポジウム chair):
筑波大学数理物質系物質工学域准教授 谷本 久典
E-mail: tanimoto[at]ims.tsukuba.ac.jp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください
(シンポジウム co-chairs):
東北大 加藤 秀美 森戸 春彦 中村 貴宏 大阪府立大 堀 史説
東北大 田中 俊一郎
S5 材料技術史から見るこれからの技術展開II
Future growth expected from technological history of materials II
金属材料は精錬、溶解、鋳造、成形(鍛造、圧延など)のプロセスを経て必要な特性を発現させる。材料開発の歴史の中でプロセス開発は重要な役割を担ってきた。持続可能な社会のためには、材料特性だけではなく、環境低負荷プロセスや高効率プロセスの開発が必要であり、さらに、これらの新しいプロセスに適した合金開発や応用展開も期待される。これからの材料研究の新展開を考えるために、今までのプロセスや材料開発の歴史を振り返るとともに、これから期待される新しいプロセスや材料開発、実用分野などについて議論するために、このシンポジウムを行う。1回目は材料を特定し、Tiに関するシンポジウムを開催した。今回は、少し視点を変え、種々の金属の精錬・製造技術やリサイクルに関する技術史と今後の展望について議論を行う。
テーマ責任者
(シンポジウム chair):
奈良女子大准教授 松岡 由貴
E-mail: matsuoka[at]cc.nara-wu.ac.jjp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください
(シンポジウム co-chairs):
NIMS 御手洗 容子 東工大 小林 能直
S6 金属表面の材料化学II ―めっき・耐食性・耐酸化性・触媒研究の新展開―
Materials Science in Surface Chemistry on Metals
金属表面と溶液や気体などとの化学反応は、めっき、化成処理、腐食、高温酸化、触媒などの分野で重要な研究対象となっている。また、表面化学反応を積極的に利用したナノポーラス材料などの開発も活発化している。しかし、金属と溶液・気体との化学反応の本質にせまるためには、その場解析が不可欠であるが空間・時間分解能や分析精度などには制約がある。しかも、不均一反応であるため理論的な取り扱いも発展途上にある。反応起点や律速段階の学理の深化には課題が多く、関連分野の研究者および企業での開発者が一同に会して問題点を抽出・議論することが必要な時期にきている。本シンポジウムでは金属表面の化学に関して、主にめっき・触媒・耐食性・耐酸化性の分野から講演を募り、研究者間での意見・情報交換、討論を行う。
テーマ責任者
(シンポジウム chair):
東北大学教授 武藤 泉
E-mail: mutoi[at]material.tohoku.ac.jjp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください
(シンポジウム co-chairs):
兵庫県立大 八重 真治 北大 林 重成 東北大 亀岡 聡
NIMS 廣本 祥子
S7 材料機能特性のアーキテクチャー構築シンポジウムI ―マルチスケールにおける相界面の役割―
Architecture construction for functions and properties of materials I ―Roles of phase interface on a multi-scale―
本シンポジウムのテーマ責任者らはシンポジウムテーマとほぼ同名の研究会を2018年度からスタートさせている。原子レベルでの結晶構造や格子欠陥から相界面を含む組織に至るまで、マルチスケールにわたる材料の構造全体をアーキテクチャーとして捉え、構造用や機能性の区別なく多彩な材料を対象として、格子欠陥と相界面を制御して個々の機能特性を向上させるために必要な学理を改めて構築することを目指している。研究会メンバーに限らず、多様な専門分野の方々に広く参加いただく機会として本シンポジウムを開催し、異なる専門をバックグラウンドにした多角的視点からの深い議論を期待する。初回となる今回は、マルチスケールにおける相界面の役割に着目し、例えば複相合金や複合材料、材料表面の皮膜形成やコーティング、異種材料接合界面などを広く対象として、機能発現メカニズムの理解や性能の向上だけでなく、耐久性と信頼性の実現を目指すための議論に発展させたい。
テーマ責任者
(シンポジウム chair):
東京工業大学物質理工学院材料系教授 木村 好里
E-mail: kimura.y.ac[at]m.titech.ac.jjp
※ メールアドレスの[at]は@に置き換えてください
(シンポジウム co-chairs):
足利大 小林 重昭 東北大 関戸 信彰 産総研 田中 孝治
熊本大 連川 貞弘 東工大 細田 秀樹 東北大 吉見 享祐