イベントのご案内
2025年秋期講演大会公募シンポジウムテーマ要旨
秋期講演大会では下記8テーマの公募シンポジウムを実施します。講演を申込む場合は、希望するシンポジウムを選択して申込下さい。
S1 極限環境対応構造材料のためのマテリアルDX(Ⅲ)
Materials DX for the research and development of structural materials for extreme environment(Ⅲ)
世界中でデジタル・トランスフォーメーション(DX)が材料開発のツールとして活用され始めており、構造材料分野においても徐々に成果が生まれつつある。一方で、我が国のDXへの取り組みは遅れていると言われてきたが、データ駆動型材料設計を目指したDxMTプロジェクトが立ち上がり、極限環境対応構造材料拠点を中心に、構造材料研究・開発のDX化が推進されている。この構造材料DXの取り組みでは、産業界と学術界の双方が利便性を享受できるデータ創出や利活用の方法を整備し、データ駆動型材料設計を可能にするマテリアルDXの加速が急務となっている。そこで、本シンポジウムでは、金属材料を含む構造材料の研究開発に向けたマテリアルDXの構築を目指し、学界と産業界が連携して議論を深める場を創出する。
テーマ責任者
(シンポジウムchair):
東北大学 宮本 吾郎
(シンポジウムco-chairs):
東北大 吉見 享祐
東北大 古原 忠
東北大 及川 勝成
九大 松永 久生
阪大 尾方 成信
NIMS 出村 雅彦
NIMS 大村 孝仁
S2 水素エネルギー材料Ⅺ
Hydrogen Energy Materials-Ⅺ
カーボンニュートラルの実現やエネルギー安全保障の課題解決を目指し、水素エネルギーの有効利用に資する技術開発が進められている。これまで開催されてきた公募シンポジウム「水素エネルギー材料(I~Ⅹ)」では、水素の製造・貯蔵・輸送・利用に関わる材料科学的な課題に加え、材料開発や機能設計のための水素も対象とし、多様な材料や技術に関する議論を深めてきた。本公募シンポジウムでは、これまでの成果を踏まえ、さらに多様な分野からの最新の研究成果を対象とした講演を広く募集する。基礎研究と応用研究の両面から活発な討論を行い、水素科学のさらなる発展を目指すとともに、本シンポジウムを通じて新たな学術的・技術的連携の可能性も模索する。
テーマ責任者
(シンポジウムchair):
北海道大学 礒部 繁人
(シンポジウムco-chairs):
産総研 浅野 耕太
鈴木商館 木村 浩隆
量研 齋藤 寛之
量研 高木 成幸
早大 花田 信子
東京科学大 春本 高志
広島大 宮岡 裕樹
S3 ハイエントロピー合金の材料科学(Ⅻ)
Materials Science and Technology in High-Entropy Alloys(Ⅻ)
2018年秋期講演大会から同一テーマにてシンポジウムを継続開催しており、今回は第12弾となる。本研究分野は、現在世界的にも活況を呈しており、ハイエントロピー合金に関するシンポジウムがTMSやMRSの定期大会のみならず、独立した国際会議としても多く開催されている。我が国においても、科研費・新学術領域研究「ハイエントロピー合金」(2018-2022年度)において数多くの有意義な研究成果が得られた他、そこから派生した研究プロジェクトが現在も国内で多数進行中である。本シンポジウムでは、ハイエントロピー材料の基礎や応用に関する実験・理論研究に関する講演を広く募り、大学・企業・研究所の研究者の活発な議論の場を提供する。さらに、これら研究者の連携を促進しつつ、ハイエントロピー合金に関する未解明の科学的課題への理解を深めるべく企画されるものである。この分野における最新知見の共有および幅広い議論を行うことにより、これまでに行われてきた研究のさらなる進展を目指す。
テーマ責任者
(シンポジウムchair):
島根大学 榎木 勝徳
(シンポジウムco-chairs):
弘前大 峯田 才寛
名大 勝部 涼司
京大 陳 正昊
阪大 新里 秀平
東北大 西本 昌史
京大 吉田 周平
S4 界面ナノ構造と機能の材料科学
New Materials Science on Nanoscale Structures and Functions at Crystal Interface
結晶の界面・粒界は、先進材料の機械的・電気的・化学的特性を支配する重要な要素であるため、その構造を高度に制御し、その潜在的な機能を最大限に引き出すことができれば、材料科学分野における革新的なブレークスルーが期待される。近年、ナノ計測技術や理論計算の分解能・精度が飛躍的に向上したことで、界面・粒界における電子・原子レベルの構造と局在する機能に関する新たな知見が次々と得られている。例えば、電子顕微鏡法の進化により、磁性材料の界面構造の解明が進んでいるほか、データ科学の活用によって、従来解析が困難であった複雑な構造の理解が可能になりつつある。また、外部場と欠陥の複合的な相互作用を利用するこ
とで、従来にない革新的な材料機能の発現も報告されている。本テーマでは、界面ナノ構造および界面機能に関する最新の研究手法や成果を議論し、今後の課題と方向性について意見交換を行う場としたい。
テーマ責任者
(シンポジウムchair):
大阪大学 中村 篤智
(シンポジウムco-chairs):
阪大 吉矢 真人
東大 柴田 直哉
東大 溝口 照康
東京科学大 平山 雅章
東北大 熊谷 悠
名大 松永 克志
名大 丹羽 健
東大 馮 斌
東大 栃木 栄太
S5 超温度場材料創成学Ⅲ:Additive Manufacturingによる材料科学の新展開
Creation of Materials by Super-Thermal Field Ⅲ:New Developments in Materials Science through Additive Manufacturing
レーザーや電子ビームを用いた局所加熱により生じる溶融と凝固は、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion: PBF)法に代表される付加製造(Additive Manufacturing: AM)などにおける結晶成長や材料組織形成に重要な役割を果たしていることが注目されている。特に、107K/m以上にもおよぶ極めて大きな温度勾配(超温度場)の発現は、冷却速度106K/s以上の超急冷、成長速度1m/sにおよぶ高速結晶成長を可能にし、絶対安定性などの特異現象の発現を伴うことから、従来プロセスでは困難であった組織制御などによる新材料創成の基盤としての多様な可能性を有しており、研究報告も数多くされるようになった。本シンポジウムでは、2025年度が最終年度となる学術変革領域研究「超温度場材料創成学」の研究成果を報告するとともに、広くAMによる材料科学の新展開について議論する場を提供する。
テーマ責任者
(シンポジウムchair):
大阪大学 小泉 雄一郎
(シンポジウムco-chairs):
名大 足立 吉隆
九大 森下 浩平
阪大 佐藤 和久
NIMS 戸田 佳明
富山大 石本 卓也
ファインセラミックスセンター 木村 禎一
S6 原子力エネルギー用材料―持続的な原子力材料コミュニティ発展のための共通項―
Nuclear energy materials ―Common challenges for sustainable development in nuclear materials community―
原子力材料コミュニティは、軽水炉、核融合炉、高速炉、小型モジュール炉等の多様な炉型に関する材料開発を含有し、いずれも照射損傷、すなわち中性子照射による原子弾き出しを起源とする材料特性劣化や模擬照射手法(イオン照射)を活用した微小試験片技術を基盤とした議論を深めてきた。事故耐性燃料材料の登場や近年の核融合炉開発研究の活性化を踏まえ、研究トピック間の問題認識を共有化するとともに、学生を含む若手研究者の新規参加を促し、新展開が必要な時期に来ている。本シンポジウムは、2025年2月まで活動した若手研究グループ「原子力エネルギー用材料研究グループ」を総括するとともに、原子炉炉型に関わらず原子力材料分野から照射損傷や微小試験片技術、材料開発に関する講演を広く募り、大学及び学生、国立研究所、民間企業を含む産学官の研究者間での討論及び意見交換を行う場としたい。
テーマ責任者
(シンポジウムchair):
北海道大学 岡 弘
(シンポジウムco-chairs):
量研 叶野 翔
量研 福田 誠
日本核燃料開発(株) 瀬戸 仁史
S7 高温プロセッシングが拓くワイドギャップ結晶の未来Ⅰ
Future of Widegap Crystals Opened by High-Temperature Processing Ⅰ
ワイドギャップ結晶は、省エネ・環境負荷低減に寄与するパワーデバイスや短波長光デバイスへの応用で重要な役割を果たす材料である。特にSiCパワーデバイスは本格的量産が進み、GaNもLEDのみならずパワーデバイス用基板の生産が進められつつある。さらなる発展には各材料の育成技術の確立、結晶の高品質化、およびデバイスプロセスの開発が望まれている。本シンポジウムでは、これまでに6回開催した「ワイドギャップ結晶の材料学と高温プロセッシングⅠ~Ⅵ」における議論を発展させ、高温プロセス学の最前線を踏まえた結晶成長・物性・応用技術を取り上げる。SiCや窒化物材料、酸化物材料等ワイドギャップ結晶の育成技術や欠陥低減技術について、基礎となる金属材料学や冶金学や半導体工学に加え、最先端シミュレーションとの融合、界面評価、過渡現象の評価に関する最新の研究について議論を交わす場とし、カーボンニュートラルの実現に貢献する技術革新を促進することを目指す。
テーマ責任者
(シンポジウムchair):
京都大学 川西 咲子
(シンポジウムco-chairs):
東北大 安達 正芳
名大 宇治原 徹
信越化学工業 美濃輪 武久
S8 材料変形素過程のマルチスケール解析(Ⅷ)
Multi-scale analysis of elementary processes in plasticity(Ⅷ)
近年、材料の変形・破壊を支配する転位や変形双晶といった塑性変形の素過程に関して、最新の実験手法や理論計算手法を駆使した多くの研究がなされ、これまでは十分に理解されていなかった様々な新しい知見が報告されるようになった。本シンポジウムは、塑性変形に関する最新の知見の共有と、材料変形素過程に関する新しい学理構築に向けた実験および理論両者の積極的な融合・連携の促進を目指して企画したものであり、2018年秋期大会から継続的に開催しているものの第8弾にあたる。本シンポジウムでは材料の塑性変形の素過程に関する最新の実験・理論研究に関して特に若手研究者を中心に広く講演を募り、大学、研究所、企業の研究者の活発な議論の場を提供するとともに、これら研究者間の新たな連携の促進を図る。
テーマ責任者
(シンポジウムchair):
名古屋大学 君塚 肇
(シンポジウムco-chairs):
京大 岸田 恭輔
金沢大 下川 智嗣
九大 田中 將己
名大 高田 尚記