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金属は身近なところで活躍しています。
身の回りに溢れている金属製品について、知っているようで知らない事がたくさんあります。
どこでどんなふうに活躍しているか、身の回りの金属について知ってみませんか?
応用編 vol.2[実験: 力学特性]金属の硬化と軟化を調べる
金属の加工による硬化と、加熱による軟化を試してみよう
【用意するもの】
・金属線(アルミニウム、銅、ステンレス)
・ライター(着火器具)
・ハンマー
・金床
【方法】
1. まずそのまま曲げてみる
2. 銅線の端を金床の上でハンマーで叩く
3. 叩いたところを曲げてみる
4. 叩いた部分をステンレス線に引っ掛けて赤くなるまで十分加熱する
5. そのまま空中でゆっくり冷やす
(息を吹きかけたり、振ったりしないこと)
6. 再び曲げてみる
7. アルミニウム線、ステンレス線で同様に試してみる
注意:Al 線はあまり熱しすぎると溶けてしまうので、必ずアルミホイルの上で加熱すること。やけどにも注意!
何もせずにそのまま曲げたとき、線を叩いた後、さらに加熱してから 冷やした後を比べて、線の硬さは同じだろうか、違っただろうか?
加工(叩く、加熱する) すると、金属の性質(硬さ) が変わることを実感する
[解説]加工硬化と軟化のメカニズム
金属の変形
金属に力を加えると、はじめは変形しても力を抜くと元に戻る(弾性変形) が、加える力を増すと、そのうち元に戻らないくらい変形(塑性変形) する。後者は原子の面がすべることで起こる。
原子面のすべりをカーペットにたとえてみよう
長いカーペットをちょっとだけ右に動かすには?
端を持って一気に全体を引きずるにはすごく大きな力が必要
でも端にしわを作って、それを動かせばずーっと少ない力でカーペットを動かすことができる(原子の並び= 結晶格子にできるこのしわを「転位」とよぶ)
加工硬化のメカニズム
力(加工による力) がかかると転位が動きはじめ、新たな転位も生み出される。
転位がある程度まで増えると、互いに絡み合って動けなくなる。
さらに転位を動かすにはもっと強い力が必要になる(硬化)。
加熱による軟化のメカニズム
加工された組織は、ひずみ(転位) が蓄積されているため、
加工前より不安定になっている。(加工組織:高転位密度)
原子が動くことができる温度まで加熱すると、ひずみを緩和するように
原子が動き(再結晶)、転位は消滅してゆく。(再結晶組織:低転位密度)
▶金属の変形(塑性変形) は、力(加工) を加えることにより、
原子の並びに存在するしわ(転位) が動くことで起こる。
▶転位が多くなりすぎると絡み合って動けなくなり、硬くなる(硬化) 。
▶加熱して、加工で絡み合った転位が消滅していくと再び金属は軟らかくなる(軟化) 。
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