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金属は身近なところで活躍しています。
身の回りに溢れている金属製品について、知っているようで知らない事がたくさんあります。
どこでどんなふうに活躍しているか、身の回りの金属について知ってみませんか?
応用編 vol.3[実験: 熱処理]熱処理と金属の強さの関係を調べる
熱処理(焼き入れ/焼き戻し/焼きなまし)で鉄合金の強さが変わることを体験
【用意するもの】
ピアノ線、ライター(着火器具)、水の入った紙コップ
【方法】
A)焼きなまし実験
ピアノ線を曲げてみる(硬くて弾性がある)。
ピアノ線の端をライターで十分加熱し、そのまま空気中でゆっくり冷やす。
加熱した部分を曲げてみる。
B)焼入れ実験
焼きなましで軟らかくなったピアノ線をもう一度ライターで十分加熱し、水中へ急冷する。
加熱した部分を曲げてみる。
C)焼入れ+焼き戻し実験
Bで焼き入れたピアノ線を、ライターで赤くならない程度に数秒間加熱し、そのまま空気中で冷やす。
加熱した部分を曲げてみる。
熱処理によってピアノ線の硬さはどう変わっただろうか?
熱処理は、どのようなところで使われているだろうか?
[解説]熱処理と金属の強さの関係
熱処理の種類と目的
熱処理の目的
・焼入れ:材料を硬くする
・焼きなまし:材料を軟らかくする
・焼戻し:硬すぎる材料を少し軟らかくする
鉄の代表的な熱処理方法
・焼入れ鋼(高温から急冷)
・焼なまし鋼(高中温で長時間保持後、徐冷)
・焼戻し鋼(低温で保持後、空冷)
熱処理すると、金属の組織が変わる
金属は結晶の集りでできている。結晶中では、原子は規則正しく並んでいるが、規則性の乱れている部分もある(格子欠陥:下図参照)。
金属を光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察すると、原子の並び方や、元素の違いなどによって模様が見える。この模様を「組織」とか「ミクロ組織」と呼ぶ。
実験を理解するためのポイント
冷却と加熱の仕方で金属の強度は大きく変わる。
金属のミクロ組織と強さは関係している。
ミクロ組織が変わることで、力を加えて変形させたときの転位の動きが変わってくる。
さらに調べてみたい皆さんへ
鉄を強くする方法は、
1・元素を混ぜる割合や、混ぜる元素の種類を変える
2・作り方を変える
→1. と2. で、鉄のミクロ組織が大きく変わり、強さも変わってくる。
もっと金属について詳しく知りたい方はコチラから
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